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大阪大学 2016年 理系 第3問 解説

数学C/式と曲線数学2/図形と式数学2/積分法数学1/立体図形テーマ/面積・体積
大阪大学 2016年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) は、円と放物線が「ただ1つの共有点をもつ」ための条件を求める。片方が原点中心の円であることに着目し、放物線上の点と原点との距離の2乗を関数として設定し、その最小値を考える方針が簡明である。または、2曲線が接する条件(共通接線をもつ、あるいは法線が一致する)から攻めることもできる。 (2) は、与えられた連立不等式が表す領域を図示し、回転体の体積を定積分で立式する。円と $x$ 軸の交点の $x$ 座標を求め、積分区間に注意しながら計算を進める。

解法1

(1)

放物線 $y = \sqrt{2}(x-1)^2$ 上の点 $\left( x, \sqrt{2}(x-1)^2 \right)$ と原点 $O$ との距離の2乗を $f(x)$ とおく。

$$ f(x) = x^2 + \left\{ \sqrt{2}(x-1)^2 \right\}^2 = x^2 + 2(x-1)^4 $$

これを $x$ について微分すると、

$$ \begin{aligned} f'(x) &= 2x + 8(x-1)^3 \\ &= 2x + 8(x^3 - 3x^2 + 3x - 1) \\ &= 8x^3 - 24x^2 + 26x - 8 \\ &= 2(4x^3 - 12x^2 + 13x - 4) \\ &= 2(2x-1)(2x^2-5x+4) \end{aligned} $$

ここで、

$$ 2x^2-5x+4 = 2\left(x-\frac{5}{4}\right)^2 + \frac{7}{8} > 0 $$

であるから、$f'(x) = 0$ を満たす実数解は $x = \frac{1}{2}$ のみである。したがって、$f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $\cdots$ $\frac{1}{2}$ $\cdots$
$f'(x)$ $-$ $0$ $+$
$f(x)$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、$f(x)$ は $x = \frac{1}{2}$ のとき最小値をとる。その値は、

$$ f\left(\frac{1}{2}\right) = \left(\frac{1}{2}\right)^2 + 2\left(\frac{1}{2}-1\right)^4 = \frac{1}{4} + 2 \cdot \frac{1}{16} = \frac{3}{8} $$

原点を中心とする半径 $r$ の円 $x^2+y^2=r^2$ と放物線がただ1つの共有点をもつのは、方程式 $f(x) = r^2$ がただ1つの実数解をもつときである。増減表より、それは $y=f(x)$ のグラフと直線 $y=r^2$ が頂点で接するときに限られるため、

$$ r^2 = \frac{3}{8} $$

$r > 0$ であるから、

$$ r = \frac{\sqrt{6}}{4} $$

また、そのただ1つの共有点の座標 $(a,b)$ は、$x = \frac{1}{2}$ のときの放物線上の点であるから、

$$ a = \frac{1}{2} $$

$$ b = \sqrt{2}\left(\frac{1}{2}-1\right)^2 = \frac{\sqrt{2}}{4} $$

(2)

(1) で求めた値より、連立不等式は以下のようになる。

$$ \frac{1}{2} \leqq x \leqq 1, \quad 0 \leqq y \leqq \sqrt{2}(x-1)^2, \quad x^2 + y^2 \geqq \frac{3}{8} $$

(1) の考察から、$\frac{1}{2} < x \leqq 1$ においては $f(x) > \frac{3}{8}$ となるため、放物線は円の外部にある。 円 $x^2 + y^2 = \frac{3}{8}$ と $x$ 軸($y=0$)の交点のうち、正のものは $x = \frac{\sqrt{6}}{4}$ である。 ここで、$\frac{1}{2} = \sqrt{\frac{4}{16}}$、$\frac{\sqrt{6}}{4} = \sqrt{\frac{6}{16}}$、$1 = \sqrt{\frac{16}{16}}$ であるから、位置関係は $\frac{1}{2} < \frac{\sqrt{6}}{4} < 1$ となる。

求める回転体の体積 $V$ は、放物線と $x$ 軸、および直線 $x=\frac{1}{2}$ で囲まれた部分の回転体から、円の内部にあたる部分(円と $x$ 軸、および直線 $x=\frac{1}{2}$ で囲まれた部分の回転体)を引き抜いたものである。

$$ V = \pi \int_{\frac{1}{2}}^1 \left\{ \sqrt{2}(x-1)^2 \right\}^2 dx - \pi \int_{\frac{1}{2}}^{\frac{\sqrt{6}}{4}} \left( \frac{3}{8} - x^2 \right) dx $$

それぞれの積分を計算する。第1項の積分は、

$$ \begin{aligned} \int_{\frac{1}{2}}^1 2(x-1)^4 \,dx &= \left[ \frac{2}{5}(x-1)^5 \right]_{\frac{1}{2}}^1 \\ &= 0 - \frac{2}{5}\left(-\frac{1}{2}\right)^5 \\ &= \frac{1}{80} \end{aligned} $$

