トップ 東京工業大学 2013年 理系 第5問

東京工業大学 2013年 理系 第5問 解説

数学C/式と曲線数学2/図形と式数学2/積分法テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
東京工業大学 2013年 理系 第5問 解説

方針・初手

円 $C_1$ が楕円 $C_2$ に「内接する」ための条件を式に翻訳する。 $C_1$ 上のすべての点が $C_2$ の内部または境界上にあり、かつ両者が接点を共有することと同値である。 $C_1$ の方程式を $y^2 = a^2 - (x-a)^2$ と変形し、$C_2$ の不等式 $x^2 + \frac{y^2}{b^2} \leqq 1$ に代入して $x$ についての条件に帰着させるのが見通しがよい。 交点の $x$ 座標の取り得る範囲(定義域)に注意しながら、関数の最大値や重解条件を考える。

解法1

(1)

$C_1$ 上の点 $(x, y)$ は $y^2 = a^2 - (x-a)^2 = 2ax - x^2$ を満たす。 円 $C_1$ の $x$ 座標の範囲は $0 \leqq x \leqq 2a$ である。 $C_1$ が $C_2$ に内接するための条件は、 $C_1$ 上のすべての点が $C_2$ が表す領域 $x^2 + \frac{y^2}{b^2} \leqq 1$ に含まれ、かつ境界を共有することである。 これを式で表すと、 $0 \leqq x \leqq 2a$ を満たすすべての $x$ に対して

$$ x^2 + \frac{2ax - x^2}{b^2} \leqq 1 $$

が成り立ち、かつ等号を満たす $x$ が $0 \leqq x \leqq 2a$ に存在することである。 両辺に $b^2$ を掛けて整理すると、

$$ (b^2 - 1)x^2 + 2ax - b^2 \leqq 0 $$

となる。ここで、$f(x) = (b^2 - 1)x^2 + 2ax - b^2$ とおく。 条件は「区間 $0 \leqq x \leqq 2a$ において常に $f(x) \leqq 0$ であり、かつ $f(x) = 0$ となる $x$ が同区間に存在すること」、すなわち区間における $f(x)$ の最大値が $0$ となることである。 $b$ の値で場合分けを行う。

(i)

$b = 1$ のとき $f(x) = 2ax - 1$ となる。 最大値は $x = 2a$ のときであり、 $f(2a) = 4a^2 - 1 = 0$ より $a = \frac{1}{2}$ である。

(ii)

$b > 1$ のとき $b^2 - 1 > 0$ より $f(x)$ は下に凸の2次関数となる。 軸の方程式は $x = -\frac{a}{b^2 - 1} < 0$ であり、区間 $0 \leqq x \leqq 2a$ において $f(x)$ は単調に増加する。 最大値は $x = 2a$ のときであり、 $f(2a) = 0$ となればよいから

$$ (b^2 - 1)(2a)^2 + 2a(2a) - b^2 = 0 $$

$$ b^2 (4a^2 - 1) = 0 $$

$b > 0$ より $a = \frac{1}{2}$ である。

(iii)

$0 < b < 1$ のとき $b^2 - 1 < 0$ より $f(x)$ は上に凸の2次関数となる。 軸の方程式は $x = -\frac{a}{b^2 - 1} = \frac{a}{1 - b^2} > 0$ である。 軸が区間内にあるか否かでさらに場合分けをする。

(ア) 軸が区間内にあるとき、すなわち $\frac{a}{1 - b^2} \leqq 2a$ のとき $a > 0$ より $1 \leqq 2(1 - b^2)$ となり、 $b^2 \leqq \frac{1}{2}$ すなわち $0 < b \leqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ のときである。 最大値は頂点においてとるため、 $f\left( \frac{a}{1 - b^2} \right) = 0$ となればよい。

$$ \frac{a^2}{1 - b^2} - b^2 = 0 $$

$a > 0$ より $a = b\sqrt{1 - b^2}$ である。

(イ) 軸が区間より右側にあるとき、すなわち $\frac{a}{1 - b^2} > 2a$ のとき $b > \frac{1}{\sqrt{2}}$ のときである。 区間 $0 \leqq x \leqq 2a$ において $f(x)$ は単調に増加する。 最大値は $x = 2a$ のときであり、 $f(2a) = 0$ より $a = \frac{1}{2}$ である。

以上 (i), (ii), (iii) より、求める条件は $0 < b < \frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき $a = b\sqrt{1 - b^2}$ $b \geqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき $a = \frac{1}{2}$ である。

(2)

$b = \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき、 $0 < b < \frac{1}{\sqrt{2}}$ を満たすため、(1)の条件より

$$ a = \frac{1}{\sqrt{3}}\sqrt{1 - \frac{1}{3}} = \frac{1}{\sqrt{3}} \cdot \sqrt{\frac{2}{3}} = \frac{\sqrt{2}}{3} $$

である。 接点の $x$ 座標 $p$ は、 $f(x)$ が最大値をとるときの $x$ の値に等しいから、

$$ p = \frac{a}{1 - b^2} = \frac{\frac{\sqrt{2}}{3}}{1 - \frac{1}{3}} = \frac{\sqrt{2}}{2} $$

