トップ 東京大学 1981年 理系 第4問

東京大学 1981年 理系 第4問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形テーマ/空間図形テーマ/場合分けテーマ/存在証明
東京大学 1981年 理系 第4問 解説

方針・初手

条件 (イ)〜(ニ) をベクトルのなす角を用いて数式に翻訳し、点 $P(x,y,z)$ の座標に関する連立方程式を立てる。 立てた方程式から $x, y$ を消去し、$z$(または $z^2$)についての方程式を導く。その際、$z>0$ の条件に注意し、導かれた $z^2$ の方程式の実数解の個数を調べることで、条件を満たす点 $P$ の個数を求める。

解法1

点 $P$ の座標を $(x,y,z)$ とおく。条件 (イ) より $z>0$ である。

条件 (ロ) について、直線 $PA$ と $z$ 軸に平行な直線のなす角が $\frac{\pi}{4}$ である。$z$ 軸に平行な直線の方向ベクトルを $\vec{e} = (0,0,1)$ とすると、直線 $PA$ の方向ベクトルは $\vec{AP} = (x-1, y-1, z)$ である。これら2つのベクトルのなす角が $\frac{\pi}{4}$ となるので、

$$ \frac{|\vec{AP} \cdot \vec{e}|}{|\vec{AP}||\vec{e}|} = \cos \frac{\pi}{4} = \frac{1}{\sqrt{2}} $$

$$ \frac{|z|}{\sqrt{(x-1)^2+(y-1)^2+z^2} \cdot 1} = \frac{1}{\sqrt{2}} $$

両辺を2乗して分母を払い、整理すると以下の式を得る。

$$ (x-1)^2 + (y-1)^2 = z^2 \cdots \text{①} $$

条件 (ハ) についても同様に、$\vec{BP} = (x-1, y+1, z)$ と $\vec{e}$ のなす角が $\frac{\pi}{4}$ となるので、

$$ \frac{|z|}{\sqrt{(x-1)^2+(y+1)^2+z^2}} = \frac{1}{\sqrt{2}} $$

$$ (x-1)^2 + (y+1)^2 = z^2 \cdots \text{②} $$

条件 (ニ) について、$\vec{CP} = (x, y, z)$ と $\vec{e}$ のなす角が $\alpha$ となるので、

$$ \frac{|z|}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}} = \cos \alpha $$

両辺を2乗すると、

$$ z^2 = (x^2+y^2+z^2)\cos^2 \alpha $$

ここで $0 \leqq \alpha < \frac{\pi}{2}$ より $\cos \alpha \neq 0$ であるから、$\tan^2 \alpha = \frac{1-\cos^2 \alpha}{\cos^2 \alpha}$ を用いて整理すると、

$$ x^2 + y^2 = z^2 \tan^2 \alpha \cdots \text{③} $$

①と②より、$(x-1)^2+(y-1)^2 = (x-1)^2+(y+1)^2$ が成り立つ。これを展開して整理すると $y=0$ を得る。 これを①と③に代入すると、

$$ (x-1)^2 + 1 = z^2 \cdots \text{④} $$

$$ x^2 = z^2 \tan^2 \alpha \cdots \text{⑤} $$

ここで、$t = \tan^2 \alpha$($t \geqq 0$)、$Z = z^2$($Z > 0$)とおく。 ④より $x^2 - 2x + 2 = Z$、⑤より $x^2 = Zt$ である。辺々引くと $-2x + 2 = Z(1-t)$ となり、

$$ 2x = Z(t-1) + 2 $$

これを用いて $(2x)^2 = 4Zt$ から $x$ を消去すると、

$$ \{ Z(t-1) + 2 \}^2 = 4Zt $$

$$ (t-1)^2 Z^2 + 4Z(t-1) + 4 = 4Zt $$

$$ (t-1)^2 Z^2 - 4Z + 4 = 0 \cdots \text{⑥} $$

ここで、$Z$ の値が一つ定まれば、$2x = Z(t-1) + 2$ と $y=0$ より実数 $(x,y)$ が一意に定まる。さらに $Z>0$ ならば $z = \sqrt{Z} > 0$ として $z$ も一意に定まる。したがって、条件を満たす点 $P$ の個数は、方程式⑥の正の実数解 $Z$ の個数に一致する。

