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北海道大学 1974年 文系 第2問 解説

数学C/複素数平面数学1/図形計量テーマ/図形総合
北海道大学 1974年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) 複素平面上における図形の条件を数式に翻訳する。3点 $O, A, B$ を頂点とする三角形が $O$ を直角の頂点とする直角二等辺三角形であるための条件は、点 $B$ が点 $A$ を原点 $O$ の周りに $\frac{\pi}{2}$ または $-\frac{\pi}{2}$ 回転した位置にあることである。これを複素数の関係式で表し、$z$ について解く。

(2) 直角二等辺三角形の面積公式 $\frac{1}{2} \times (\text{底辺}) \times (\text{高さ})$ を用いる。辺 $OA$ と辺 $OB$ の長さは等しく、それぞれ $|w-z|, |w+z|$ で表される。(1) で求めた $z$ と $w$ の関係式を利用して、これらの長さを計算する。

解法1

(1)

3点 $O(0), A(w-z), B(w+z)$ を頂点とする三角形が、$O$ を直角の頂点とする直角二等辺三角形となるための条件は、点 $B$ が点 $A$ を原点 $O$ を中心として $\pm\frac{\pi}{2}$ 回転した点であることである。

したがって、次式が成り立つ。

$$ w+z = \pm i(w-z) $$

(i) $w+z = i(w-z)$ のとき

式を展開して整理すると、

$$ w+z = iw-iz $$

$$ (1+i)z = (-1+i)w $$

両辺を $1+i$ で割ると、

$$ z = \frac{-1+i}{1+i}w $$

右辺の分母を実数化して計算する。

$$ z = \frac{(-1+i)(1-i)}{(1+i)(1-i)}w $$

$$ z = \frac{-1+i+i-i^2}{1^2-i^2}w $$

$$ z = \frac{2i}{2}w = iw $$

ここで、$w = -\frac{1}{2} + \frac{\sqrt{3}}{2}i$ を代入すると、

$$ z = i \left( -\frac{1}{2} + \frac{\sqrt{3}}{2}i \right) = -\frac{1}{2}i + \frac{\sqrt{3}}{2}i^2 = -\frac{\sqrt{3}}{2} - \frac{1}{2}i $$

(ii) $w+z = -i(w-z)$ のとき

式を展開して整理すると、

$$ w+z = -iw+iz $$

$$ (1-i)z = (-1-i)w $$

両辺を $1-i$ で割ると、

$$ z = \frac{-1-i}{1-i}w $$

右辺の分母を実数化して計算する。

$$ z = \frac{(-1-i)(1+i)}{(1-i)(1+i)}w $$

$$ z = \frac{-1-i-i-i^2}{1^2-i^2}w $$

$$ z = \frac{-2i}{2}w = -iw $$

ここで、$w = -\frac{1}{2} + \frac{\sqrt{3}}{2}i$ を代入すると、

$$ z = -i \left( -\frac{1}{2} + \frac{\sqrt{3}}{2}i \right) = \frac{1}{2}i - \frac{\sqrt{3}}{2}i^2 = \frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i $$

(i), (ii) より、求める複素数 $z$ は、

$$ z = \frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i, \quad -\frac{\sqrt{3}}{2} - \frac{1}{2}i $$

(2)

まず、$w$ の絶対値を求めておく。

$$ |w| = \sqrt{\left(-\frac{1}{2}\right)^2 + \left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2} = \sqrt{\frac{1}{4} + \frac{3}{4}} = 1 $$

求める3角形 $OAB$ は $\angle AOB = \frac{\pi}{2}$, $OA = OB$ の直角二等辺三角形であるから、その面積 $S$ は次のように表される。

$$ S = \frac{1}{2} OA \cdot OB = \frac{1}{2} |w-z|^2 $$

(1) の結果から $z = \pm iw$ であるため、それぞれの場合について $|w-z|$ を計算する。

(i) $z = iw$ のとき

$$ w-z = w-iw = (1-i)w $$

$$ |w-z| = |1-i| |w| = \sqrt{1^2+(-1)^2} \cdot 1 = \sqrt{2} $$

(ii) $z = -iw$ のとき

$$ w-z = w-(-iw) = (1+i)w $$

$$ |w-z| = |1+i| |w| = \sqrt{1^2+1^2} \cdot 1 = \sqrt{2} $$

いずれの場合も $|w-z| = \sqrt{2}$ となるため、面積 $S$ は、

$$ S = \frac{1}{2} (\sqrt{2})^2 = 1 $$

解説

複素平面における「直角二等辺三角形」の条件を立式する典型的な問題である。点 $O$ を直角の頂点とする場合、もう2つの頂点を表す複素数の間には $\pm i$ 倍($\pm\frac{\pi}{2}$ の回転)の関係が成り立つ。この条件から $z$ と $w$ のシンプルな関係式($z = \pm iw$)を導き出すことができれば、計算量は大幅に減る。

(2) では、(1) で求めた $z$ の具体的な値をそのまま代入して長さを計算することもできるが、$z = \pm iw$ という関係式を利用し、$w$ の絶対値が $1$ であることを用いると計算ミスを防ぎやすくなる。

答え

(1) $$ z = \pm\left(\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i\right) $$ (または $z = \frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i, -\frac{\sqrt{3}}{2} - \frac{1}{2}i$)

(2) $$ 1 $$

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