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北海道大学 1990年 文系 第4問 解説

数学C/平面ベクトル数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域テーマ/最大・最小
北海道大学 1990年 文系 第4問 解説

方針・初手

(1) は、与えられたベクトルの関係式に各点の座標を代入して成分計算を行い、点 $P(x, y)$ の軌跡の方程式を導出する。結果として円の方程式が得られる。

(2) は、$\triangle PAC$ の底辺を線分 $AC$ と固定して考える。三角形の面積が最大になるのは、点 $P$ から直線 $AC$ に下ろした垂線の長さ(高さ)が最大になるときである。これを図形的に捉えて円の中心と直線の関係から求めるか、円の媒介変数表示を用いて点と直線の距離の最大値を計算によって求めるアプローチが有効である。

解法1

(1)

与えられた4点の座標より、位置ベクトルの和は成分表示で次のように計算できる。

$$ \vec{OA} + \vec{OB} + \vec{OC} = (3, 0) + (2, 2) + (4, 1) = (9, 3) $$

点 $P$ の座標を $(x, y)$ とすると、$\vec{OP} = (x, y)$ であるから、条件式のベクトルの成分は次のようになる。

$$ 3\vec{OP} - \vec{OA} - \vec{OB} - \vec{OC} = 3(x, y) - (9, 3) = (3x-9, 3y-3) $$

問題の条件 $|3\vec{OP} - \vec{OA} - \vec{OB} - \vec{OC}| = 3$ より、このベクトルの大きさが $3$ となるため、次式が成り立つ。

$$ \sqrt{(3x-9)^2 + (3y-3)^2} = 3 $$

両辺を2乗して整理する。

$$ 9(x-3)^2 + 9(y-1)^2 = 9 $$

$$ (x-3)^2 + (y-1)^2 = 1 $$

これが求める $x, y$ の満たす方程式である。

(2)

(1)の結果から、点 $P$ は中心 $M(3, 1)$、半径 $r=1$ の円周上を動くことがわかる。

次に、底辺となる直線 $AC$ の方程式を求める。2点 $A(3, 0)$、$C(4, 1)$ を通る直線の方程式は、傾きが $\frac{1-0}{4-3} = 1$ であるから、次のようになる。

$$ y - 0 = 1 \cdot (x - 3) $$

$$ x - y - 3 = 0 $$

$\triangle PAC$ の面積が最大になるのは、底辺 $AC$ の長さは一定であるため、点 $P$ と直線 $AC$ の距離が最大になるときである。この距離が最大となる点 $P$ は、円の中心 $M$ を通り直線 $AC$ に垂直な直線上に存在し、かつ直線 $AC$ に関して中心 $M$ と反対側に位置する。

直線 $AC$ の傾きは $1$ であるから、これに垂直な直線の傾きは $-1$ である。中心 $M(3, 1)$ を通り、傾き $-1$ の直線の方程式は次のようになる。

$$ y - 1 = -1 \cdot (x - 3) $$

$$ y = -x + 4 $$

この直線と円 $(x-3)^2 + (y-1)^2 = 1$ の交点を求める。$y = -x + 4$ を円の方程式に代入する。

$$ (x-3)^2 + (-x+4-1)^2 = 1 $$

$$ (x-3)^2 + (-x+3)^2 = 1 $$

$$ 2(x-3)^2 = 1 $$

$$ (x-3)^2 = \frac{1}{2} $$

$$ x = 3 \pm \frac{\sqrt{2}}{2} $$

$y = -x + 4$ を用いて対応する $y$ 座標を求めると、交点の候補として以下の2点が得られる。

$$ P_1\left(3 + \frac{\sqrt{2}}{2}, 1 - \frac{\sqrt{2}}{2}\right), \quad P_2\left(3 - \frac{\sqrt{2}}{2}, 1 + \frac{\sqrt{2}}{2}\right) $$

点と直線の距離の公式を用いて、これら2点から直線 $AC$($x - y - 3 = 0$)までの距離をそれぞれ求める。点 $P_1$ の距離 $h_1$ は以下の通りである。

$$ h_1 = \frac{\left|\left(3 + \frac{\sqrt{2}}{2}\right) - \left(1 - \frac{\sqrt{2}}{2}\right) - 3\right|}{\sqrt{1^2 + (-1)^2}} = \frac{\left|-1 + \sqrt{2}\right|}{\sqrt{2}} = 1 - \frac{\sqrt{2}}{2} $$

点 $P_2$ の距離 $h_2$ は以下の通りである。

$$ h_2 = \frac{\left|\left(3 - \frac{\sqrt{2}}{2}\right) - \left(1 + \frac{\sqrt{2}}{2}\right) - 3\right|}{\sqrt{1^2 + (-1)^2}} = \frac{\left|-1 - \sqrt{2}\right|}{\sqrt{2}} = 1 + \frac{\sqrt{2}}{2} $$

