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北海道大学 1976年 文系 第5問 解説

数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/二次曲線
北海道大学 1976年 文系 第5問 解説

方針・初手

集合とその写像による像(値域)を求める問題である。 (1) は分数関数 $g(x)$ の値域を求める。分子の次数を下げて基本形に変形し、$a < 5$ という条件に注意してグラフの概形から値域を把握する。 (2) はまず $f(A)$ を求め、それを $g(x)$ の定義域として $g(f(A))$ を求める。2つの集合の共通部分が空集合になる条件を不等式で表す。

解法1

(1)

与えられた関数 $g(x)$ の分子を分母で割って変形する。

$$ g(x) = \frac{(3-2a)(x+1) - (3-2a) - (a+2)}{x+1} = 3-2a + \frac{a-5}{x+1} $$

定義域 $A$ は $x \ge -2$ かつ $x \neq -1$ である。 また、条件より $a < 5$ であるから $a-5 < 0$ であることに注意する。 $A$ を $x > -1$ と $-2 \le x < -1$ の2つの範囲に分けて、$y = g(x)$ のとり得る値を調べる。

(i) $x > -1$ のとき

$x+1 > 0$ であり、$a-5 < 0$ であるから、$\frac{a-5}{x+1} < 0$ となる。 したがって、次が成り立つ。

$$ g(x) < 3-2a $$

(ii) $-2 \le x < -1$ のとき

$-1 \le x+1 < 0$ であり、これより $\frac{1}{x+1} \le -1$ となる。 $a-5 < 0$ であるから、両辺に負の数 $a-5$ を掛けると不等号の向きが変わり、次が得られる。

$$ \frac{a-5}{x+1} \ge -(a-5) = 5-a $$

したがって、次が成り立つ。

$$ g(x) = 3-2a + \frac{a-5}{x+1} \ge 3-2a + 5-a = 8-3a $$

(i)(ii) より、$y = g(x)$ のとり得る値の範囲は $y < 3-2a$ または $y \ge 8-3a$ である。 したがって、$g(A)$ を表す条件 $p(y)$ は「$y < 3-2a$ または $y \ge 8-3a$」となる。

(2)

まず、集合 $f(A)$ を求める。 $x \in A$ のときの $f(x) = x^2$ の値域を考える。 $-2 \le x < -1$ のとき、各辺を2乗して $1 < x^2 \le 4$。 $x > -1$ のとき、この区間に $x=0$ が含まれるため $x^2 \ge 0$。 これらを合わせたものが $f(A)$ であるから、次のように求まる。

$$ f(A) = \{y \mid y \ge 0\} $$

次に、集合 $g(f(A))$ を求める。 これは定義域を $x \ge 0$ としたときの $g(x)$ の値域である。 $x \ge 0$ のとき $x+1 \ge 1$ であり、各辺の逆数をとると $0 < \frac{1}{x+1} \le 1$ となる。 $a-5 < 0$ より、各辺に $a-5$ を掛けると不等号の向きが変わり、次が得られる。

$$ a-5 \le \frac{a-5}{x+1} < 0 $$

さらに各辺に $3-2a$ を加える。

$$ -a-2 \le 3-2a + \frac{a-5}{x+1} < 3-2a $$

すなわち、$-a-2 \le g(x) < 3-2a$ であるから、集合 $g(f(A))$ は次のように表される。

$$ g(f(A)) = \{y \mid -a-2 \le y < 3-2a\} $$

最後に、$g(f(A)) \cap f(A) = \phi$ となる条件を考える。 $f(A)$ は $0$ 以上のすべての実数の集合であり、$g(f(A))$ は $-a-2$ 以上 $3-2a$ 未満の実数の集合である。 これらが共通部分を持たない(交わらない)ための条件は、$g(f(A))$ の上限である $3-2a$ が $0$ 以下となることである。

$$ 3-2a \le 0 $$

これを解くと、$a \ge \frac{3}{2}$ を得る。 問題の前提条件 $a < 5$ と合わせると、求める $a$ の範囲は次のようになる。

$$ \frac{3}{2} \le a < 5 $$

解説

合成写像の像(値域)と集合の包含関係を論理的に処理する問題である。 (1) では、分数関数を「定数+(定数)/(1次式)」の形に変形し、定義域に合わせてグラフの取り得る $y$ の値を把握するのが定石である。$a < 5$ という条件から双曲線の形が確定するため、極限や単調性に着目することで容易に値域を求められる。 (2) では「$A$ における $f(x)$ の値域」を求め、それを「新たな定義域」として $g(x)$ の値域を求める。$x \ge 0$ における $g(x)$ のとり得る範囲を正確に求められれば、あとは2つの区間が重ならないように数直線上で条件式を立てるだけで解決できる。

答え

(1) $p(y): y < 3-2a$ または $y \ge 8-3a$ (2) $\frac{3}{2} \le a < 5$

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