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名古屋大学 2003年 文系 第2問 解説

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名古屋大学 2003年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) 微分を用いて接線の傾きを求め、垂直条件から法線 $l$ の傾きを決定し、直線の方程式を立式する。 (2) 直線 $l$ と放物線 $C$ の交点の $x$ 座標を求め、定積分を用いて面積 $S(P)$ を計算する。放物線と直線の間の面積なので、いわゆる「 $\frac{1}{6}$ 公式」が利用できる。得られた $S(P)$ の式に対し、相加・相乗平均の関係を用いて最小値を求める。

解法1

(1)

$y = ax^2$ について微分すると $y' = 2ax$

点 $P(p, ap^2)$ における接線の傾きは $2ap$ である。 直線 $l$ はこの接線と直交し、$p \neq 0$ であるから、その傾き $m$ は

$$ m = -\frac{1}{2ap} $$

となる。したがって、直線 $l$ の方程式は

$$ y - ap^2 = -\frac{1}{2ap}(x - p) $$

すなわち

$$ y = -\frac{1}{2ap}x + \frac{1}{2a} + ap^2 $$

(2)

直線 $l$ と放物線 $C$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の解である。

$$ ax^2 = -\frac{1}{2ap}x + \frac{1}{2a} + ap^2 $$

整理すると

$$ ax^2 + \frac{1}{2ap}x - \left(\frac{1}{2a} + ap^2\right) = 0 $$

この方程式は $x = p$ を解にもつので、因数分解できて

$$ (x - p)\left(ax + ap + \frac{1}{2ap}\right) = 0 $$

よって、もう1つの交点の $x$ 座標を $q$ とすると

$$ q = -p - \frac{1}{2a^2p} $$

$a > 0$ かつ $p > 0$ であるから、$q < 0$ となり、$q < p$ である。 直線 $l$ と放物線 $C$ で囲まれる面積 $S(P)$ は、定積分を用いて次のように計算できる。

$$ \begin{aligned} S(P) &= \int_q^p \left\{ \left( -\frac{1}{2ap}x + \frac{1}{2a} + ap^2 \right) - ax^2 \right\} dx \\ &= -a \int_q^p (x - p)(x - q) dx \\ &= \frac{a}{6}(p - q)^3 \end{aligned} $$

ここで、$p - q$ を計算すると

$$ \begin{aligned} p - q &= p - \left(-p - \frac{1}{2a^2p}\right) \\ &= 2p + \frac{1}{2a^2p} \end{aligned} $$

$p > 0, a > 0$ より $2p > 0, \frac{1}{2a^2p} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より

$$ 2p + \frac{1}{2a^2p} \geqq 2\sqrt{2p \cdot \frac{1}{2a^2p}} = 2\sqrt{\frac{1}{a^2}} = \frac{2}{a} $$

等号が成立するのは $2p = \frac{1}{2a^2p}$ のときであり、$p^2 = \frac{1}{4a^2}$、$p > 0$ より $p = \frac{1}{2a}$ のときである。 このとき、$p - q$ は最小値 $\frac{2}{a}$ をとる。

$S(P) = \frac{a}{6}(p - q)^3$ は $p - q > 0$ の範囲で単調に増加するため、$p - q$ が最小のとき $S(P)$ も最小となる。 したがって、$S(P)$ の最小値は

$$ S(P) = \frac{a}{6} \left(\frac{2}{a}\right)^3 = \frac{a}{6} \cdot \frac{8}{a^3} = \frac{4}{3a^2} $$

このときの直線 $l$ の傾き $m$ は、(1) で求めた $m = -\frac{1}{2ap}$ に $p = \frac{1}{2a}$ を代入して

$$ m = -\frac{1}{2a \cdot \frac{1}{2a}} = -1 $$

となる。

解説

放物線の法線(接線に垂直な直線)と放物線自身が囲む面積についての典型的な問題である。 (2) における面積計算は、交点の $x$ 座標を $p, q$ として $\frac{a}{6}(p-q)^3$ の形に持ち込むのが定石である。交点の $x$ 座標を求める際、方程式が $x=p$ を解に持つことを利用して $(x-p)$ でくくると計算がスムーズに進む。 また、$p-q$ の最小値を求める場面では、$p>0$ という条件と、互いに逆数の関係にある変数の和の形が現れることから、相加平均と相乗平均の大小関係を用いるのが最も簡潔である。関数として微分し、増減表を書いて最小値を求めてもよい。

答え

(1) $y = -\frac{1}{2ap}x + \frac{1}{2a} + ap^2$

(2) $m = -1$ $S(P) = \frac{4}{3a^2}$

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