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北海道大学 2002年 文系 第2問 解説

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北海道大学 2002年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) は与えられた条件式 $\int_0^1 f(x) dx = \int_0^1 g(x) dx$ を、定積分の計算を実行することで $a, b, c$ の関係式に翻訳します。 (2) は(1)で求めた条件を $f(x) = g(x)$ に代入し、文字を減らします。区間 $0 \leqq x \leqq 1$ における2次方程式の実数解の個数を調べる問題に帰着されるため、定数分離や2次関数の解の配置(グラフの利用)によってアプローチします。

解法1

(1)

与えられた条件式の両辺の定積分をそれぞれ計算する。

$$ \int_0^1 f(x) dx = \int_0^1 (x^2 + ax + b) dx $$

$$ = \left[ \frac{1}{3}x^3 + \frac{a}{2}x^2 + bx \right]_0^1 = \frac{1}{3} + \frac{a}{2} + b $$

$$ \int_0^1 g(x) dx = \int_0^1 (x + c) dx $$

$$ = \left[ \frac{1}{2}x^2 + cx \right]_0^1 = \frac{1}{2} + c $$

条件よりこれらが等しいので、

$$ \frac{1}{3} + \frac{a}{2} + b = \frac{1}{2} + c $$

整理すると、以下の関係式を得る。

$$ \frac{a}{2} + b - c = \frac{1}{6} $$

(2)

2つの関数のグラフの共有点の $x$ 座標は、方程式 $f(x) = g(x)$ の実数解である。

$$ x^2 + ax + b = x + c $$

$$ x^2 + (a - 1)x + b - c = 0 $$

(1)の結果から $b - c = \frac{1}{6} - \frac{a}{2}$ であるため、これを代入する。

$$ x^2 + (a - 1)x + \frac{1}{6} - \frac{a}{2} = 0 $$

この方程式の $0 \leqq x \leqq 1$ における実数解の個数を調べればよい。方程式を $a$ について整理して定数分離を行う。

$$ a \left( x - \frac{1}{2} \right) = -x^2 + x - \frac{1}{6} $$

$x = \frac{1}{2}$ のとき、左辺は $0$ となるが、右辺は $-\frac{1}{4} + \frac{1}{2} - \frac{1}{6} = \frac{1}{12} \neq 0$ となり等式は成り立たない。よって $x \neq \frac{1}{2}$ としてよい。両辺を $x - \frac{1}{2}$ で割る。

$$ a = \frac{-x^2 + x - \frac{1}{6}}{x - \frac{1}{2}} $$

ここで、右辺の式を見やすくするために $t = x - \frac{1}{2}$ とおくと、$x = t + \frac{1}{2}$ であり、

$$ \frac{-(t + \frac{1}{2})^2 + (t + \frac{1}{2}) - \frac{1}{6}}{t} = \frac{-t^2 + \frac{1}{12}}{t} = -t + \frac{1}{12t} $$

となる。$0 \leqq x \leqq 1$ かつ $x \neq \frac{1}{2}$ より、$t$ のとり得る値の範囲は $-\frac{1}{2} \leqq t < 0, \quad 0 < t \leqq \frac{1}{2}$ である。関数 $y = -t + \frac{1}{12t}$ のグラフと直線 $y = a$ の共有点の個数を調べる。

$y$ を $t$ で微分すると、

$$ y' = -1 - \frac{1}{12t^2} < 0 $$

となり、$y$ は各区間で単調に減少する。また、端点の値および極限は以下のようになる。

したがって、$y = -t + \frac{1}{12t}$ の値域は、区間 $\left[ -\frac{1}{2}, 0 \right)$ において $y \leqq \frac{1}{3}$、区間 $\left( 0, \frac{1}{2} \right]$ において $y \geqq -\frac{1}{3}$ となる。

これと直線 $y = a$ の交点の個数を数えると、求める共有点の個数は以下のようになる。

解法2

(2) を定数分離せずに、2次関数の解の配置問題として解く。

(2)