第2項の積分は、

$$ \begin{aligned} \int_{\frac{1}{2}}^{\frac{\sqrt{6}}{4}} \left( \frac{3}{8} - x^2 \right) dx &= \left[ \frac{3}{8}x - \frac{x^3}{3} \right]_{\frac{1}{2}}^{\frac{\sqrt{6}}{4}} \\ &= \left( \frac{3}{8} \cdot \frac{\sqrt{6}}{4} - \frac{1}{3} \cdot \frac{6\sqrt{6}}{64} \right) - \left( \frac{3}{8} \cdot \frac{1}{2} - \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{8} \right) \\ &= \left( \frac{3\sqrt{6}}{32} - \frac{\sqrt{6}}{32} \right) - \left( \frac{3}{16} - \frac{1}{24} \right) \\ &= \frac{2\sqrt{6}}{32} - \frac{9 - 2}{48} \\ &= \frac{\sqrt{6}}{16} - \frac{7}{48} \end{aligned} $$

したがって、求める体積 $V$ は、

$$ \begin{aligned} V &= \pi \left\{ \frac{1}{80} - \left( \frac{\sqrt{6}}{16} - \frac{7}{48} \right) \right\} \\ &= \pi \left( \frac{1}{80} + \frac{7}{48} - \frac{\sqrt{6}}{16} \right) \\ &= \pi \left( \frac{3}{240} + \frac{35}{240} - \frac{15\sqrt{6}}{240} \right) \\ &= \frac{38 - 15\sqrt{6}}{240}\pi \end{aligned} $$

解法2

(1) の別解

点 $(a,b)$ は放物線上の点であるから、

$$ b = \sqrt{2}(a-1)^2 $$

放物線 $y = \sqrt{2}(x-1)^2$ について $y' = 2\sqrt{2}(x-1)$ である。 円と放物線がただ1つの共有点をもつとき、その点で2つの曲線は接する。すなわち、点 $(a,b)$ における放物線の法線は、円の中心である原点 $(0,0)$ を通る。

$a=1$ のとき、接線は $y=0$、法線は $x=1$ となり原点を通らないため不適である。 $a \neq 1$ のとき、法線の傾きは $-\frac{1}{2\sqrt{2}(a-1)}$ となる。 法線が原点を通るため、原点と $(a,b)$ を結ぶ直線の傾き $\frac{b}{a}$ と等しくなる。

$$ \frac{b}{a} = -\frac{1}{2\sqrt{2}(a-1)} $$

これに $b = \sqrt{2}(a-1)^2$ を代入すると、

$$ \frac{\sqrt{2}(a-1)^2}{a} = -\frac{1}{2\sqrt{2}(a-1)} $$

$$ -4(a-1)^3 = a $$

展開して整理すると、

$$ 4a^3 - 12a^2 + 13a - 4 = 0 $$

$$ (2a-1)(2a^2-5a+4) = 0 $$

$2a^2-5a+4=0$ の判別式は $D = 25 - 32 = -7 < 0$ より実数解をもたないため、

$$ a = \frac{1}{2} $$

このとき、$b = \frac{\sqrt{2}}{4}$ となる。点 $(a,b)$ は円上の点でもあるので、

$$ r^2 = a^2 + b^2 = \frac{1}{4} + \frac{2}{16} = \frac{3}{8} $$

$r > 0$ より $r = \frac{\sqrt{6}}{4}$。

最後に、これらがただ1つの共有点となるための十分性を確認する。交点の $x$ 座標は以下の方程式を満たす。

$$ x^2 + 2(x-1)^4 = \frac{3}{8} $$

$$ 16x^4 - 64x^3 + 104x^2 - 64x + 13 = 0 $$

$x=\frac{1}{2}$ で接することから $(2x-1)^2 = 4x^2-4x+1$ で割り切れるため、因数分解すると、

$$ (4x^2 - 4x + 1)(4x^2 - 12x + 13) = 0 $$

$4x^2 - 12x + 13 = 4\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 + 4 > 0$ より、$x = \frac{1}{2}$ 以外の実数解をもたない。ゆえに共有点はただ1つであることが示された。

解説

(1) は「2曲線が接する」という条件をどう処理するかがポイントである。一般に $y=f(x)$ と $y=g(x)$ が接する条件は $f(x)=g(x)$ かつ $f'(x)=g'(x)$ であるが、片方が円の場合、本問の解法1のように「円の中心からの距離の最小値」に帰着させると計算が非常にスムーズになる。 (2) は回転体の体積の基本問題であるが、積分区間を正確に把握することが肝要である。円弧と放物線が交差したり上下関係が入れ替わったりしないかを確認し、引き抜くべき円の回転体の $x$ 軸上の端点がどこになるか($\frac{\sqrt{6}}{4}$ と $1$ の大小関係)を丁寧に吟味しなければならない。

答え

(1)

$a = \frac{1}{2}$, $b = \frac{\sqrt{2}}{4}$, $r = \frac{\sqrt{6}}{4}$

(2)

$\frac{38 - 15\sqrt{6}}{240}\pi$

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