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北海道大学 1969年 文系 第6問 解説

数学2/微分法数学2/積分法数学2/図形と式テーマ/接線・法線テーマ/面積・体積
北海道大学 1969年 文系 第6問 解説

方針・初手

曲線(イ)の方程式から導関数を求め、極値をとる点 $A, B$ の座標を特定します。直線 $AB$ の方程式を立式し、曲線(イ)と連立することで交点 $C$ の座標を求めます。 その後、点 $C$ を通る直線 $y = mx + n$ を設定し、再度曲線(イ)と連立することで交点 $P, Q$ の $x$ 座標である $x_1, x_2$ の関係を導きます。 (2), (3) は (1) で得られた $x_1, x_2$ の関係式(対称性)を活用することで、計算量を大きく減らすことができます。

解法1

(1) $f(x) = x^3 - 3kx + 4$ とおく。 導関数は $f'(x) = 3x^2 - 3k = 3(x^2 - k)$ となる。 $k>0$ より $f'(x) = 0$ の解は $x = \pm \sqrt{k}$ であり、これらが極値をとる $x$ 座標である。 極値をとる点 $A, B$ の座標は、それぞれ $(-\sqrt{k}, 2k\sqrt{k}+4), (\sqrt{k}, -2k\sqrt{k}+4)$ とおける。

直線 $AB$ の傾きは

$$ \frac{(-2k\sqrt{k}+4) - (2k\sqrt{k}+4)}{\sqrt{k} - (-\sqrt{k})} = \frac{-4k\sqrt{k}}{2\sqrt{k}} = -2k $$

となる。 直線 $AB$ は点 $(\sqrt{k}, -2k\sqrt{k}+4)$ を通るので、その方程式は

$$ y - (-2k\sqrt{k}+4) = -2k(x - \sqrt{k}) $$

$$ y = -2kx + 4 $$

である。 曲線(イ)と直線 $AB$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $x^3 - 3kx + 4 = -2kx + 4$ の解である。 これを整理すると

$$ x^3 - kx = 0 $$

$$ x(x+\sqrt{k})(x-\sqrt{k}) = 0 $$

となり、$x = 0, \pm \sqrt{k}$ を得る。 $A, B$ の $x$ 座標は $\pm \sqrt{k}$ であるから、交点 $C$ の $x$ 座標は $0$ であり、$C(0, 4)$ と求まる。

次に、点 $C(0, 4)$ を通り直線 $AB$ と異なる直線は $y = mx + 4$ ($m \neq -2k$)とおける。 この直線と曲線(イ)の交点の $x$ 座標は、方程式 $x^3 - 3kx + 4 = mx + 4$ の解である。 整理すると

$$ x^3 - (m+3k)x = 0 $$

$$ x\{x^2 - (m+3k)\} = 0 $$

となる。 $x=0$ は点 $C$ に対応するため、点 $P, Q$ の $x$ 座標 $x_1, x_2$ は2次方程式 $x^2 - (m+3k) = 0$ の2つの解である。 直線が(イ)と $C$ 以外の2点で交わるとき、$m+3k > 0$ であり、解と係数の関係(あるいは直接解を求めること)から

$$ x_1 + x_2 = 0 $$

が成り立つ。

(2) $x_1 + x_2 = 0$ より、一方が正で他方が負であるから、$x_1 < 0 < x_2$ としても一般性を失わない。 $x_2 = \alpha$ ($\alpha > 0$)とおくと、$x_1 = -\alpha$ である。 直線 $PQ$ の方程式 $y = mx + 4$ と曲線(イ)の上下関係を調べる。 差をとると

$$ (mx+4) - (x^3-3kx+4) = -x^3 + (m+3k)x = -x(x^2-\alpha^2) $$

となる。 $-\alpha \le x \le 0$ においては $-x(x+\alpha)(x-\alpha) \ge 0$ より直線が曲線より上側にあり、$0 \le x \le \alpha$ においては $-x(x+\alpha)(x-\alpha) \le 0$ より曲線が直線より上側にある。

直線 $PQ$ と(イ)で囲まれる2つの図形の面積をそれぞれ $S_1, S_2$ とすると

$$ S_1 = \int_{-\alpha}^{0} \{-x^3 + \alpha^2 x\} dx = \left[ -\frac{x^4}{4} + \frac{\alpha^2 x^2}{2} \right]_{-\alpha}^{0} = \frac{\alpha^4}{4} $$

$$ S_2 = \int_{0}^{\alpha} \{x^3 - \alpha^2 x\} dx = \left[ \frac{x^4}{4} - \frac{\alpha^2 x^2}{2} \right]_{0}^{\alpha} = \frac{\alpha^4}{4} $$

となる。 したがって、$S_1 = S_2$ であり、面積の比は $1:1$ である。

(3) (1) より $f'(x) = 3x^2 - 3k$ である。 $x_1 = -x_2$ であるから、点 $P, Q$ における接線の傾きはそれぞれ

$$ f'(x_1) = 3x_1^2 - 3k $$

$$ f'(x_2) = 3(-x_1)^2 - 3k = 3x_1^2 - 3k $$

となり等しい。すなわち、点 $P$ における接線と点 $Q$ における接線は平行である。 点 $Q$ における法線は点 $Q$ における接線と垂直であるため、平行な関係にある点 $P$ における接線とも垂直となる。 よって、求めるなす角は $\frac{\pi}{2}$ (または $90^\circ$)である。

解法2

(2)の別解 (1) より、曲線(イ)は $y - 4 = x^3 - 3kx$ と変形できる。 右辺は奇関数であるため、曲線(イ)は点 $(0, 4)$ すなわち点 $C$ に関して点対称な図形である。 直線 $PQ$ は点 $C$ を通る直線であるため、これも点 $C$ に関して点対称である。 したがって、曲線(イ)と直線 $PQ$ で囲まれる2つの図形は、点 $C$ を中心として互いに点対称な図形となる。 合同な図形の面積は等しいため、その面積の比は $1:1$ である。

解説

3次関数のグラフの対称性(変曲点に関する点対称性)を背景とした問題です。 (1) で交点 $C$ が変曲点であることを自力で導出させ、(2) と (3) でその対称性が生み出す性質を問う構成になっています。 計算で押し切ることも十分可能ですが、解法2のように「変曲点を通る直線と3次関数」が作り出す図形が点対称であることを利用すると、(2) は計算なしで自明なものとして処理できます。 (3) も $y=f(x)$ の導関数が偶関数($y$ 軸対称)になることから、変曲点に関して対称な2点での接線の傾きが一致するという基本的な性質を確認する問題です。

答え

(1) $x_1 + x_2 = 0$

(2) $1:1$

(3) $\frac{\pi}{2}$ (または $90^\circ$)

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