東北大学 1997年 文系 第3問 解説

方針・初手
直線と各放物線の共有点を求めると、交点を与える方程式がともに重解をもつ形になる。これにより接することが分かる。
面積は、まずどの区間でどの放物線が下側に来るかを判定し、その下側の放物線と直線との差を積分して求める。
解法1
(1) 直線 $y=x-1$ がそれぞれの2次曲線に接することを示す。
まず、$y=x(x-1)$ と $y=x-1$ の共有点を調べる。
$$ x(x-1)=x-1 $$
より、
$$ x^2-2x+1=0 $$
すなわち、
$$ (x-1)^2=0 $$
となる。したがって、共有点は $x=1$ の1点のみであり、重解をもつから、直線 $y=x-1$ は放物線 $y=x(x-1)$ に接する。接点は
$$ (1,,0) $$
である。
同様に、$y=x^2-3x+3$ と $y=x-1$ の共有点を調べる。
$$ x^2-3x+3=x-1 $$
より、
$$ x^2-4x+4=0 $$
すなわち、
$$ (x-2)^2=0 $$
となる。したがって、共有点は $x=2$ の1点のみであり、重解をもつから、直線 $y=x-1$ は放物線 $y=x^2-3x+3$ に接する。接点は
$$ (2,,1) $$
である。
(2) 直線 $y=x-1$ と2つの2次曲線で囲まれる部分の面積を求める。
まず、2つの放物線の交点を求める。
$$ x(x-1)=x^2-3x+3 $$
より、
$$ x^2-x=x^2-3x+3 $$
$$ 2x=3 $$
$$ x=\frac32 $$
このとき
$$ y=\frac32\left(\frac32-1\right)=\frac32\cdot\frac12=\frac34 $$
であるから、2つの放物線の交点は
$$ \left(\frac32,,\frac34\right) $$
である。
次に、直線と各放物線の上下関係を調べる。
放物線 $y=x(x-1)$ と直線との差は
$$ x(x-1)-(x-1)=x^2-2x+1=(x-1)^2\geqq 0 $$
であるから、$y=x(x-1)$ は常に直線 $y=x-1$ の上側にある。
また、放物線 $y=x^2-3x+3$ と直線との差は
$$ (x^2-3x+3)-(x-1)=x^2-4x+4=(x-2)^2\geqq 0 $$
であるから、$y=x^2-3x+3$ も常に直線 $y=x-1$ の上側にある。
さらに、2つの放物線の大小関係は
$$ (x^2-3x+3)-x(x-1)=-2x+3 $$
によって分かる。したがって、
- $1\leqq x\leqq \dfrac32$ では $-2x+3\geqq 0$ なので、下側の曲線は $y=x(x-1)$
- $\dfrac32\leqq x\leqq 2$ では $-2x+3\leqq 0$ なので、下側の曲線は $y=x^2-3x+3$
である。
よって、求める面積 $S$ は
$$ S=\int_1^{3/2}{x(x-1)-(x-1)},dx+\int_{3/2}^2{(x^2-3x+3)-(x-1)},dx $$
となる。整理すると
$$ S=\int_1^{3/2}(x-1)^2,dx+\int_{3/2}^2(x-2)^2,dx $$
である。
第1項は
$$ \int_1^{3/2}(x-1)^2,dx =\left[\frac{(x-1)^3}{3}\right]_1^{3/2} =\frac{(1/2)^3}{3} =\frac1{24} $$
第2項は
$$ \int_{3/2}^2(x-2)^2,dx =\left[\frac{(x-2)^3}{3}\right]_{3/2}^2 =0-\frac{(-1/2)^3}{3} =\frac1{24} $$
したがって、
$$ S=\frac1{24}+\frac1{24}=\frac1{12} $$
となる。
解説
この問題の要点は、接することの判定を「交点を与える方程式が重解をもつこと」で処理することである。直線と放物線の問題では最も基本的な見方である。
面積については、いきなり積分するのではなく、どの曲線が境界になるかを先に確定する必要がある。今回は2つの放物線が $x=\dfrac32$ で交わるため、そこで区間を分けるのが本質である。
答え
直線 $y=x-1$ は、
- 放物線 $y=x(x-1)$ に点 $(1,0)$ で接する。
- 放物線 $y=x^2-3x+3$ に点 $(2,1)$ で接する。
また、これらで囲まれる部分の面積は
$$ \frac1{12} $$
である。
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