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北海道大学 1966年 文系 第6問 解説

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北海道大学 1966年 文系 第6問 解説

方針・初手

点 $P$ の $x$ 座標を変数 $t$ でおき、点 $P$ における接線の傾き $m$ と $t$ の関係式を導く。その後、(1)と(2)で指定された領域の回転体の体積を $a$ と $m$ (あるいは $t$)を用いて表し、体積が等しいという条件から方程式を立てる。回転体の体積は必ず正の値になるため、積分区間や文字式の符号(特に絶対値の扱い)に注意する。

解法1

点 $P$ の $x$ 座標を $t$ とおく。$m \neq 0$ であるから、$t \neq 0$ である。

点 $P$ は放物線 $y=ax^2$ 上にあるので、その座標は $P(t, at^2)$ と表せる。

$y=ax^2$ を微分すると $y'=2ax$ となるため、点 $P$ における接線の傾き $m$ は次のように表される。

$$ m = 2at $$

$a > 0$ であるから、これを $t$ について解くと

$$ t = \frac{m}{2a} $$

となる。また、点 $P$ から $x$ 軸、$y$ 軸におろした垂線の足 $A, B$ の座標は、それぞれ $A(t, 0), B(0, at^2)$ である。

(1)

曲線 $y=ax^2$ と直線 $PA$ (直線 $x=t$)および $x$ 軸によって囲まれた部分を、$x$ 軸のまわりに回転したときに生ずる回転体の体積を $V_1$ とする。

$t$ の正負に関わらず、積分区間の幅は $0$ から $|t|$ までと考えればよいので、体積 $V_1$ は次のように計算できる。

$$ \begin{aligned} V_1 &= \pi \int_{0}^{|t|} (ax^2)^2 dx \\ &= \pi \int_{0}^{|t|} a^2 x^4 dx \\ &= \pi \left[ \frac{a^2}{5} x^5 \right]_{0}^{|t|} \\ &= \frac{\pi a^2}{5} |t|^5 \end{aligned} $$

ここに $|t| = \left| \frac{m}{2a} \right| = \frac{|m|}{2a}$ ($\because a>0$)を代入して整理する。

$$ \begin{aligned} V_1 &= \frac{\pi a^2}{5} \left( \frac{|m|}{2a} \right)^5 \\ &= \frac{\pi a^2}{5} \cdot \frac{|m|^5}{32a^5} \\ &= \frac{\pi |m|^5}{160a^3} \end{aligned} $$

(2)

曲線 $y=ax^2$ と直線 $PB$ (直線 $y=at^2$)および $y$ 軸によって囲まれた部分を、$y$ 軸のまわりに回転したときに生ずる回転体の体積を $V_2$ とする。

$y=ax^2$ より $x^2 = \frac{y}{a}$ である。積分区間は $y=0$ から $y=at^2$ までとなるので、体積 $V_2$ は次のように計算できる。

$$ \begin{aligned} V_2 &= \pi \int_{0}^{at^2} x^2 dy \\ &= \pi \int_{0}^{at^2} \frac{y}{a} dy \\ &= \frac{\pi}{a} \left[ \frac{y^2}{2} \right]_{0}^{at^2} \\ &= \frac{\pi}{2a} (at^2)^2 \\ &= \frac{\pi a t^4}{2} \end{aligned} $$

ここに $t^4 = \left( \frac{m}{2a} \right)^4 = \frac{m^4}{16a^4}$ を代入して整理する。

$$ \begin{aligned} V_2 &= \frac{\pi a}{2} \cdot \frac{m^4}{16a^4} \\ &= \frac{\pi m^4}{32a^3} \end{aligned} $$

条件より $V_1 = V_2$ であるから、次の等式が成り立つ。

$$ \frac{\pi |m|^5}{160a^3} = \frac{\pi m^4}{32a^3} $$

両辺に $\frac{160a^3}{\pi}$ を掛けると

$$ |m|^5 = 5m^4 $$

$m^4 = |m|^4$ であることに注意すると、上式は $|m|^5 = 5|m|^4$ となる。

$m \neq 0$ より $|m|^4 > 0$ であるから、両辺を $|m|^4$ で割ると

$$ |m| = 5 $$

したがって、求める $m$ の値は $\pm 5$ である。

解説

放物線とそれに囲まれた図形の回転体の体積を求める、積分の標準的な問題である。

(1)において、$x$ 軸周りの回転体の体積を計算する際、$m$ (および $t$)の符号が正とは限らない点に注意が必要である。体積は常に正の値をとらなければならないため、積分計算の結果に絶対値を含めるか、初めから積分区間を $0$ から $|t|$ までとして計算すると安全である。これを怠って体積を $m^5$ の式で表してしまうと、$m<0$ のときに体積が負になってしまい、(2)の方程式を正しく解くことができなくなる。

答え

(1) $\frac{\pi |m|^5}{160a^3}$

(2) $m = \pm 5$

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