トップ 北海道大学 1982年 理系 第4問

北海道大学 1982年 理系 第4問 解説

数学2/微分法数学2/積分法テーマ/定積分計算テーマ/最大・最小
北海道大学 1982年 理系 第4問 解説

方針・初手

与えられた定積分を含む方程式を解くための定石に従う。 定積分の上端と下端が一致するような $x$ の値(今回は $x=0$)を代入して初期条件を求めるとともに、両辺を $x$ について微分して $f(x)$ と $g(x)$ の導関数の関係式を導く。

解法1

与えられた等式は以下の通りである。

$$ \int_{0}^{x} f(t) dt = xf(x) + g(x) \quad \cdots (A) $$

(A)の両辺に $x = 0$ を代入すると、

$$ \int_{0}^{0} f(t) dt = 0 \cdot f(0) + g(0) $$

$$ 0 = g(0) $$

となる。

次に、(A)の両辺を $x$ について微分すると、積の微分法より以下のようになる。

$$ f(x) = f(x) + xf'(x) + g'(x) $$

両辺を整理して、以下の関係式を得る。

$$ xf'(x) + g'(x) = 0 \quad \cdots (B) $$

(1)

$g(x)$ は3次関数であるから、定数 $a, b, c, d$ ($a \neq 0$)を用いて次のように表せる。

$$ g(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d $$

$g(0) = 0$ より、$d = 0$ である。

また、(B)より $g'(x) = -xf'(x)$ である。 $f(x)$ はすべての $x$ に対して微分可能であるため、$x=0$ における微分係数 $f'(0)$ は有限の確定値を持つ。 したがって、この式に $x = 0$ を代入すると、

$$ g'(0) = 0 \cdot f'(0) = 0 $$

となる。 一方、$g(x)$ を微分すると $g'(x) = 3ax^2 + 2bx + c$ であり、$g'(0) = c$ となるため、$c = 0$ であることがわかる。

以上より、$g(x)$ と $g'(x)$ は次のように表せる。

$$ g(x) = ax^3 + bx^2 $$

$$ g'(x) = 3ax^2 + 2bx $$

$g(x)$ は $x = \frac{1}{2}$ で極値をとるため、$g'\left(\frac{1}{2}\right) = 0$ が成り立つ。

$$ 3a\left(\frac{1}{2}\right)^2 + 2b\left(\frac{1}{2}\right) = 0 $$

$$ \frac{3}{4}a + b = 0 \implies b = -\frac{3}{4}a \quad \cdots (C) $$

また、$g(1) = \frac{1}{3}$ であるから、

$$ a \cdot 1^3 + b \cdot 1^2 = \frac{1}{3} $$

$$ a + b = \frac{1}{3} \quad \cdots (D) $$

(C) を (D) に代入して $a$ を求める。

$$ a - \frac{3}{4}a = \frac{1}{3} $$

$$ \frac{1}{4}a = \frac{1}{3} \implies a = \frac{4}{3} $$

このとき、(C)より $b$ を求める。

$$ b = -\frac{3}{4} \times \frac{4}{3} = -1 $$

ここで $a = \frac{4}{3} \neq 0$ であり、$g(x)$ が3次関数であるという条件を満たす。 (なお、$g'(x) = 4x^2 - 2x = 2x(2x-1)$ となり、$x=\frac{1}{2}$ の前後で導関数の符号が変化するため、確かに極値をもつ。)

ゆえに、求める $g(x)$ は以下のようになる。

$$ g(x) = \frac{4}{3}x^3 - x^2 $$

(2)

(1)より、$g'(x) = 4x^2 - 2x$ である。 これを(B)に代入すると、

$$ xf'(x) + 4x^2 - 2x = 0 $$

$$ xf'(x) = -4x^2 + 2x $$

$x \neq 0$ のとき、両辺を $x$ で割ると以下のようになる。

$$ f'(x) = -4x + 2 $$

$f(x)$ はすべての $x$ に対して微分可能(すなわち連続)であるため、これを積分して以下の式を得る($C$ は積分定数)。

$$ f(x) = -2x^2 + 2x + C $$

ここで、$f(1) = 5$ の条件を用いる。

$$ -2(1)^2 + 2(1) + C = 5 $$

$$ C = 5 $$

したがって、求める $f(x)$ は以下のようになる。

$$ f(x) = -2x^2 + 2x + 5 $$

解説

定積分で表された関数の微分という、数学IIにおける頻出テーマである。 解法の手順自体は定石通りであるが、本問で差がつくのは「$g(0)=0$」および「$g'(0)=0$」の2つの条件を過不足なく引き出せるかという点である。

特に、$xf'(x) + g'(x) = 0$ から $g'(0) = 0$ を導く際、「$f(x)$ が微分可能であるから $f'(0)$ が存在する」という事実に無自覚だと、論理の飛躍が生じやすい。与えられた前提条件(「微分可能な関数 $f(x)$」)がどこで効いてくるのかを意識しながら立式することが重要である。

答え

(1)

$$ g(x) = \frac{4}{3}x^3 - x^2 $$

(2)

$$ f(x) = -2x^2 + 2x + 5 $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。