北海道大学 2009年 文系 第3問 解説

方針・初手
(1) は3点 $P, Q, R$ が一直線上にあるための条件を、ベクトルの成分を用いて立式する。計算量と符号の扱いから、ベクトルの成分を用いた実数倍条件、あるいは外積の $z$ 成分に相当する行列式を利用するのが簡明である。
(2) は (1) で求めた範囲において、三角形の面積公式から $t$ の関数 $S(t)$ を立式し、微分を用いて増減を調べる。
解法1
(1) 3点 $P, Q, R$ が一直線上にあるための条件は、$\vec{PR}$ と $\vec{PQ}$ が平行になることである。 それぞれのベクトルは、与えられた座標より次のように成分表示される。
$$ \begin{aligned} \vec{PQ} &= (2t - t, 1 - 4t^2 - 0) = (t, 1 - 4t^2) \\ \vec{PR} &= (-t - t, 1 - t^2 - 0) = (-2t, 1 - t^2) \end{aligned} $$
$t > 0$ より $t \neq 0$ であるため、$\vec{PQ}$ の $x$ 成分は $0$ ではない。 したがって、2つのベクトルが平行になる条件は、成分のたすき掛けの差(行列式)が $0$ になることである。
$$ \begin{aligned} t(1 - t^2) - (-2t)(1 - 4t^2) &= 0 \\ t - t^3 + 2t - 8t^3 &= 0 \\ 3t - 9t^3 &= 0 \\ 3t(1 - 3t^2) &= 0 \end{aligned} $$
条件より $t > 0$ であるから、両辺を $3t$ で割ることができる。
$$ 1 - 3t^2 = 0 $$
$$ t^2 = \frac{1}{3} $$
$t > 0$ より、求める $t$ の値は以下の通りである。
$$ t = \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{3} $$
(2) (1) の結果より、$t_0 = \frac{1}{\sqrt{3}}$ である。
$0 < t < \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき、3点 $P, Q, R$ を頂点とする三角形 $\triangle PQR$ の面積 $S(t)$ は、$\vec{PQ}$ と $\vec{PR}$ を用いて次のように表される。
$$ \begin{aligned} S(t) &= \frac{1}{2} |x_{\vec{PQ}} y_{\vec{PR}} - x_{\vec{PR}} y_{\vec{PQ}}| \\ &= \frac{1}{2} |t(1 - t^2) - (-2t)(1 - 4t^2)| \\ &= \frac{1}{2} |3t - 9t^3| \\ &= \frac{1}{2} |3t(1 - 3t^2)| \end{aligned} $$
ここで、$0 < t < \frac{1}{\sqrt{3}}$ の範囲では $t > 0$ かつ $t^2 < \frac{1}{3}$ であるため、$3t > 0$ かつ $1 - 3t^2 > 0$ となる。 したがって、絶対値記号の中身は正であるため、そのまま外すことができる。
$$ S(t) = \frac{3}{2}t - \frac{9}{2}t^3 $$
関数 $S(t)$ の増減を調べるため、$t$ について微分する。
$$ S'(t) = \frac{3}{2} - \frac{27}{2}t^2 = \frac{3}{2}(1 - 9t^2) $$
$S'(t) = 0$ とすると $1 - 9t^2 = 0$ となり、$t^2 = \frac{1}{9}$ を得る。 $0 < t < \frac{1}{\sqrt{3}}$ の範囲を満たす解は $t = \frac{1}{3}$ である。
導関数の符号変化を調べると、 $0 < t < \frac{1}{3}$ のとき $S'(t) > 0$ であり、$S(t)$ は単調増加する。 $\frac{1}{3} < t < \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき $S'(t) < 0$ であり、$S(t)$ は単調減少する。
したがって、$S(t)$ は $t = \frac{1}{3}$ において最大値をとる。 そのときの最大値は次のように計算できる。
$$ \begin{aligned} S\left(\frac{1}{3}\right) &= \frac{3}{2}\left(\frac{1}{3}\right) - \frac{9}{2}\left(\frac{1}{3}\right)^3 \\ &= \frac{1}{2} - \frac{9}{2} \cdot \frac{1}{27} \\ &= \frac{1}{2} - \frac{1}{6} \\ &= \frac{1}{3} \end{aligned} $$
解説
3点が同一直線上にある条件は、ベクトルを用いて成分のたすき掛けが $0$ になることを利用すると計算がスムーズに進む。三角形の面積公式を用いる際も同じ式の絶対値が現れるため、(1) の計算結果が (2) の式変形に直接活きる構成となっている。
(2) においては、与えられた $t$ の定義域を利用して絶対値を外す操作がポイントである。定義域内で中身が常に正であることを確認してから微分を行うことで、見通し良く最大値を求めることができる。
答え
(1) $$ t = \frac{\sqrt{3}}{3} $$
(2) 最大値は $\frac{1}{3}$、そのときの $t$ の値は $t = \frac{1}{3}$
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