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東京大学 1965年 理系 第4問 解説

数学1/図形計量数学2/微分法テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
東京大学 1965年 理系 第4問 解説

方針・初手

半円の中心 $O$ を原点とする座標平面を設定し、点 $P$ の位置を変数を用いて表す。四角形 $ROSP$ の対角線 $OP$ と $RS$ が直交することに着目し、面積を $P$ の座標を用いた関数として立式する。 その後、得られた関数の最大値を求めるが、定数 $k$ の値によって最大値をとる $P$ の位置が変わるため、適切に場合分けを行う。

解法1

$O$ を原点、直線 $AB$ を $x$ 軸、直線 $OC$ を $y$ 軸とする座標平面を設定する。 $AB=2$ より半円の半径は $1$ であり、半円の式は $x^2 + y^2 = 1 \ (y \ge 0)$ と表せる。 また、$A(-1, 0), B(1, 0), C(0, 1)$ となる。

点 $P$ は線分 $OC$ 上の点であるから、その座標を $(0, p)$ とおく。$P$ は動点であるため、$p$ のとり得る値の範囲は $0 \le p \le 1$ である。 点 $Q$ は線分 $PO$ を $k:1$ に内分する点であるから、$Q$ の $y$ 座標を $q$ とすると、

$$ q = \frac{1 \cdot p + k \cdot 0}{k + 1} = \frac{p}{k+1} $$

となる。したがって、$Q \left(0, \frac{p}{k+1} \right)$ である。

弦 $RS$ は $x$ 軸に平行であり、点 $Q$ を通るから、直線 $RS$ の方程式は $y = \frac{p}{k+1}$ である。 $R$ と $S$ の $x$ 座標は、半円の式 $x^2 + y^2 = 1$ に $y = \frac{p}{k+1}$ を代入して、

$$ x^2 + \left( \frac{p}{k+1} \right)^2 = 1 $$

$$ x^2 = 1 - \frac{p^2}{(k+1)^2} $$

$$ x = \pm \sqrt{1 - \frac{p^2}{(k+1)^2}} $$

となる。よって、弦 $RS$ の長さは、

$$ RS = 2 \sqrt{1 - \frac{p^2}{(k+1)^2}} $$

である。

四角形 $ROSP$ の対角線 $OP$ は $y$ 軸上にあり、対角線 $RS$ は $x$ 軸に平行であるため、この2つの対角線は互いに直交する。 したがって、四角形 $ROSP$ の面積 $S$ は、

$$ S = \frac{1}{2} \times OP \times RS $$

$$ S = \frac{1}{2} \cdot p \cdot 2 \sqrt{1 - \frac{p^2}{(k+1)^2}} $$

$$ S = p \sqrt{1 - \frac{p^2}{(k+1)^2}} $$

と表される。 $p \ge 0$ より $S \ge 0$ であるから、$S$ が最大となることと $S^2$ が最大となることは同値である。

$$ S^2 = p^2 \left( 1 - \frac{p^2}{(k+1)^2} \right) = p^2 - \frac{p^4}{(k+1)^2} $$

ここで、$t = p^2$ とおくと、$0 \le p \le 1$ より $0 \le t \le 1$ である。 $S^2$ を $t$ の関数とみて $f(t)$ とおくと、

$$ f(t) = t - \frac{1}{(k+1)^2} t^2 $$

$$ f(t) = -\frac{1}{(k+1)^2} \left( t^2 - (k+1)^2 t \right) $$

$$ f(t) = -\frac{1}{(k+1)^2} \left( t - \frac{(k+1)^2}{2} \right)^2 + \frac{(k+1)^2}{4} $$

これは $t$ についての2次関数であり、グラフは上に凸、軸は直線 $t = \frac{(k+1)^2}{2}$ である。 $k$ は正の定数であるから $k > 0$ であり、$k+1 > 1$ となる。 定義域 $0 \le t \le 1$ と軸の位置関係によって場合分けを行う。

(i) 軸が定義域内にある場合

すなわち、$\frac{(k+1)^2}{2} \le 1$ のとき。 $(k+1)^2 \le 2$ であり、$k+1 > 0$ より $k+1 \le \sqrt{2}$、よって $k \le \sqrt{2} - 1$ となる。 $k > 0$ であるから、この場合は $0 < k \le \sqrt{2} - 1$ のときである。 $f(t)$ は $t = \frac{(k+1)^2}{2}$ のときに最大値をとる。 $t = p^2$ であり $p \ge 0$ であるから、このとき $p = \frac{k+1}{\sqrt{2}}$ である。

