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北海道大学 1998年 文系 第1問 解説

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北海道大学 1998年 文系 第1問 解説

方針・初手

二次関数のグラフの対称性を利用し、長方形の頂点の座標を変数で設定する。

関数 $y=x^2-ax$ は直線 $x=\frac{a}{2}$ を軸とする放物線であるため、長方形の $C$ 上の頂点の $x$ 座標を $x = \frac{a}{2} \pm t$ とおくと縦と横の長さが簡潔に表現でき、計算が見通しやすい。

(1)は $t$ の2次関数の最大値問題、(2)は $t$ の3次関数の最大値問題に帰着される。変数の取りうる値の範囲(定義域)と最大値をとる条件に注意して処理する。

解法1

関数 $y = x^2 - ax = \left(x - \frac{a}{2}\right)^2 - \frac{a^2}{4}$ のグラフ $C$ は、直線 $x = \frac{a}{2}$ を軸とする下に凸の放物線である。

定義域 $\frac{a}{6} \leqq x \leqq \frac{5a}{6}$ は $x = \frac{a}{2}$ に関して対称であり、この範囲で $y \leqq 0$ である。

長方形 $T$ の一辺は $x$ 軸に含まれ、対辺の両端は $C$ 上にあるため、この長方形は直線 $x = \frac{a}{2}$ に関して対称となる。

そこで、$C$ 上の2つの頂点の $x$ 座標を $\frac{a}{2} - t$ および $\frac{a}{2} + t$ (ただし $t > 0$)とおく。

これらの $x$ 座標が定義域 $\frac{a}{6} \leqq x \leqq \frac{5a}{6}$ に含まれるための条件は、

$$ \frac{a}{6} \leqq \frac{a}{2} - t < \frac{a}{2} $$

より、$0 < t \leqq \frac{a}{3}$ である。

このとき、長方形 $T$ の横の長さは

$$ \left(\frac{a}{2} + t\right) - \left(\frac{a}{2} - t\right) = 2t $$

縦の長さは、グラフが $x$ 軸の下方にあることから

$$ -\left\{ \left(\frac{a}{2} + t\right)^2 - a\left(\frac{a}{2} + t\right) \right\} = - \left( t^2 - \frac{a^2}{4} \right) = \frac{a^2}{4} - t^2 $$

となる。

(1)

長方形 $T$ の周の長さを $L(t)$ とすると、

$$ L(t) = 2 \left\{ 2t + \left(\frac{a^2}{4} - t^2\right) \right\} = -2t^2 + 4t + \frac{a^2}{2} = -2(t - 1)^2 + 2 + \frac{a^2}{2} $$

$L(t)$ は $t = 1$ を頂点とする上に凸の放物線である。

定義域は $0 < t \leqq \frac{a}{3}$ であるため、頂点 $t=1$ と定義域の右端 $t=\frac{a}{3}$ の位置関係により場合分けを行う。

(i) $\frac{a}{3} < 1$ すなわち $0 < a < 3$ のとき

$0 < t \leqq \frac{a}{3}$ の範囲で $L(t)$ は単調に増加する。

したがって、$t = \frac{a}{3}$ のとき最大値をとる。最大値は

$$ L\left(\frac{a}{3}\right) = -2\left(\frac{a}{3}\right)^2 + 4\left(\frac{a}{3}\right) + \frac{a^2}{2} = -\frac{2}{9}a^2 + \frac{4}{3}a + \frac{1}{2}a^2 = \frac{5}{18}a^2 + \frac{4}{3}a $$

(ii) $1 \leqq \frac{a}{3}$ すなわち $a \geqq 3$ のとき

頂点 $t = 1$ が定義域 $0 < t \leqq \frac{a}{3}$ に含まれる。

したがって、$t = 1$ のとき最大値をとる。最大値は

$$ L(1) = 2 + \frac{a^2}{2} $$

(2)

長方形 $T$ の面積を $S(t)$ とすると、

$$ S(t) = 2t \left(\frac{a^2}{4} - t^2\right) = -2t^3 + \frac{a^2}{2}t $$

$S(t)$ を $t$ で微分すると、

$$ S'(t) = -6t^2 + \frac{a^2}{2} = -6\left(t^2 - \frac{a^2}{12}\right) $$

$S'(t) = 0$ となる $t > 0$ は $t = \frac{a}{2\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{6}a$ である。

ここで、$a > 0$ より $\frac{\sqrt{3}}{6} < \frac{2}{6} = \frac{1}{3}$ であるから、極大値をとる $t = \frac{\sqrt{3}}{6}a$ は常に定義域 $0 < t \leqq \frac{a}{3}$ に含まれる。

$0 < t \leqq \frac{a}{3}$ における $S(t)$ の増減は以下のようになる。

したがって、$S(t)$ は $t = \frac{\sqrt{3}}{6}a$ で極大かつ最大となる。

求める最大値は

$$ S\left(\frac{\sqrt{3}}{6}a\right) = 2\left(\frac{\sqrt{3}}{6}a\right) \left\{ \frac{a^2}{4} - \left(\frac{\sqrt{3}}{6}a\right)^2 \right\} = \frac{\sqrt{3}}{3}a \left( \frac{a^2}{4} - \frac{a^2}{12} \right) = \frac{\sqrt{3}}{3}a \cdot \frac{a^2}{6} = \frac{\sqrt{3}}{18}a^3 $$

解説

放物線のグラフ上の点を扱う際、グラフの対称軸からの距離を変数に設定すると、文字式が簡明になり計算ミスを防ぐことができる典型的な問題である。

(1)の2次関数の最大・最小において、定義域の端点と頂点の位置関係による場合分けが必要となる。本問では定義域の右端がパラメータ $a$ に依存して動くため、$a$ の値によって場合分けが生じる点に注意する。

(2)の3次関数の最大・最小においては、定義域内に常に極大値が含まれるため場合分けは不要となるが、極値をとる $t$ の値が定義域に含まれていることの確認は論理の飛躍を避けるために必ず記述しなければならない。

答え

(1)

$0 < a < 3$ のとき $\frac{5}{18}a^2 + \frac{4}{3}a$

$a \geqq 3$ のとき $\frac{1}{2}a^2 + 2$

(2)

$\frac{\sqrt{3}}{18}a^3$

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