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北海道大学 2012年 理系 第4問 解説

数学2/図形と式数学1/二次関数数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域
北海道大学 2012年 理系 第4問 解説

方針・初手

$f(x)$ と $g(x)$ の差 $f(x) - g(x)$ を考え、2つの放物線の交点を求める。交点 $x = c$ を境にグラフの上下関係が入れ替わることに着目し、連立不等式が解をもつ条件を「どちらかの関数が交点の左側または右側で負になる条件」として整理する。

解法1

(1) $f(c) = g(c)$ より、

$$ c^2 - 2ac + b = c^2 - 2bc + a $$

$$ 2(b - a)c = a - b $$

$a \neq b$ より $b - a \neq 0$ であるから、両辺を $2(b - a)$ で割って、

$$ c = -\frac{1}{2} $$

(2) (1) より、$f(x) = g(x)$ となるのは $x = -1/2$ のときのみである。 また、$f(x) - g(x) = 2(b - a)\left(x + \frac{1}{2}\right)$ であり、$a < b$ より $b - a > 0$ であるから、 $x < -1/2$ のとき $f(x) < g(x)$ $x = -1/2$ のとき $f(x) = g(x)$ $x > -1/2$ のとき $f(x) > g(x)$ が成り立つ。

連立不等式 $f(x) < 0$ かつ $g(x) < 0$ を満たす実数 $x$ が存在することは、 $x \le -1/2$ において $g(x) < 0$ となる $x$ が存在する $\cdots$ ① または $x > -1/2$ において $f(x) < 0$ となる $x$ が存在する $\cdots$ ② ことと同値である。

$g(x) = (x - b)^2 - b^2 + a$ は軸が $x = b$ の下に凸の放物線であり、$a < -1/2 < b$ より、区間 $x \le -1/2$ において $g(x)$ は単調に減少する。 したがって、①を満たす条件は $g\left(-\frac{1}{2}\right) < 0$ である。

同様に、$f(x) = (x - a)^2 - a^2 + b$ は軸が $x = a$ の下に凸の放物線であり、$a < -1/2 < b$ より、区間 $x \ge -1/2$ において $f(x)$ は単調に増加する。 したがって、②を満たす条件は $f\left(-\frac{1}{2}\right) < 0$ である。

$f\left(-\frac{1}{2}\right) = g\left(-\frac{1}{2}\right)$ であるため、求める必要十分条件は $f\left(-\frac{1}{2}\right) < 0$ に帰着する。

$$ f\left(-\frac{1}{2}\right) = \frac{1}{4} + a + b < 0 $$

よって、求める必要十分条件は、

$$ a + b < -\frac{1}{4} $$

(3) 一般に $a < b$ の場合を考える。(2) と同様にグラフの上下関係から、連立不等式が解をもつ条件は次の (A) または (B) が成り立つことである。

(A) $x \le -1/2$ の範囲に $g(x) < 0$ となる $x$ が存在する (B) $x > -1/2$ の範囲に $f(x) < 0$ となる $x$ が存在する

(A) について $g(x)$ の軸は $x = b$ である。 (i) $g\left(-\frac{1}{2}\right) < 0$ のとき、区間 $x \le -1/2$ の右端で負となるため、必ず条件を満たす実数 $x$ は存在する。 (ii) $g\left(-\frac{1}{2}\right) \ge 0$ のとき、条件を満たすためには軸が区間内にあり、かつ頂点の $y$ 座標が負であることが必要であるから、 $b < -1/2$ かつ $-b^2 + a < 0 \iff b < -1/2$ かつ $a < b^2$ しかし、$b < -1/2$ のとき、前提 $a < b$ より $a < -1/2$ となり、辺々を加えると $a + b < -1 < -1/4$ となる。これは $g\left(-\frac{1}{2}\right) \ge 0$(すなわち $a + b \ge -1/4$)に矛盾する。 よって、(A) が成り立つ条件は $a + b < -1/4$ のみである。

(B) について $f(x)$ の軸は $x = a$ である。 (iii) $f\left(-\frac{1}{2}\right) < 0$ のとき、区間 $x > -1/2$ の左端近傍で負となるため、必ず条件を満たす実数 $x$ は存在する。 (iv) $f\left(-\frac{1}{2}\right) \ge 0$ のとき、条件を満たすためには軸が区間内にあり、かつ頂点の $y$ 座標が負であることが必要であるから、 $a > -1/2$ かつ $-a^2 + b < 0 \iff a > -1/2$ かつ $b < a^2$ このとき、$a + b \ge -1/4$ と両立し得る。

以上より、連立不等式が解をもつ必要十分条件は、

$$ a + b < -\frac{1}{4} \quad \text{または} \quad \left( a + b \ge -\frac{1}{4} \text{ かつ } a > -\frac{1}{2} \text{ かつ } b < a^2 \right) $$

である。(ただし $a < b$)

ここで、$ab$ 平面上において、直線 $b = -a - 1/4$ と放物線 $b = a^2$ の関係を調べる。

$$ a^2 - \left(-a - \frac{1}{4}\right) = a^2 + a + \frac{1}{4} = \left(a + \frac{1}{2}\right)^2 \ge 0 $$

より、直線は放物線の下方にあり、点 $\left(-\frac{1}{2}, \frac{1}{4}\right)$ においてのみ接する。 したがって、$a > -1/2$ においては $-a - 1/4 < a^2$ であり、$b < -a - 1/4$ の領域は $b < a^2$ に含まれる。 これを用いると、条件は次のようにまとめられる。

$a \le -1/2$ のとき、$a < b$ かつ $b < -a - \frac{1}{4}$ $a > -1/2$ のとき、$a < b$ かつ $b < a^2$

この条件を満たす点 $(a, b)$ の範囲を図示すると、境界線は ・直線 $b = a$ ・直線 $b = -a - 1/4$ の $a \le -1/2$ の部分 ・放物線 $b = a^2$ の $a > -1/2$ の部分 であり、求める領域は直線 $b = a$ の上側かつ、接点 $\left(-\frac{1}{2}, \frac{1}{4}\right)$ を境とした直線および放物線の下側の領域となる。境界線はすべて含まない。

解説

2つの放物線の交点 $x = -1/2$ を境にして $f(x)$ と $g(x)$ の大小関係が入れ替わるため、「両方が負」である条件を「値が大きい方が負」である条件に帰着させて場合分けを行うのがポイントである。 (3) の図示においては、直線 $b = -a - 1/4$ が放物線 $b = a^2$ の $a = -1/2$ における接線となっていることに気づけると、場合分けの境界がなめらかに接続されることが確認でき、論理の確信に繋がる。

答え

(1) $c = -1/2$

(2) $a + b < -1/4$

(3) 必要十分条件は、$a < b$ かつ「$a + b < -1/4$ または ($a > -1/2$ かつ $b < a^2$)」。 条件を満たす点 $(a, b)$ の範囲は、直線 $b = a$ の上側、かつ、直線 $b = -a - 1/4$($a \le -1/2$ の範囲)および放物線 $b = a^2$($a > -1/2$ の範囲)の下側となる領域である。(境界線はすべて含まない)

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