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北海道大学 2001年 文系 第3問 解説

数学C/複素数平面数学A/図形の性質テーマ/図形総合
北海道大学 2001年 文系 第3問 解説

方針・初手

(1) については、円 $C$ の中心が実軸上にあるという条件から、中心 $w$ を実数としておくことができる。円上の 2 点 $z_1$、$z_2$ から中心 $w$ までの距離が等しいこと、すなわち $|z_1 - w| = |z_2 - w|$ を立式し、方程式を解いて $w$ を求める。半径 $r$ はその距離として計算できる。

(2) については、(1) で求めた $w$ を用いて $z_1 - w$ および $z_2 - w$ を成分表示し、それぞれを極形式に変形することで偏角を読み取る。

(3) については、2 つの線分と短い方の円弧で囲まれるおうぎ形の中心角が、(2) で求めた 2 つの偏角の差として求められることを利用し、おうぎ形の面積の公式 $S = \frac{1}{2}r^2\theta$ にあてはめる。

解法1

(1)

円 $C$ の中心 $w$ は実軸上にあるので、実数 $a$ を用いて $w = a$ とおくことができる。

$z_1$、$z_2$ はともに円 $C$ 上の点であるから、中心 $w$ からの距離は等しく、ともに半径 $r$ に等しい。よって、次の等式が成り立つ。

$$ |z_1 - w| = |z_2 - w| = r $$

両辺を 2 乗して、

$$ |z_1 - w|^2 = |z_2 - w|^2 $$

ここに $z_1 = (1 + \sqrt{2}) + \sqrt{2}i$、$z_2 = \sqrt{3}i$、$w = a$ を代入すると、

$$ |(1 + \sqrt{2} - a) + \sqrt{2}i|^2 = |-a + \sqrt{3}i|^2 $$

それぞれの絶対値の 2 乗を計算する。

$$ (1 + \sqrt{2} - a)^2 + (\sqrt{2})^2 = (-a)^2 + (\sqrt{3})^2 $$

$$ \{(1 + \sqrt{2}) - a\}^2 + 2 = a^2 + 3 $$

左辺を展開して整理する。

$$ (1 + \sqrt{2})^2 - 2(1 + \sqrt{2})a + a^2 + 2 = a^2 + 3 $$

$$ (1 + 2\sqrt{2} + 2) - 2(1 + \sqrt{2})a + 2 = 3 $$

$$ 5 + 2\sqrt{2} - 2(1 + \sqrt{2})a = 3 $$

$a$ について解く。

$$ 2 + 2\sqrt{2} = 2(1 + \sqrt{2})a $$

$$ 2(1 + \sqrt{2}) = 2(1 + \sqrt{2})a $$

$1 + \sqrt{2} \neq 0$ であるから、両辺を $2(1 + \sqrt{2})$ で割って、

$$ a = 1 $$

したがって、円の中心は $w = 1$ である。

また、半径 $r$ は $|z_2 - w|$ に等しいので、

$$ r = |-1 + \sqrt{3}i| = \sqrt{(-1)^2 + (\sqrt{3})^2} = \sqrt{1 + 3} = \sqrt{4} = 2 $$

(2)

(1) の結果より $w = 1$ であるから、

$$ z_1 - w = (1 + \sqrt{2}) + \sqrt{2}i - 1 = \sqrt{2} + \sqrt{2}i $$

これを極形式で表す。絶対値は $\sqrt{(\sqrt{2})^2 + (\sqrt{2})^2} = \sqrt{2 + 2} = 2$ であるから、

$$ z_1 - w = 2 \left( \frac{\sqrt{2}}{2} + \frac{\sqrt{2}}{2}i \right) = 2 \left( \cos\frac{\pi}{4} + i\sin\frac{\pi}{4} \right) $$

よって、偏角は $\frac{\pi}{4}$ である。

同様に、

$$ z_2 - w = \sqrt{3}i - 1 = -1 + \sqrt{3}i $$

これを極形式で表す。絶対値は (1) で計算した通り $2$ であるから、

$$ z_2 - w = 2 \left( -\frac{1}{2} + \frac{\sqrt{3}}{2}i \right) = 2 \left( \cos\frac{2}{3}\pi + i\sin\frac{2}{3}\pi \right) $$

よって、偏角は $\frac{2}{3}\pi$ である。

(3)

線分 $z_1w$ と線分 $z_2w$ のなす角のうち、小さい方を $\theta$ とすると、$\theta$ は (2) で求めた偏角の差となる。

$$ \theta = \frac{2}{3}\pi - \frac{\pi}{4} = \frac{8\pi - 3\pi}{12} = \frac{5}{12}\pi $$

この $\theta$ は $0 < \theta < \pi$ を満たすため、短い方の円弧に対応する中心角である。

求めるおうぎ形の面積を $S$ とすると、半径 $r = 2$、中心角 $\theta = \frac{5}{12}\pi$ であるから、面積の公式より、

$$ S = \frac{1}{2}r^2\theta = \frac{1}{2} \cdot 2^2 \cdot \frac{5}{12}\pi = 2 \cdot \frac{5}{12}\pi = \frac{5}{6}\pi $$

解説

複素数平面における図形の基本的な性質を問う標準的な問題である。

(1) では、中心が実軸上にあるという条件を「虚部が $0$ である」と読み替え、未知数を 1 つに絞ることがポイントである。絶対値の計算では、2 乗してから扱うことで根号を避け、計算を簡略化できる。

(2) は複素数の極形式への変形であり、偏角の主値を求める基本的な操作である。

(3) においては、複素数 $z_1 - w$、$z_2 - w$ の偏角の差が、2 つのベクトルがなす角に対応していることを視覚的に理解しておきたい。短い方の円弧という指定があるため、求めた角が $\pi$ より小さいことを確認する手順も重要である。

答え

(1) $w = 1$, $r = 2$

(2) $z_1 - w$ の偏角: $\frac{\pi}{4}$, $z_2 - w$ の偏角: $\frac{2}{3}\pi$

(3) $\frac{5}{6}\pi$

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