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北海道大学 1981年 文系 第3問 解説

数学2/積分法数学1/二次関数テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
北海道大学 1981年 文系 第3問 解説

方針・初手

2つの放物線 $C_1, C_2$ の交点の $x$ 座標を求め、その大小関係から積分区間を決定する。続いて、積分区間における $C_1$ と $C_2$ の上下関係を調べ、面積を $a$ の関数として定積分で表す。最後に、得られた面積の関数の定義域 $1 \leqq a \leqq 4$ における最大値と最小値を求める。

解法1

2つの放物線 $C_1$ と $C_2$ の交点の $x$ 座標は、方程式

$$ \frac{1}{a}x^2 - x + a = \frac{6}{a^2}x^2 - \frac{6}{a}x + a $$

の解である。両辺から $a$ を引き、整理する。

$$ \left( \frac{1}{a} - \frac{6}{a^2} \right) x^2 - \left( 1 - \frac{6}{a} \right) x = 0 $$

$$ \frac{a-6}{a^2} x^2 - \frac{a-6}{a} x = 0 $$

$$ \frac{a-6}{a^2} (x^2 - ax) = 0 $$

ここで、$1 \leqq a \leqq 4$ であるから $a-6 \neq 0$ であり、両辺を $\frac{a-6}{a^2}$ で割ることができる。

$$ x^2 - ax = 0 $$

$$ x(x - a) = 0 $$

よって、交点の $x$ 座標は $x = 0, a$ となる。$1 \leqq a \leqq 4$ より $0 < a$ である。

次に、$0 \leqq x \leqq a$ における $C_1$ と $C_2$ の上下関係を調べる。

$$ \left( \frac{1}{a}x^2 - x + a \right) - \left( \frac{6}{a^2}x^2 - \frac{6}{a}x + a \right) = \frac{a-6}{a^2} x(x - a) $$

$1 \leqq a \leqq 4$ において、$a-6 < 0$、$a^2 > 0$ であるから $\frac{a-6}{a^2} < 0$ である。

また、$0 \leqq x \leqq a$ において $x(x - a) \leqq 0$ である。

したがって、この区間において

$$ \frac{a-6}{a^2} x(x - a) \geqq 0 $$

となり、$C_1$ が $C_2$ の上側(または一致)にあることがわかる。

$C_1$ と $C_2$ で囲まれる図形の面積を $S(a)$ とすると、$S(a)$ は次のように計算できる。

$$ \begin{aligned} S(a) &= \int_{0}^{a} \left\{ \left( \frac{1}{a}x^2 - x + a \right) - \left( \frac{6}{a^2}x^2 - \frac{6}{a}x + a \right) \right\} dx \\ &= \int_{0}^{a} \frac{a-6}{a^2} (x^2 - ax) dx \\ &= \frac{a-6}{a^2} \left( -\frac{1}{6} \right) (a - 0)^3 \\ &= -\frac{a-6}{6a^2} \cdot a^3 \\ &= -\frac{1}{6} a(a-6) \\ &= -\frac{1}{6} a^2 + a \end{aligned} $$

これを平方完成する。

$$ \begin{aligned} S(a) &= -\frac{1}{6}(a^2 - 6a) \\ &= -\frac{1}{6}(a - 3)^2 + \frac{3}{2} \end{aligned} $$

$S(a)$ は $a$ の2次関数であり、定義域は $1 \leqq a \leqq 4$ である。

放物線 $S(a)$ の軸は $a = 3$ であり、上に凸であるから、$a = 3$ のとき最大となる。最小値は、軸から遠い端点である $a = 1$ のときにとる。

それぞれの値を計算すると、以下のようになる。

$a = 3$ のとき、最大値 $S(3) = \frac{3}{2}$

$a = 1$ のとき、最小値 $S(1) = -\frac{1}{6} \cdot 1^2 + 1 = \frac{5}{6}$

解説

放物線同士で囲まれた面積を求める標準的な問題である。交点の $x$ 座標を求める過程で文字式の割り算が生じるが、文字が $0$ にならないこと(本問では $a-6 \neq 0$)を確認してから割るという基本事項を忘れないようにしたい。

また、面積の定積分計算においては定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3$ を活用することで、計算量を減らし、計算ミスを防ぐことができる。面積の式が得られた後は、与えられた定義域に注意して2次関数の最大・最小を求めればよい。

答え

最大値 $\frac{3}{2}$ ($a = 3$ のとき)

最小値 $\frac{5}{6}$ ($a = 1$ のとき)

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