方程式⑥が2次方程式となる $t \neq 1$ の場合、判別式を $D$ とすると、

$$ \frac{D}{4} = (-2)^2 - 4(t-1)^2 = 4t(2-t) $$

また、実数解をもつとき、$t=1$ ならば $Z=1 > 0$ であり、$t \neq 1$ ならば解と係数の関係より解の和が $\frac{4}{(t-1)^2} > 0$、積が $\frac{4}{(t-1)^2} > 0$ となるため、その実数解は必ず正となる。 したがって、正の実数解の個数を調べるには、実数解の個数を調べればよい。

(i) $\tan \alpha > \sqrt{2}$ のとき $t > 2$ であり、$D < 0$ となるため実数解は存在しない。 よって、点 $P$ の個数は $0$ 個。

(ii) $\alpha = 0$ または $\tan \alpha = \sqrt{2}$ のとき $t = 0$ または $t = 2$ であり、$D = 0$ となるため⑥は $Z=2$ を重解としてもつ。 よって $z = \sqrt{2}$ であり、点 $P$ の個数は $1$ 個。

(iii) $\alpha = \frac{\pi}{4}$ のとき $t = 1$ であり、⑥は $-4Z + 4 = 0$ となり $Z = 1$ となる。 よって $z = 1$ であり、点 $P$ の個数は $1$ 個。

(iv) $0 < \alpha < \frac{\pi}{4}$ または $\frac{\pi}{4} < \alpha < \alpha_0$(ただし $\tan \alpha_0 = \sqrt{2}$)のとき $0 < t < 1$ または $1 < t < 2$ であり、$D > 0$ となるため⑥は異なる2つの正の実数解をもつ。 よって、点 $P$ の個数は $2$ 個。 解の公式より、

$$ Z = \frac{2 \pm 2\sqrt{t(2-t)}}{(t-1)^2} $$

$$ z = \sqrt{Z} = \frac{\sqrt{2 \pm 2\sqrt{t(2-t)}}}{|t-1|} = \frac{\sqrt{t \pm 2\sqrt{t(2-t)} + (2-t)}}{|t-1|} = \frac{|\sqrt{t} \pm \sqrt{2-t}|}{|t-1|} $$

ここで $t = \tan^2 \alpha$ より $\sqrt{t} = \tan \alpha$ である。

$0 < \alpha < \frac{\pi}{4}$($0 < t < 1$)のとき、$\sqrt{t} < \sqrt{2-t}$ および $|t-1| = 1 - \tan^2 \alpha$ となるため、

$$ z = \frac{\sqrt{2-\tan^2 \alpha} \pm \tan \alpha}{1 - \tan^2 \alpha} $$

$\frac{\pi}{4} < \alpha < \alpha_0$($1 < t < 2$)のとき、$\sqrt{t} > \sqrt{2-t}$ および $|t-1| = \tan^2 \alpha - 1$ となるため、

$$ z = \frac{\tan \alpha \pm \sqrt{2-\tan^2 \alpha}}{\tan^2 \alpha - 1} $$

解説

空間図形の方程式への翻訳と、連立方程式の解の個数を調べる問題である。 直線のなす角の条件は、方向ベクトルの内積を用いて立式するのが最も確実である。そこから導かれる方程式群から文字を消去し、$z$(または $z^2$)の1変数の方程式に帰着させる。このとき、$x$ や $z$ が実数として一意に存在するための同値性を崩さないようにすることが重要である。 最後に現れる二重根号は、和が $2$、積が $t(2-t)$ となる2数 $t$ と $2-t$ を見つけることで簡潔な形に外すことができる。

答え

点 $P$ の個数と、それぞれの $z$ の値は以下の通り。

・$\tan \alpha > \sqrt{2}$ のとき 個数 $0$ 個

・$\alpha = 0$ または $\tan \alpha = \sqrt{2}$ のとき 個数 $1$ 個 $z = \sqrt{2}$

・$\alpha = \frac{\pi}{4}$ のとき 個数 $1$ 個 $z = 1$

・$0 < \alpha < \frac{\pi}{4}$ のとき 個数 $2$ 個 $z = \frac{\sqrt{2-\tan^2 \alpha} \pm \tan \alpha}{1-\tan^2 \alpha}$

・$\frac{\pi}{4} < \alpha < \alpha_0$(ただし $0 \leqq \alpha_0 < \frac{\pi}{2}$ かつ $\tan \alpha_0 = \sqrt{2}$)のとき 個数 $2$ 個 $z = \frac{\tan \alpha \pm \sqrt{2-\tan^2 \alpha}}{\tan^2 \alpha - 1}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。