$h_1 < h_2$ であるから、面積が最大となるのは距離が $h_2$ となる点 $P_2$ のときである。したがって、求める座標は $\left(3 - \frac{\sqrt{2}}{2}, 1 + \frac{\sqrt{2}}{2}\right)$ である。

解法2

(1)

与えられた各点の位置ベクトルを成分表示で表すと、$\vec{OA} = (3, 0)$、$\vec{OB} = (2, 2)$、$\vec{OC} = (4, 1)$ である。

点 $P$ の位置ベクトルを $\vec{OP} = (x, y)$ とおくと、ベクトルは次のように計算できる。

$$ 3\vec{OP} - \vec{OA} - \vec{OB} - \vec{OC} = (3x, 3y) - (3+2+4, 0+2+1) = (3x-9, 3y-3) $$

与えられた条件よりこのベクトルの大きさが $3$ であるから、次式が成り立つ。

$$ \sqrt{(3x-9)^2 + (3y-3)^2} = 3 $$

両辺を2乗して整理する。

$$ 9(x-3)^2 + 9(y-1)^2 = 9 $$

$$ (x-3)^2 + (y-1)^2 = 1 $$

これが求める方程式である。

(2)

(1)より、点 $P$ は中心 $(3, 1)$、半径 $1$ の円周上の点であるから、媒介変数 $\theta$($0 \leqq \theta < 2\pi$)を用いて次のように表すことができる。

$$ \begin{cases} x = 3 + \cos\theta \\ y = 1 + \sin\theta \end{cases} $$

直線 $AC$ は2点 $A(3, 0)$、$C(4, 1)$ を通るので、その方程式は次のようになる。

$$ y - 0 = \frac{1 - 0}{4 - 3}(x - 3) $$

$$ x - y - 3 = 0 $$

$\triangle PAC$ の底辺を線分 $AC$ とすると、その長さは一定であるため、面積が最大となるのは点 $P$ と直線 $AC$ の距離が最大となるときである。

点 $P(3+\cos\theta, 1+\sin\theta)$ と直線 $x - y - 3 = 0$ の距離 $h$ は、点と直線の距離の公式により次のように表せる。

$$ h = \frac{|(3+\cos\theta) - (1+\sin\theta) - 3|}{\sqrt{1^2 + (-1)^2}} = \frac{|\cos\theta - \sin\theta - 1|}{\sqrt{2}} $$

三角関数の合成を用いると、分子は次のように変形できる。

$$ h = \frac{\left|\sqrt{2}\cos\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right) - 1\right|}{\sqrt{2}} $$

$0 \leqq \theta < 2\pi$ より $\frac{\pi}{4} \leqq \theta + \frac{\pi}{4} < \frac{9}{4}\pi$ であり、この範囲で $\cos\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right)$ は $-1$ から $1$ までの値をとる。

したがって、絶対値の中身が最も負に大きくなるとき、すなわち $\cos\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right) = -1$ のときに距離 $h$ は最大となる。

このとき、角度は次のようになる。

$$ \theta + \frac{\pi}{4} = \pi $$

$$ \theta = \frac{3}{4}\pi $$

この $\theta$ の値を点 $P$ の座標の式に代入する。

$$ x = 3 + \cos\frac{3}{4}\pi = 3 - \frac{\sqrt{2}}{2} $$

$$ y = 1 + \sin\frac{3}{4}\pi = 1 + \frac{\sqrt{2}}{2} $$

以上より、面積を最大にする点 $P$ の座標は $\left(3 - \frac{\sqrt{2}}{2}, 1 + \frac{\sqrt{2}}{2}\right)$ である。

解説

ベクトルの関係式から軌跡を求める基本的な問題と、円上の点から直線までの距離の最大値を求める図形問題の融合である。

(1) はベクトルの成分計算を正確に行い、円の方程式を導くことができれば問題ない。ベクトルを始点 $O$ に揃える操作が既に完了しているため、そのまま成分を代入するアプローチが最も速い。

(2) は図形的な性質を利用する解法1と、媒介変数表示を利用する解法2の2通りのアプローチが考えられる。解法1は視覚的で直感的にわかりやすいが、円と直線の交点を求め、さらに距離を比較する手順が必要なため計算量が増えやすい。一方、解法2の媒介変数を用いる方法は、三角関数の合成によって距離の変化を一変数関数の最大最小問題に帰着できるため、計算がスッキリとまとまり、ミスを防ぎやすいので実戦的である。

答え

(1) $(x-3)^2 + (y-1)^2 = 1$

(2) $\left(3 - \frac{\sqrt{2}}{2}, 1 + \frac{\sqrt{2}}{2}\right)$

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