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東京大学 1961年 文系 第2問 解説

数学2/微分法数学2/式と証明テーマ/整式の証明
東京大学 1961年 文系 第2問 解説

方針・初手

$f(x)$ を4次式として係数を文字でおく。求める $f'(0)$ は1次の項の係数に該当する。与えられた条件のうち、$x$ の符号が反転しているペア($\pm 0.1$ および $\pm 0.2$)が存在することに着目し、$f(x) - f(-x)$ を計算することで偶数次の項を消去し、効率よく連立方程式を導く。

解法1

$f(x)$ は4次式であるから、$a, b, c, d, e$ を実数の定数として、次のように表せる。

$$ f(x) = ax^4 + bx^3 + cx^2 + dx + e $$

これを微分すると以下のようになる。

$$ f'(x) = 4ax^3 + 3bx^2 + 2cx + d $$

したがって、求める値は $f'(0) = d$ であり、1次の係数 $d$ を求めればよい。

$f(x)$ に $-x$ を代入すると、

$$ f(-x) = ax^4 - bx^3 + cx^2 - dx + e $$

となるので、辺々を引くと偶数次の項が消去され、次の関係式を得る。

$$ f(x) - f(-x) = 2bx^3 + 2dx $$

条件より、$x = 0.1$ および $x = 0.2$ のときの値をそれぞれ計算する。

(i)

$x = 0.1$ のとき

$$ f(0.1) - f(-0.1) = 3.004 - 2.460 = 0.544 $$

であるから、上の関係式に代入して、

$$ 2b(0.1)^3 + 2d(0.1) = 0.544 $$

$$ 0.002b + 0.2d = 0.544 $$

両辺を $1000$ 倍して整理する。

$$ 2b + 200d = 544 $$

$$ b + 100d = 272 \quad \cdots \text{①} $$

(ii)

$x = 0.2$ のとき

$$ f(0.2) - f(-0.2) = 3.320 - 2.226 = 1.094 $$

であるから、同様に代入して、

$$ 2b(0.2)^3 + 2d(0.2) = 1.094 $$

$$ 0.016b + 0.4d = 1.094 $$

両辺を $1000$ 倍して整理する。

$$ 16b + 400d = 1094 $$

$$ 8b + 200d = 547 \quad \cdots \text{②} $$

①より $b = 272 - 100d$ であるから、これを②に代入する。

$$ 8(272 - 100d) + 200d = 547 $$

$$ 2176 - 800d + 200d = 547 $$

$$ -600d = 547 - 2176 $$

$$ -600d = -1629 $$

$$ d = \frac{-1629}{-600} = \frac{543}{200} = 2.715 $$

ゆえに、$f'(0) = 2.715$ である。

解説

4次式の決定問題であるが、まともに連立方程式を立てると未知数が $5$ 個($a, b, c, d, e$)の連立1次方程式を解くことになり、計算が非常に煩雑になる。

求めるものが $f'(0)$(すなわち1次の係数)のみであることと、与えられた代入値が $x = \pm 0.1, \pm 0.2$ と原点に対して対称になっていることに着目し、奇関数部分 $f(x) - f(-x)$ を取り出す工夫をすることで、未知数 $b, d$ のみの連立方程式に帰着させることができる。同様に、偶関数部分 $f(x) + f(-x)$ を計算すれば $a, c, e$ についての連立方程式が得られるが、本問の解答には不要である。

答え

$$ 2.715 \quad \left( または \ \frac{543}{200} \right) $$

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