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北海道大学 1974年 理系 第6問 解説

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北海道大学 1974年 理系 第6問 解説

方針・初手

(1) 与えられた関数の式を $x$ について微分し、導関数 $y'$ を含む式を導く。得られた式と元の式から任意定数 $a$ を消去することで微分方程式を作成する。 (2) 導関数 $y'$ を求め、$y'=0$ となる $x$ の値(これが極値をとる $X$)を $a$ を用いて表す。そのときの関数値 $Y$ も $a$ で表し、$X, Y$ の関係式からパラメータ $a$ を消去して軌跡の方程式を求める。 (3) (2) で求めた軌跡 $C$ の方程式について、増減や $x$ 軸との交点を調べてグラフの概形を把握する。その後、指定された区間での定積分を部分積分法を用いて計算する。

解法1

(1)

与えられた関数は

$$y = e^{-x} + ax \quad \cdots \text{①}$$

①の両辺を $x$ で微分すると

$$y' = -e^{-x} + a \quad \cdots \text{②}$$

②より、$a$ は次のように表される。

$$a = y' + e^{-x}$$

これを①に代入して $a$ を消去すると

$$y = e^{-x} + (y' + e^{-x})x$$

右辺を展開し、整理すると

$$y = e^{-x} + xy' + xe^{-x}$$

$$y - xy' = (1+x)e^{-x}$$

これが求める微分方程式である。

(2)

関数 $y = e^{-x} + ax$ ($a>0$) について、導関数は

$$y' = -e^{-x} + a$$

極値をとるための必要条件は $y'=0$ である。$y'=0$ とすると

$$-e^{-x} + a = 0$$

$$e^{-x} = a$$

$a>0$ より、両辺の自然対数をとると

$$-x = \log a$$

$$x = -\log a$$

ここで、導関数 $y'$ の符号変化を調べる。$y' = a - e^{-x}$ において、$e^{-x}$ は単調減少関数であるため、$-e^{-x}$ は単調増加関数である。したがって、$y'$ は $x = -\log a$ を境に負から正へと符号が変わる。よって、関数 $y$ は $x = -\log a$ で極小値をとり、極値をもつことが確認された。

ゆえに、極値をとる $x$ の値 $X$ は

$$X = -\log a$$

そのときの極値 $Y$ は、①に $x = X$, $e^{-X} = a$ を代入して

$$Y = e^{-X} + aX = a + a(-\log a) = a(1 - \log a)$$

次に、点 $(X, Y)$ の軌跡 $C$ の方程式を求める。 $X = -\log a$ より $a = e^{-X}$ である。これを $Y$ の式に代入して $a$ を消去すると

$$Y = e^{-X}(1 - (-X)) = (X+1)e^{-X}$$

点 $(X, Y)$ が描く図形の方程式であるため、$X$ を $x$、$Y$ を $y$ に置き換えて、求める軌跡 $C$ の方程式は

$$y = (x+1)e^{-x}$$

(3)

(2) より、曲線 $C$ の方程式は $y = (x+1)e^{-x}$ である。 この関数の増減と $x$ 軸との交点を調べる。

$$y' = 1 \cdot e^{-x} + (x+1)(-e^{-x}) = -xe^{-x}$$

$y'=0$ とすると $x=0$ である。 $x < 0$ のとき $y' > 0$、$x > 0$ のとき $y' < 0$ となるため、$y$ は $x=0$ のとき極大値 $1$ をとる。

また、曲線 $C$ と $x$ 軸の交点の $x$ 座標は、$y=0$ とすると $(x+1)e^{-x} = 0$ より $x=-1$ である。 これより、曲線 $C$、$x$ 軸、$y$ 軸(すなわち $x=0$)で囲まれる部分は $-1 \leqq x \leqq 0$ の範囲にある。 この積分区間において $y \geqq 0$ であるから、求める面積 $S$ は

$$S = \int_{-1}^{0} (x+1)e^{-x} dx$$

この定積分は、部分積分法を用いて計算できる。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{-1}^{0} (x+1)(-e^{-x})' dx \\ &= \left[ (x+1)(-e^{-x}) \right]_{-1}^{0} - \int_{-1}^{0} 1 \cdot (-e^{-x}) dx \\ &= \left( (0+1)(-e^{0}) - (-1+1)(-e^{1}) \right) + \int_{-1}^{0} e^{-x} dx \\ &= -1 + \left[ -e^{-x} \right]_{-1}^{0} \\ &= -1 + (-e^{0} - (-e^{1})) \\ &= -1 - 1 + e \\ &= e - 2 \end{aligned} $$

解説

(1) は任意定数を含む関数から微分方程式を作成する基本問題である。導関数を求めて連立させ、定数を消去するという定石通りの手順で解決できる。

(2) は極値をとる条件からパラメータ $a$ を媒介変数とする座標 $(X, Y)$ を求め、そこから $a$ を消去して軌跡を求める問題である。対数を用いて $a$ を $X$ の式で表すこと、そして導出された関係式の変数を一般的な軌跡の方程式の変数 $x, y$ に戻すことがポイントとなる。

(3) は数学IIIの微積分における標準的な面積計算である。グラフの概形を把握するために微分して増減を調べ、積分区間となる $x$ 軸との交点を見つける。積分計算においては、多項式と指数関数の積の形をしているため、部分積分法を適用する典型的な処理が求められる。

答え

(1) $y - xy' = (1+x)e^{-x}$

(2) $X = -\log a$, $Y = a(1 - \log a)$, 軌跡 $C$ の方程式は $y = (x+1)e^{-x}$

(3) $e - 2$

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