(1)の条件より $b - c = \frac{1}{6} - \frac{a}{2}$ であるから、$f(x) = g(x)$ は次のように変形できる。

$$ x^2 + (a - 1)x + \frac{1}{6} - \frac{a}{2} = 0 $$

左辺を $h(x)$ とおく。$y = h(x)$ のグラフは下に凸の放物線であり、その判別式 $D$ は

$$ D = (a - 1)^2 - 4 \left( \frac{1}{6} - \frac{a}{2} \right) = a^2 - 2a + 1 - \frac{2}{3} + 2a = a^2 + \frac{1}{3} > 0 $$

となる。したがって、$h(x) = 0$ は常に異なる2つの実数解をもつ。 また、$y = h(x)$ の軸の方程式は $x = \frac{1 - a}{2}$ であり、区間の両端における関数の値は

$$ h(0) = \frac{1}{6} - \frac{a}{2} = \frac{1 - 3a}{6} $$

$$ h(1) = 1 + (a - 1) + \frac{1}{6} - \frac{a}{2} = \frac{1 + 3a}{6} $$

である。ここで、$h(0)$ と $h(1)$ の積を考える。

$$ h(0)h(1) = \frac{(1 - 3a)(1 + 3a)}{36} = \frac{1 - 9a^2}{36} $$

この符号によって場合分けを行う。

(i) $h(0)h(1) < 0$ のとき

すなわち $1 - 9a^2 < 0$ より $a < -\frac{1}{3}, \quad \frac{1}{3} < a$ のとき。 このとき、$h(0)$ と $h(1)$ は異符号になるため、中間値の定理より $h(x) = 0$ は区間 $(0, 1)$ に1つの解をもつ。もう1つの解は区間外にあるため、区間内の共有点は1個である。

(ii) $h(0)h(1) \geqq 0$ のとき

すなわち $-\frac{1}{3} \leqq a \leqq \frac{1}{3}$ のとき。 この範囲では $h(0) \geqq 0$ かつ $h(1) \geqq 0$ が成り立つ。このとき、軸の $x$ 座標 $\frac{1 - a}{2}$ の範囲を調べると、

$$ \frac{1 - \frac{1}{3}}{2} \leqq \frac{1 - a}{2} \leqq \frac{1 - \left(-\frac{1}{3}\right)}{2} $$

$$ \frac{1}{3} \leqq \frac{1 - a}{2} \leqq \frac{2}{3} $$

となり、軸は常に区間 $(0, 1)$ 内に存在する。さらに判別式 $D > 0$ により頂点の $y$ 座標は負であるから、$y = h(x)$ のグラフは $x$ 軸の区間 $[0, 1]$ において2回交わる。したがって、共有点は2個である。

(i), (ii) より、求める共有点の個数が得られる。

解説

(1)の積分条件 $\int_0^1 f(x) dx = \int_0^1 g(x) dx$ は、言い換えると $\int_0^1 \{ f(x) - g(x) \} dx = 0$ であることを意味します。$h(x) = f(x) - g(x)$ とおくと、$h(x)$ は下に凸の2次関数であり、その区間 $[0, 1]$ における定積分が $0$ になるということは、「グラフと $x$ 軸に囲まれた面積のうち、 $x$ 軸の上側の面積と下側の面積が等しい」という幾何学的な意味を持ちます。 この性質から、$h(x)$ は区間 $(0, 1)$ 内で必ず正の値と負の値の両方をとる(すなわち区間内で符号変化を起こし、$x$ 軸と必ず交わる)ことが直感的に分かります。そのため、共有点が0個になることはありません。 数式処理の面では、解法1のように文字定数 $a$ を分離して視覚的に処理する手法が確実です。解法2のように解の配置に持ち込む場合は、軸の位置や端点の値の符号を漏れなく検討する必要があります。

答え

(1) $\frac{a}{2} + b - c = \frac{1}{6}$ (または $3a + 6b - 6c = 1$ など)

(2) $a < -\frac{1}{3}, \quad \frac{1}{3} < a$ のとき 1個、 $-\frac{1}{3} \leqq a \leqq \frac{1}{3}$ のとき 2個

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