北海道大学 1993年 文系 第2問 解説

方針・初手
(1) 円外の点と円上の点の距離の最小値を考える問題である。一般に、中心 $C$、半径 $r$ の円と、円外の点 $P$ について、円上の点 $Q$ との距離 $PQ$ が最小になるのは、3点 $P, Q, C$ がこの順に一直線上に並ぶときであり、その最小値は $CP - r$ となる。 まず、点 $P$ が円 $C_2$ の外部にあることを数式で確認し、その後中心との距離から半径を引いて $l(t)$ を求める。
(2) (1) で求めた $l(t)$ は $t^2$ についての2次関数の平方根を含む式となる。ルートの中身を平方完成し、$t^2 \geqq 0$ の範囲での最小値を求める。
解法1
(1)
円 $C_2: x^2 + (y - 1)^2 = 1$ は、中心を $C(0, 1)$、半径を $r = 1$ とする円である。
点 $P(t, t^2 - 1)$ と中心 $C(0, 1)$ との距離の2乗 $CP^2$ を計算すると、
$$ CP^2 = (t - 0)^2 + (t^2 - 1 - 1)^2 = t^2 + (t^2 - 2)^2 = t^4 - 3t^2 + 4 $$
となる。これを $t^2$ について平方完成すると、
$$ CP^2 = \left( t^2 - \frac{3}{2} \right)^2 + \frac{7}{4} $$
となる。$t$ は実数であるから $t^2 \geqq 0$ であり、任意の実数 $t$ に対して $CP^2 \geqq \frac{7}{4} > 1$ が成り立つ。 したがって $CP > 1$ となり、点 $P$ は常に円 $C_2$ の外部にあることがわかる。
点 $Q$ が円 $C_2$ 上を動くとき、距離 $PQ$ が最小となるのは点 $Q$ が線分 $CP$ 上にあるときである。 よって、求める距離の最小値 $l(t)$ は、中心と点 $P$ の距離から半径を引いたものとなるから、
$$ l(t) = CP - r = \sqrt{t^4 - 3t^2 + 4} - 1 $$
(2)
(1) の結果より、
$$ l(t) = \sqrt{\left( t^2 - \frac{3}{2} \right)^2 + \frac{7}{4}} - 1 $$
$t$ が実数全体を動くとき、$t^2 \geqq 0$ であるから、ルートの中の式は $t^2 = \frac{3}{2}$ のときに最小値 $\frac{7}{4}$ をとる。
このとき、$l(t)$ も最小となり、その最小値は、
$$ \sqrt{\frac{7}{4}} - 1 = \frac{\sqrt{7} - 2}{2} $$
となる。
また、$t^2 = \frac{3}{2}$ のとき、$t = \pm \sqrt{\frac{3}{2}} = \pm \frac{\sqrt{6}}{2}$ である。 このとき、点 $P$ の $y$ 座標は、
$$ y = t^2 - 1 = \frac{3}{2} - 1 = \frac{1}{2} $$
よって、そのときの点 $P$ の座標は $\left( \pm \frac{\sqrt{6}}{2}, \frac{1}{2} \right)$ である。
解説
円上の点と定点の距離の最大・最小を考える際、円の中心と定点との距離に着目するのは基本かつ重要な定石である。 本問では、定点 $P$ も放物線上を動くという設定になっているが、まずは $t$ を固定して考えることで、通常の「点と円の距離」の問題に帰着できる。
解答を作成する上で注意すべき点は、点 $P$ が円の内部に入る可能性の吟味である。もし点 $P$ が円の内部にある場合、最小値は $r - CP$ となるため場合分けが必要になる。本問では平方完成を用いることで、常に円の外部にあることが鮮やかに示される。
(2) は $t^4$ を含む関数の最小値問題であるが、$t^2 = X$ とおいて $X \geqq 0$ の範囲での2次関数の最小値問題として処理する典型的な流れである。
答え
(1)
$$ l(t) = \sqrt{t^4 - 3t^2 + 4} - 1 $$
(2)
最小値: $\frac{\sqrt{7} - 2}{2}$ そのときの $P$ の座標: $\left( \pm \frac{\sqrt{6}}{2}, \frac{1}{2} \right)$
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