九州大学 1978年 文系 第3問 解説

方針・初手
放物線と直線の交点の $x$ 座標を求め、定積分を用いて囲まれる部分の面積 $S$ を計算する。計算の際は、いわゆる「 $\frac{1}{6}$ 公式」を利用して面積の条件から $k$ と $m$ の関係式を導く。その後、求めた関係式を用いて交点の座標を具体化し、2点間の距離の公式を用いて $m$ の方程式を立てる。
解法1
(1)
放物線 $y = (x-k)^2$ と直線 $y = mx + k^2$ の交点の $x$ 座標は、方程式
$$(x-k)^2 = mx + k^2$$
の実数解である。式を展開して整理すると、
$$x^2 - 2kx + k^2 = mx + k^2$$
$$x^2 - (2k+m)x = 0$$
$$x(x - (2k+m)) = 0$$
$$x = 0, \ 2k+m$$
条件より $k>0, \ m>0$ であるから $2k+m > 0$ となる。したがって、2つの交点の $x$ 座標は $0$ と $2k+m$ であり、区間 $0 \leqq x \leqq 2k+m$ において直線は放物線の上側にある。 放物線と直線で囲まれる部分の面積 $S$ は、
$$S = \int_{0}^{2k+m} \{ (mx+k^2) - (x-k)^2 \} dx$$
$$= \int_{0}^{2k+m} \{ -x^2 + (2k+m)x \} dx$$
$$= -\int_{0}^{2k+m} x(x - (2k+m)) dx$$
定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を用いると、
$$S = \frac{1}{6}(2k+m - 0)^3 = \frac{1}{6}(2k+m)^3$$
問題の条件より $S = \frac{4}{3}$ であるから、
$$\frac{1}{6}(2k+m)^3 = \frac{4}{3}$$
$$(2k+m)^3 = 8$$
$2k+m$ は実数であるから、
$$2k+m = 2$$
これより、$k$ を $m$ で表すと、
$$k = 1 - \frac{1}{2}m$$
(2)
(1)より、2つの交点の $x$ 座標は $0$ と $2k+m$ であるが、$2k+m = 2$ であるから、交点の $x$ 座標は $0$ と $2$ である。 直線の方程式 $y = mx + k^2$ に代入して、交点の $y$ 座標を求める。
$x=0$ のとき、
$$y = k^2$$
$x=2$ のとき、
$$y = 2m + k^2$$
よって、2つの交点の座標は $(0, k^2)$ と $(2, 2m+k^2)$ である。 この2点間の距離が $\sqrt{5}$ であるから、2点間の距離の公式より、
$$\sqrt{(2-0)^2 + \{(2m+k^2) - k^2\}^2} = \sqrt{5}$$
両辺を2乗して整理すると、
$$4 + (2m)^2 = 5$$
$$4m^2 = 1$$
$$m^2 = \frac{1}{4}$$
$m>0$ であるから、
$$m = \frac{1}{2}$$
(このとき (1)の結果より $k = 1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}$ となり、$k>0$ を満たしている。)
解説
放物線と直線で囲まれた面積を求める典型的な問題である。交点の $x$ 座標を求めて $\frac{1}{6}$ 公式を利用することで、計算を大幅に省略できる。 また、面積の条件から交点の $x$ 座標の差が一定値となることに気づけば、(2)の交点間の距離の計算も容易になる。交点の $y$ 座標を求める際、放物線の式ではなく直線の式に代入することで、差分を取る計算が簡明になっている。
答え
(1)
$$k = 1 - \frac{1}{2}m$$
(2)
$$m = \frac{1}{2}$$
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