北海道大学 1982年 理系 第5問 解説

方針・初手
袋の選び方は等確率であるから、特定の袋(第 $k$ 番目)を選んだ条件下で題意を満たす確率を求め、すべての袋についての確率を足し合わせて $P_n$ を立式する。 その後、和の極限として表された式に対して区分求積法を用い、定積分の計算に帰着させる。
解法1
$n$ 個の袋のうち、どの袋を選ぶ確率も等しく $\frac{1}{n}$ である。
第 $k$ 番目の袋には赤い球が $k$ 個、白い球が $n-k$ 個入っており、合計 $n$ 個の球が入っている。 したがって、この袋から球を $1$ つ取り出すとき、赤い球が出る確率は $\frac{k}{n}$、白い球が出る確率は $1-\frac{k}{n}$ である。
選ばれた第 $k$ 番目の袋において、球を $1$ つ取り出し元に戻す試行を $6$ 回繰り返すとき、赤い球がちょうど $3$ 回(白い球が $3$ 回)取り出される確率は、反復試行の確率より以下のようになる。
$$ {}_{6}\mathrm{C}_{3} \left( \frac{k}{n} \right)^3 \left( 1 - \frac{k}{n} \right)^3 = 20 \left( \frac{k}{n} \right)^3 \left( 1 - \frac{k}{n} \right)^3 $$
どの袋が選ばれるかは互いに排反な事象であるから、求める確率 $P_n$ は、$k=1$ から $n$ までのすべての場合について、袋が選ばれる確率とその袋で条件を満たす確率の積を足し合わせたものになる。
$$ P_n = \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n} \cdot 20 \left( \frac{k}{n} \right)^3 \left( 1 - \frac{k}{n} \right)^3 $$
ここで $n \to \infty$ の極限をとると、区分求積法 $\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^{n} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_{0}^{1} f(x) dx$ を用いて定積分に書き換えることができる。
$$ \lim_{n \to \infty} P_n = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n} \cdot 20 \left( \frac{k}{n} \right)^3 \left( 1 - \frac{k}{n} \right)^3 $$
$$ = \int_{0}^{1} 20 x^3 (1-x)^3 dx $$
被積分関数を展開して定積分を計算する。
$$ \int_{0}^{1} 20 x^3 (1 - 3x + 3x^2 - x^3) dx $$
$$ = 20 \int_{0}^{1} (x^3 - 3x^4 + 3x^5 - x^6) dx $$
$$ = 20 \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{3}{5}x^5 + \frac{1}{2}x^6 - \frac{1}{7}x^7 \right]_{0}^{1} $$
$$ = 20 \left( \frac{1}{4} - \frac{3}{5} + \frac{1}{2} - \frac{1}{7} \right) $$
かっこの中を通分して計算する。
$$ = 20 \left( \frac{35 - 84 + 70 - 20}{140} \right) $$
$$ = 20 \cdot \frac{1}{140} $$
$$ = \frac{1}{7} $$
解説
確率の立式と区分求積法を組み合わせた典型的な融合問題である。 各袋を選ぶ事象が排反であることに注意し、全確率の定理から和の記号 $\Sigma$ を用いて $P_n$ を正しく表現できるかが鍵となる。 定積分に帰着した後の計算は、被積分関数を展開して多項式の積分として地道に処理するのが確実である。
答え
$$ \frac{1}{7} $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











