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北海道大学 1986年 理系 第1問 解説

数学2/図形と式数学1/二次関数数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域
北海道大学 1986年 理系 第1問 解説

方針・初手

(1) 集合 $D_a$ が空集合とならないことは、「$y \leqq -x^2+3a$ かつ $y \geqq x^2-ax+a$」を満たす実数 $(x, y)$ の組が存在することと同値である。$y$ を消去し、$x$ についての実数解の存在条件に帰着させる。

(2) 変数の見方を「主客転倒」させるのが定石である。$x, y$ を固定したとき、「$1 \leqq a \leqq 2$ を満たすすべての $a$ に対して、与えられた2つの不等式がともに成り立つ」ような $(x, y)$ の条件を求める。各不等式を $a$ について整理し、$a$ の1次関数として処理する。

解法1

(1)

集合 $D_a$ が空集合とならない条件は、

$$ x^2-ax+a \leqq y \leqq -x^2+3a $$

を満たす実数 $x, y$ が存在することである。このような $y$ が存在するための条件は、

$$ x^2-ax+a \leqq -x^2+3a $$

を満たす実数 $x$ が存在することである。これを整理すると、

$$ 2x^2-ax-2a \leqq 0 $$

となる。この $x$ についての2次不等式を満たす実数 $x$ が存在するための条件は、2次方程式 $2x^2-ax-2a=0$ の判別式を $D$ とすると、$D \geqq 0$ となることである。

$$ D = (-a)^2 - 4 \cdot 2 \cdot (-2a) = a^2 + 16a $$

したがって、

$$ a^2 + 16a \geqq 0 $$

$$ a(a+16) \geqq 0 $$

これを解いて、求める $a$ の範囲は

$$ a \leqq -16, \quad 0 \leqq a $$

(2)

$(x, y) \in D_a$ となる条件は、次の2つの不等式が同時に成り立つことである。

$$ y \leqq -x^2+3a $$

$$ y \geqq x^2-ax+a $$

これらをそれぞれ $a$ について整理すると、

$$ -3a + x^2 + y \leqq 0 \quad \cdots \text{①} $$

$$ (1-x)a + x^2 - y \leqq 0 \quad \cdots \text{②} $$

となる。条件は「$1 \leqq a \leqq 2$ を満たすすべての $a$ に対して、①かつ②が成り立つ」ことである。 $f(a) = -3a + x^2 + y$、$g(a) = (1-x)a + x^2 - y$ とおく。

①について $f(a)$ は傾きが $-3$ であり、$a$ について単調減少する関数である。したがって、$1 \leqq a \leqq 2$ で常に $f(a) \leqq 0$ となる条件は、区間の左端 $a=1$ において $f(1) \leqq 0$ となることである。

$$ f(1) = -3 \cdot 1 + x^2 + y \leqq 0 $$

$$ y \leqq -x^2+3 \quad \cdots \text{③} $$

②について $g(a)$ は $a$ についての1次関数(または定数関数)である。したがって、$1 \leqq a \leqq 2$ で常に $g(a) \leqq 0$ となる条件は、区間の両端において $g(1) \leqq 0$ かつ $g(2) \leqq 0$ となることである。

$$ g(1) = (1-x) \cdot 1 + x^2 - y \leqq 0 $$

$$ y \geqq x^2-x+1 \quad \cdots \text{④} $$

かつ

$$ g(2) = (1-x) \cdot 2 + x^2 - y \leqq 0 $$

$$ y \geqq x^2-2x+2 \quad \cdots \text{⑤} $$

以上より、求める点 $(x, y)$ の集合は、不等式③、④、⑤を同時に満たす領域である。 境界となる3つの放物線 $C_1: y = x^2-x+1$、$C_2: y = x^2-2x+2$、$C_3: y = -x^2+3$ の交点を調べる。

$C_1$ と $C_2$ の交点: $x^2-x+1 = x^2-2x+2$ より $x=1$。このとき $y=1$。 点 $(1, 1)$

$C_1$ と $C_3$ の交点: $x^2-x+1 = -x^2+3$ より $2x^2-x-2=0$。解は $x = \frac{1 \pm \sqrt{17}}{4}$。 $x \geqq 1$ の範囲で交わるのは $x = \frac{1 + \sqrt{17}}{4}$ のときであり、このとき $y = \frac{15 - \sqrt{17}}{8}$。 点 $\left( \frac{1 + \sqrt{17}}{4}, \frac{15 - \sqrt{17}}{8} \right)$

$C_2$ と $C_3$ の交点: $x^2-2x+2 = -x^2+3$ より $2x^2-2x-1=0$。解は $x = \frac{1 \pm \sqrt{3}}{2}$。 $x \leqq 1$ の範囲で交わるのは $x = \frac{1 - \sqrt{3}}{2}$ のときであり、このとき $y = \frac{4 + \sqrt{3}}{2}$。 点 $\left( \frac{1 - \sqrt{3}}{2}, \frac{4 + \sqrt{3}}{2} \right)$

求める領域は、これら3つの交点を頂点とするような、3つの放物線で囲まれた領域である。

解説

(1) は「条件を満たす変数が存在する」という存在条件の問題であり、(2) は「すべての変数について条件を満たす」という全称条件(絶対不等式)の問題である。(2) のように「すべての $a$ に対して~」と問われた場合は、与えられた不等式を $a$ についての関数と見なすことで見通しが良くなる。1次関数が指定された区間で常に負となる条件は、グラフの形状を考えれば、区間の端点における関数の値に着目すればよいと分かる。

答え

(1) $a \leqq -16, \ 0 \leqq a$

(2) 求める領域は、連立不等式

$$ \begin{cases} y \leqq -x^2+3 \\ y \geqq x^2-x+1 \\ y \geqq x^2-2x+2 \end{cases} $$

が表す領域であり、図示すると以下のようになる。

(図は省略するが、以下の3点 A, B, C を結ぶように3つの放物線で囲まれた図形となり、境界線を含む) 点 A: $\left( \frac{1 - \sqrt{3}}{2}, \frac{4 + \sqrt{3}}{2} \right)$ 点 B: $(1, 1)$ 点 C: $\left( \frac{1 + \sqrt{17}}{4}, \frac{15 - \sqrt{17}}{8} \right)$ 領域の上端は $y = -x^2+3$ であり、下端は $x \leqq 1$ の範囲で $y = x^2-2x+2$、$x \geqq 1$ の範囲で $y = x^2-x+1$ となる。

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