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北海道大学 1964年 文系 第9問 解説

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北海道大学 1964年 文系 第9問 解説

方針・初手

放物線の方程式を条件から文字を用いて設定し、「交点で $y$ 座標が一致する」「交点における接線の傾きの積が $-1$ になる」という2つの条件から連立方程式を立てる。 面積の計算においては、交点の $x$ 座標を境に上下の曲線が変わるため、定積分の区間を分割して計算する。

解法1

(1)

放物線の軸は $y$ 軸に平行であり、点 $A(1, 0)$ で $x$ 軸に接するため、放物線の方程式は定数 $a$ ($a \neq 0$) を用いて $$ y = a(x-1)^2 $$ とおける。これを曲線 $C_1$ とし、もう一方の曲線 $y = k\sqrt{c-x}$ を $C_2$ とおく。

点 $B$ の $x$ 座標は $2$ である。曲線 $C_2$ は $x=2$ において定義され、かつ接線を考えるために微分可能でなければならないので、$c > 2$ である。

点 $B$ は $C_1$ と $C_2$ の交点であるから、$x=2$ のときの $y$ 座標が等しい。 $$ a(2-1)^2 = k\sqrt{c-2} $$

よって、 $$ a = k\sqrt{c-2} \quad \cdots \text{①} $$

次に、それぞれの関数を微分して接線の傾きを求める。 $C_1$ について $y' = 2a(x-1)$ より、点 $B$ における接線の傾き $m_1$ は $$ m_1 = 2a(2-1) = 2a $$

$C_2$ について $y' = -\frac{k}{2\sqrt{c-x}}$ より、点 $B$ における接線の傾き $m_2$ は $$ m_2 = -\frac{k}{2\sqrt{c-2}} $$

点 $B$ における両曲線の接線が互いに直交するため、$m_1 m_2 = -1$ が成り立つ。 $$ 2a \cdot \left( -\frac{k}{2\sqrt{c-2}} \right) = -1 $$

整理して、 $$ ak = \sqrt{c-2} \quad \cdots \text{②} $$

①を②に代入すると、 $$ (k\sqrt{c-2})k = \sqrt{c-2} $$

$$ k^2\sqrt{c-2} = \sqrt{c-2} $$

$c > 2$ より $\sqrt{c-2} \neq 0$ であるから、両辺を割って $$ k^2 = 1 $$

$k$ は正の定数であるから、 $$ k = 1 $$

(2)

$k=1$ のとき、①より $a = \sqrt{c-2}$ となる。 $c > 2$ より $a > 0$ であるから、放物線 $C_1$ は下に凸である。 曲線 $C_2$ は $y = \sqrt{c-x}$ であり、単調に減少し、$x$ 軸との交点は $x=c$ である。

これら2つの曲線と $x$ 軸で囲まれる図形は、$x=1$ から $x=2$ までは $C_1$ と $x$ 軸に、$x=2$ から $x=c$ までは $C_2$ と $x$ 軸に囲まれた領域となる。 したがって、求める面積 $S$ は $$ S = \int_{1}^{2} \sqrt{c-2}(x-1)^2 \,dx + \int_{2}^{c} \sqrt{c-x} \,dx $$

それぞれの定積分を計算する。 $$ \int_{1}^{2} \sqrt{c-2}(x-1)^2 \,dx = \sqrt{c-2} \left[ \frac{1}{3}(x-1)^3 \right]_{1}^{2} = \frac{\sqrt{c-2}}{3} $$

$$ \int_{2}^{c} \sqrt{c-x} \,dx = \left[ -\frac{2}{3}(c-x)^{\frac{3}{2}} \right]_{2}^{c} = 0 - \left( -\frac{2}{3}(c-2)^{\frac{3}{2}} \right) = \frac{2}{3}(c-2)\sqrt{c-2} $$

これらを足し合わせて、 $$ S = \frac{\sqrt{c-2}}{3} + \frac{2}{3}(c-2)\sqrt{c-2} = \frac{\sqrt{c-2}}{3} \{1 + 2(c-2)\} = \frac{\sqrt{c-2}(2c-3)}{3} $$

条件より $S = 1$ であるから、 $$ \frac{\sqrt{c-2}(2c-3)}{3} = 1 $$

$$ \sqrt{c-2}(2c-3) = 3 $$

両辺を2乗して整理する。 $$ (c-2)(2c-3)^2 = 9 $$

$$ (c-2)(4c^2 - 12c + 9) = 9 $$

$$ 4c^3 - 12c^2 + 9c - 8c^2 + 24c - 18 - 9 = 0 $$

$$ 4c^3 - 20c^2 + 33c - 27 = 0 $$

左辺の $c$ に $3$ を代入すると $4 \cdot 27 - 20 \cdot 9 + 33 \cdot 3 - 27 = 108 - 180 + 99 - 27 = 0$ となるため、$c-3$ を因数にもつ。 $$ (c-3)(4c^2 - 8c + 9) = 0 $$

ここで、$4c^2 - 8c + 9 = 4(c-1)^2 + 5 > 0$ であるから、この方程式を満たす実数 $c$ は $c=3$ のみである。 これは定義域の条件 $c > 2$ を満たす。

解説

放物線の方程式を「頂点の座標」から $y = a(x-1)^2$ と適切に設定できるかが第一のポイントである。 「交点を持つ」ことは「座標を共有する」こと、「接線が直交する」ことは「微分係数の積が $-1$ になる」ことと言い換えられる。これらの基本事項を式に落とし込むことで無理なく立式できる。 面積計算においては、図形が交点である $x=2$ を境に分かれることに注意し、積分区間を正確に分割する。計算途中で現れる3次方程式は、因数定理を用いて解を見つけるのが定石である。定数項 $-27$ の約数から見当をつけるとよい。

答え

(1) $k = 1$

(2) $c = 3$

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