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北海道大学 1997年 文系 第5問 解説

数学C/平面ベクトル数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/図形総合テーマ/存在証明
北海道大学 1997年 文系 第5問 解説

方針・初手

直線に関して対称な点の座標を求める基本操作と、光の反射の性質(入射角と反射角が等しい)から反射光の経路を対称点を用いて見出す問題である。まずは直線 $l$ の方程式を座標表示にして扱いやすくする。反射光の経路は、光源の対称点と反射点を結ぶ直線上にあることを利用する。

解法1

(1)

直線 $l$ 上の任意の点の座標 $(x, y)$ は、実数 $t$ を用いて次のように表される。

$$ (x, y) = (0, 2) + t(1, -2) = (t, -2t + 2) $$

ここから $t$ を消去すると、直線 $l$ の方程式は次のように求まる。

$$ y = -2x + 2 \iff 2x + y - 2 = 0 $$

点 $O'$ の座標を $(s, u)$ とおく。点 $O'$ と点 $O(0,0)$ は直線 $l$ に関して対称であるから、以下の2つの条件を満たす。

  1. 直線 $OO'$ は直線 $l$ と垂直に交わる。
  2. 線分 $OO'$ の中点は直線 $l$ 上にある。

直線 $l$ の方向ベクトル $\vec{c} = (1, -2)$ と $\overrightarrow{OO'} = (s, u)$ は垂直であるから、その内積は $0$ となる。

$$ 1 \cdot s + (-2) \cdot u = 0 \iff s - 2u = 0 $$

また、線分 $OO'$ の中点 $\left(\frac{s}{2}, \frac{u}{2}\right)$ は直線 $l$ 上にあるため、次が成り立つ。

$$ 2 \left( \frac{s}{2} \right) + \frac{u}{2} - 2 = 0 \iff 2s + u = 4 $$

$s = 2u$ を $2s + u = 4$ に代入して解く。

$$ 2(2u) + u = 4 \iff 5u = 4 \iff u = \frac{4}{5} $$

このとき $s = 2 \cdot \frac{4}{5} = \frac{8}{5}$ となる。したがって、点 $O'$ の座標は $\left(\frac{8}{5}, \frac{4}{5}\right)$ である。

(2)

光の反射の法則により、線分 $OQ$ と直線 $l$ のなす角は、半直線 $l'$ と直線 $l$ のなす角に等しい。また、点 $O$ と点 $O'$ は直線 $l$ に関して対称であるため、線分 $OQ$ と直線 $l$ のなす角は、線分 $O'Q$ と直線 $l$ のなす角にも等しい。

したがって、半直線 $l'$ は、点 $O'$ と点 $Q$ を結ぶ直線のうち、点 $Q$ を始点として点 $O'$ と反対側に伸びる半直線に一致する。ゆえに、半直線 $l'$ を含む直線の方向ベクトル $\vec{d}$ は、ベクトル $\overrightarrow{O'Q}$ と同じ向き(平行)である。条件を満たすベクトル $\vec{d}$ の1つとして、そのまま $\overrightarrow{O'Q}$ を採用することができる。

点 $Q(a, b)$ は直線 $l$ 上にあるため、$2a + b - 2 = 0$ を満たし、$b = -2a + 2$ と表せる。これを用いて $\overrightarrow{O'Q}$ を計算する。

$$ \overrightarrow{O'Q} = \left( a - \frac{8}{5}, b - \frac{4}{5} \right) = \left( a - \frac{8}{5}, (-2a + 2) - \frac{4}{5} \right) = \left( a - \frac{8}{5}, -2a + \frac{6}{5} \right) $$

よって、求めるベクトル $\vec{d}$ の1つは $\left( a - \frac{8}{5}, -2a + \frac{6}{5} \right)$ となる。

解説

光の反射に関する典型的な図形問題である。「入射角と反射角が等しい」という物理法則は、数学の図形問題においては「反射光の延長線上に光源の対称点(鏡像)が存在する」と言い換えることができる。この事実を知っていれば、(1) で対称点 $O'$ を求めさせている意図が、そのまま (2) の誘導になっていることにすぐ気づくことができる。

ベクトル $\vec{d}$ は方向ベクトルとして向きさえ合っていればよいため、$\left( a - \frac{8}{5}, -2a + \frac{6}{5} \right)$ の正の定数倍(例えば $5$ 倍して $(5a - 8, -10a + 6)$ など)を答えても正解となる。

答え

(1) $\left( \frac{8}{5}, \frac{4}{5} \right)$

(2) $\vec{d} = \left( a - \frac{8}{5}, -2a + \frac{6}{5} \right)$

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