である。 接点は第1象限にあるため $q > 0$ であり、$C_2$ の方程式より

$$ p^2 + \frac{q^2}{b^2} = 1 \implies \frac{1}{2} + 3q^2 = 1 \implies 3q^2 = \frac{1}{2} $$

$$ q = \frac{1}{\sqrt{6}} = \frac{\sqrt{6}}{6} $$

よって、接点の座標は $\left( \frac{\sqrt{2}}{2}, \frac{\sqrt{6}}{6} \right)$ である。

(3)

求める面積 $S$ は、 $x \geqq p$ の領域において、楕円 $C_2$ の上半分と $x$ 軸で囲まれた面積から、円 $C_1$ の上半分と $x$ 軸で囲まれた面積を引き、それを上下対称であることから2倍したものである。 すなわち、

$$ S = 2 \int_{p}^{1} b\sqrt{1 - x^2} dx - 2 \int_{p}^{2a} \sqrt{a^2 - (x - a)^2} dx $$

として計算できる。ここで定積分をそれぞれの図形が表す面積として幾何学的に求める。 前半の積分は、楕円 $x^2 + \frac{y^2}{(1/\sqrt{3})^2} = 1$ の $x \geqq \frac{\sqrt{2}}{2}$ の部分である。 これは、半径 $1$ の円 $x^2 + Y^2 = 1$ の $x \geqq \frac{\sqrt{2}}{2}$ の部分の面積を $y$ 軸方向に $\frac{1}{\sqrt{3}}$ 倍したものと等しい。 半径 $1$ の円において $x \geqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ となる部分は、中心角 $\frac{\pi}{2}$ の扇形から直角二等辺三角形を除いた弓形であり、その面積の半分は

$$ \frac{1}{2} \cdot 1^2 \cdot \frac{\pi}{4} - \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{\sqrt{2}} \cdot \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{\pi}{8} - \frac{1}{4} $$

である。したがって前半の面積は

$$ 2 \int_{p}^{1} \frac{1}{\sqrt{3}}\sqrt{1 - x^2} dx = \frac{2}{\sqrt{3}} \left( \frac{\pi}{8} - \frac{1}{4} \right) = \frac{\sqrt{3}\pi}{12} - \frac{\sqrt{3}}{6} $$

となる。 後半の積分は、中心 $\left( \frac{\sqrt{2}}{3}, 0 \right)$、半径 $a = \frac{\sqrt{2}}{3}$ の円のうち、 $x \geqq p = \frac{\sqrt{2}}{2}$ の部分の面積の半分である。 $x = p$ のとき、円の中心からの距離は $\frac{\sqrt{2}}{2} - \frac{\sqrt{2}}{3} = \frac{\sqrt{2}}{6} = \frac{a}{2}$ である。 したがって、この弓形が対応する扇形の中心角の半分を $\theta$ とすると、 $\cos\theta = \frac{1}{2}$ より $\theta = \frac{\pi}{3}$ である。 この部分の面積は、中心角 $\frac{\pi}{3}$ の扇形の面積から、底辺 $\frac{a}{2}$、高さ $\frac{\sqrt{3}}{2}a$ の直角三角形の面積を引いたものとなるから、

$$ \int_{p}^{2a} \sqrt{a^2 - (x - a)^2} dx = \frac{1}{2} a^2 \cdot \frac{\pi}{3} - \frac{1}{2} \cdot \frac{a}{2} \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}a = a^2 \left( \frac{\pi}{6} - \frac{\sqrt{3}}{8} \right) $$

$a^2 = \frac{2}{9}$ を代入して2倍すると、

$$ 2 \int_{p}^{2a} \sqrt{a^2 - (x - a)^2} dx = 2 \cdot \frac{2}{9} \left( \frac{\pi}{6} - \frac{\sqrt{3}}{8} \right) = \frac{2\pi}{27} - \frac{\sqrt{3}}{18} $$

以上より、求める面積 $S$ は

$$ S = \left( \frac{\sqrt{3}\pi}{12} - \frac{\sqrt{3}}{6} \right) - \left( \frac{2\pi}{27} - \frac{\sqrt{3}}{18} \right) $$

$$ S = \left( \frac{\sqrt{3}}{12} - \frac{2}{27} \right)\pi - \frac{\sqrt{3}}{6} + \frac{\sqrt{3}}{18} = \frac{9\sqrt{3} - 8}{108}\pi - \frac{\sqrt{3}}{9} $$

となる。

解説

円と楕円の接し方に関する標準からやや難レベルの図形問題である。 (1)では、両者の方程式を連立して $y$ を消去したあとに得られる2次方程式について、「単なる重解条件(判別式 $D=0$)」だけを調べると、接点が求めたい定義域の外に出てしまうなどの罠がある。 「円のすべての点が楕円の内部に含まれる」という条件を不等式で立式し、関数の最大値の問題に帰着させることで、同値性を崩さずに場合分けを網羅できる。 (3)の積分計算では、まともに置換積分を実行してもよいが、円や楕円の性質を利用して扇形と三角形の面積の組み合わせとして計算することで、計算ミスを減らし見通しをよくすることができる。

答え

(1) $0 < b < \frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき $a = b\sqrt{1 - b^2}$ $b \geqq \frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき $a = \frac{1}{2}$

(2) $\left( \frac{\sqrt{2}}{2}, \frac{\sqrt{6}}{6} \right)$

(3) $\frac{9\sqrt{3} - 8}{108}\pi - \frac{\sqrt{3}}{9}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。