(ii) 軸が定義域の右側にある場合

すなわち、$\frac{(k+1)^2}{2} > 1$ のとき。 (i) と同様に計算して、$k > \sqrt{2} - 1$ のときである。 このとき、区間 $0 \le t \le 1$ において $f(t)$ は単調に増加するため、$t = 1$ のときに最大値をとる。 したがって、このとき $p = 1$ である。

以上より、面積が最大となる点 $P$ の位置は以下のようになる。 $0 < k < \sqrt{2} - 1$ のとき、線分 $OC$ 上で $O$ からの距離が $\frac{k+1}{\sqrt{2}}$ の点。 $k \ge \sqrt{2} - 1$ のとき、点 $C$ に一致する点。 (※ $k = \sqrt{2} - 1$ のときは $p=1$ となり点 $C$ と一致するため、どちらの場合に含めてもよいが、ここでは後者にまとめた)

解法2

解法1と同様に座標を設定し、四角形 $ROSP$ の面積 $S$ を $p \ (0 \le p \le 1)$ の関数として表す。

$$ S(p) = p \sqrt{1 - \frac{p^2}{(k+1)^2}} $$

ここで、$c = \frac{1}{k+1}$ とおくと、$k > 0$ より $0 < c < 1$ である。

$$ S(p) = p \sqrt{1 - c^2 p^2} $$

$0 < p < 1$ において、両辺を $p$ で微分する。

$$ S'(p) = 1 \cdot \sqrt{1 - c^2 p^2} + p \cdot \frac{-2c^2 p}{2\sqrt{1 - c^2 p^2}} $$

$$ S'(p) = \frac{1 - c^2 p^2 - c^2 p^2}{\sqrt{1 - c^2 p^2}} $$

$$ S'(p) = \frac{1 - 2c^2 p^2}{\sqrt{1 - c^2 p^2}} $$

$S'(p) = 0$ となる $p$ の値を求める。 $1 - 2c^2 p^2 = 0$ であり、$p > 0$ より $p = \frac{1}{\sqrt{2} c}$ となる。 $c = \frac{1}{k+1}$ を戻すと、$p = \frac{k+1}{\sqrt{2}}$ である。 この値が区間 $0 < p < 1$ に含まれるかどうかで場合分けを行う。

(i)

$\frac{k+1}{\sqrt{2}} < 1$ のとき

すなわち、$k+1 < \sqrt{2}$ より $0 < k < \sqrt{2} - 1$ のとき。 $0 < p < \frac{k+1}{\sqrt{2}}$ では $S'(p) > 0$、$\frac{k+1}{\sqrt{2}} < p < 1$ では $S'(p) < 0$ となる。 したがって、$S(p)$ の増減表は以下のようになり、$p = \frac{k+1}{\sqrt{2}}$ で最大値をとる。

(ii)

$\frac{k+1}{\sqrt{2}} \ge 1$ のとき

すなわち、$k \ge \sqrt{2} - 1$ のとき。 区間 $0 < p < 1$ において常に $p < \frac{k+1}{\sqrt{2}}$ であるため、$S'(p) > 0$ が成り立つ。 したがって、$S(p)$ は区間 $0 \le p \le 1$ で単調増加となり、$p = 1$ で最大値をとる。

以上より、面積が最大となるのは、 $0 < k < \sqrt{2} - 1$ のとき、$OP = \frac{k+1}{\sqrt{2}}$ となる点。 $k \ge \sqrt{2} - 1$ のとき、$P$ が $C$ と一致するとき。

解説

図形の面積を1変数の関数として表し、最大値を求めるという定石通りの問題である。対角線が直交する四角形の面積公式 $S = \frac{1}{2} \times (\text{対角線1}) \times (\text{対角線2})$ に気づくと計算がスムーズになる。 $p$ の範囲が有限区間 $0 \le p \le 1$ に制限されているため、関数の極大値をとる $p$ の値がこの区間内に入るかどうかで、定数 $k$ による場合分けが発生する点に注意したい。平方完成で2次関数に帰着させる解法1のほうが、微分の計算ミスを避けられるため安全である。

答え

$0 < k < \sqrt{2} - 1$ のとき、線分 $OC$ 上で点 $O$ からの距離が $\frac{k+1}{\sqrt{2}}$ となる点 $k \ge \sqrt{2} - 1$ のとき、点 $C$

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