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京都大学 1980年 理系 第2問 解説

数学2/積分法数学2/微分法数学1/二次関数テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
京都大学 1980年 理系 第2問 解説

方針・初手

放物線の頂点の座標を求め、それが直線 $y = -2x + 5$ 上にあるという条件から、$a$ と $b$ の関係式を導く。 次に、放物線と $x$ 軸との交点を求め、定積分を用いて囲まれる面積 $S$ を計算する。このとき、いわゆる「$\frac{1}{6}$ 公式」を用いると計算がスムーズだ。 面積 $S$ は $a, b$ の式になるが、先ほど求めた関係式を用いて $a$ を消去し、$b$ だけの1変数関数 $S(b)$ に帰着させる。最後に、微分の増減表(解法1)または相加平均と相乗平均の大小関係(解法2)を利用して、$b > 0$ における最大値を求める。

解法1

放物線 $y = ax^2 + bx$ を平方完成すると、

$$ y = a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 - \frac{b^2}{4a} $$

となるため、頂点の座標は $\left( -\frac{b}{2a}, -\frac{b^2}{4a} \right)$ である。 この頂点が直線 $y = -2x + 5$ 上にあるので、代入して

$$ -\frac{b^2}{4a} = -2\left(-\frac{b}{2a}\right) + 5 $$

$$ -\frac{b^2}{4a} = \frac{b}{a} + 5 $$

両辺に $-4a$ を掛ける($a < 0$ より $a \neq 0$ であるため可能)。

$$ b^2 = -4b - 20a $$

$$ 20a = -b^2 - 4b \iff a = -\frac{b(b+4)}{20} \quad \cdots \text{①} $$

条件(1)より $b > 0$ であるから、$b(b+4) > 0$ となり、①より $a < 0$ が自動的に満たされる。

次に、放物線と $x$ 軸で囲む面積 $S$ を求める。 放物線と $x$ 軸の交点の $x$ 座標は、$ax^2 + bx = 0 \iff x(ax+b)=0$ より $x = 0, -\frac{b}{a}$ である。 $a < 0, b > 0$ より $-\frac{b}{a} > 0$ であるため、積分区間は $0 \leqq x \leqq -\frac{b}{a}$ であり、この区間で放物線は $x$ 軸の上側にある($a < 0$ より上に凸)。 したがって、面積 $S$ は

$$ S = \int_0^{-\frac{b}{a}} (ax^2 + bx) dx = -a \int_0^{-\frac{b}{a}} x\left(x - \left(-\frac{b}{a}\right)\right) dx $$

公式 $\int_\alpha^\beta (x-\alpha)(x-\beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を用いて、

$$ S = -a \left\{ -\frac{1}{6} \left(-\frac{b}{a} - 0\right)^3 \right\} = \frac{a}{6} \left(-\frac{b^3}{a^3}\right) = -\frac{b^3}{6a^2} $$

(注:$a<0$ のため分母の $a^2$ は正、分子にマイナスがつくことで全体として正になる) これに①を代入して、$S$ を $b$ の関数 $S(b)$ として表す。

$$ S(b) = -\frac{b^3}{6} \cdot \frac{1}{\left( -\frac{b(b+4)}{20} \right)^2} = -\frac{b^3}{6} \cdot \frac{400}{b^2(b+4)^2} = -\frac{200b}{3(b+4)^2} \times (-1) $$

符号を整理して、

$$ S(b) = \frac{200b}{3(b+4)^2} $$

$S(b)$ の最大値を求めるため、$b$ で微分する。

$$ S'(b) = \frac{200}{3} \cdot \frac{1 \cdot (b+4)^2 - b \cdot 2(b+4)}{(b+4)^4} = \frac{200}{3} \cdot \frac{(b+4) - 2b}{(b+4)^3} = \frac{200(4-b)}{3(b+4)^3} $$

$b > 0$ において、分母 $3(b+4)^3 > 0$ であるから、$S'(b)$ の符号は $4-b$ の符号と一致する。 $S'(b) = 0$ となるのは $b = 4$ のときである。 $0 < b < 4$ のとき $S'(b) > 0$、$b > 4$ のとき $S'(b) < 0$ となるため、$S(b)$ は $b = 4$ において極大かつ最大となる。

このときの面積は、

$$ S(4) = \frac{200 \cdot 4}{3(4+4)^2} = \frac{800}{3 \cdot 64} = \frac{25}{6} $$

解法2

面積 $S$ を $b$ の関数で表すところまでは解法1と同様である。

$$ S(b) = \frac{200b}{3(b+4)^2} \quad (b > 0) $$

分母を展開し、分母・分子を $b$ ($b > 0$) で割ると、

$$ S(b) = \frac{200b}{3(b^2+8b+16)} = \frac{200}{3\left(b + 8 + \frac{16}{b}\right)} $$

$S(b)$ が最大になるのは、分母の $b + \frac{16}{b}$ が最小になるときである。 $b > 0, \frac{16}{b} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$ b + \frac{16}{b} \geqq 2\sqrt{b \cdot \frac{16}{b}} = 2\sqrt{16} = 8 $$

等号が成立するのは、$b = \frac{16}{b}$ すなわち $b^2 = 16$ のときである。 $b > 0$ より、$b = 4$ のときに等号が成立し、$b + \frac{16}{b}$ は最小値 $8$ をとる。

したがって、$S(b)$ は $b = 4$ のとき最大となり、その最大値は

$$ S(4) = \frac{200}{3(8 + 8)} = \frac{200}{48} = \frac{25}{6} $$

解説

放物線と直線の関係から変数を減らし、積分の面積計算を経て1変数の最大値を求めるという、微積分の標準的で非常に良質な問題である。 面積計算で $\int_0^\alpha ax(x-\alpha) dx = -\frac{a}{6}\alpha^3$ の公式($\frac{1}{6}$ 公式)を活用できるかどうかが計算の分かれ道になる。 さらに、得られた関数 $\frac{b}{(b+4)^2}$ の最大値を求める際、微分計算を行ってもよいが、解法2のように分子の次数を下げて分母に相加平均・相乗平均の大小関係を適用する手法は計算ミスを劇的に減らすことができる強力なテクニックである。

答え

$b$ がとる値: $4$

そのときの面積: $\frac{25}{6}$

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