九州大学 1976年 文系 第3問 解説

方針・初手
与えられた条件式 $\frac{\overline{PB}}{\overline{PA}} = \frac{1}{2}$ を整理し、点 $P$ の座標に関する等式を導く。点 $P$ が直線 $y = x - 2$ 上にあるという条件を用いて、座標を変数でおいて直接計算する方針と、軌跡がアポロニウスの円になることを利用する方針の2つが考えられる。
解法1
点 $P$ は直線 $y = x - 2$ 上にあるので、その座標を $(t, t-2)$ とおくことができる。
与えられた条件 $\frac{\overline{PB}}{\overline{PA}} = \frac{1}{2}$ より、
$$\overline{PA} = 2\overline{PB}$$
両辺は正であるから、両辺を2乗して、
$$\overline{PA}^2 = 4\overline{PB}^2$$
となる。$A(-2, 0)$、$B(1, 0)$ および $P(t, t-2)$ を用いてそれぞれの長さを $t$ で表すと、
$$\overline{PA}^2 = \{t - (-2)\}^2 + (t - 2 - 0)^2 = (t+2)^2 + (t-2)^2 = 2t^2 + 8$$
$$\overline{PB}^2 = (t - 1)^2 + (t - 2 - 0)^2 = (t-1)^2 + (t-2)^2 = 2t^2 - 6t + 5$$
これらを先ほどの条件式に代入する。
$$2t^2 + 8 = 4(2t^2 - 6t + 5)$$
$$2t^2 + 8 = 8t^2 - 24t + 20$$
整理すると、
$$6t^2 - 24t + 12 = 0$$
両辺を $6$ で割って、
$$t^2 - 4t + 2 = 0$$
この2次方程式を解くと、
$$t = \frac{-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 - 1 \cdot 2}}{1} = 2 \pm \sqrt{2}$$
点 $P$ の $y$ 座標は $y = t - 2$ であるから、
$$y = (2 \pm \sqrt{2}) - 2 = \pm \sqrt{2} \quad \text{(複号同順)}$$
したがって、求める点 $P$ の座標は以下のようになる。
$$(2+\sqrt{2}, \sqrt{2}), \ (2-\sqrt{2}, -\sqrt{2})$$
解法2
条件 $\frac{\overline{PB}}{\overline{PA}} = \frac{1}{2}$ より $\overline{PA} : \overline{PB} = 2 : 1$ であるから、点 $P$ は2点 $A, B$ からの距離の比が $2:1$ である点の軌跡(アポロニウスの円)上にある。
2点 $A(-2, 0)$、$B(1, 0)$ を結ぶ線分 $AB$ を $2:1$ に内分する点を $C$、外分する点を $D$ とする。それぞれの $x$ 座標は、
内分点 $C$ の $x$ 座標は $\frac{1 \cdot (-2) + 2 \cdot 1}{2+1} = \frac{0}{3} = 0$
外分点 $D$ の $x$ 座標は $\frac{-1 \cdot (-2) + 2 \cdot 1}{2-1} = \frac{4}{1} = 4$
よって、$C(0, 0)$、$D(4, 0)$ となる。
点 $P$ の軌跡は、線分 $CD$ を直径とする円である。この円の中心の座標は $C$ と $D$ の中点であるから $(2, 0)$、半径は $\frac{4-0}{2} = 2$ である。したがって、点 $P$ が描く円の方程式は、
$$(x - 2)^2 + y^2 = 4$$
点 $P$ は直線 $y = x - 2$ 上にもあるので、円の方程式に代入して交点の座標を求める。
$$(x - 2)^2 + (x - 2)^2 = 4$$
$$2(x - 2)^2 = 4$$
$$(x - 2)^2 = 2$$
$$x - 2 = \pm \sqrt{2}$$
$$x = 2 \pm \sqrt{2}$$
$y = x - 2$ であるから、
$$y = \pm \sqrt{2} \quad \text{(複号同順)}$$
したがって、求める点 $P$ の座標は以下のようになる。
$$(2+\sqrt{2}, \sqrt{2}), \ (2-\sqrt{2}, -\sqrt{2})$$
解説
2点からの距離の比が一定である点の軌跡を扱う基本的な問題である。解法1のように距離の公式を用いて直接立式する方法は、計算ミスさえしなければ確実に答えにたどり着くことができるため汎用性が高い。一方、解法2のように「アポロニウスの円」の知識を利用すると、方程式の導出やその後の計算が簡略化されることが多い。本問のように円と直線の交点を求める計算に帰着する場合、アポロニウスの円の中心と直線の方程式の形がうまく噛み合い、計算量を減らすことができる。どちらの方法でも対応できるようにしておきたい。
答え
$$(2+\sqrt{2}, \sqrt{2}), \ (2-\sqrt{2}, -\sqrt{2})$$
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