北海道大学 1990年 理系 第4問 解説

方針・初手
曲線 $C$ 上の点 $P$ の座標を $(t, f(t))$ とおき、点 $P$ における接線の方程式を立てます。この接線と $x$ 軸、$y$ 軸との交点 $Q, R$ の座標をそれぞれ $t$ と $f(t)$ を用いて表します。 線分 $QR$ を $1:2$ に内分する点が $P$ であるという条件から、$f(t)$ に関する微分方程式を導出し、それを解いて $f(x)$ の形を決定します。 その後、原点と曲線 $C$ 上の点の距離に関する条件を用いて、積分定数を定めます。
解法1
曲線 $C$ 上の点 $P$ の座標を $(t, f(t))$ とする。曲線 $C$ は第1象限にあるため、$t > 0$ かつ $f(t) > 0$ である。 点 $P$ における接線の方程式は、
$$ y - f(t) = f'(t)(x - t) $$
となる。ここで $f'(t) = 0$ と仮定すると、接線は $y = f(t)$ となり $x$ 軸と交わらないため、条件 (i) に反する。したがって $f'(t) \neq 0$ である。
この接線と $x$ 軸との交点 $Q$ の座標を求めるため $y = 0$ を代入すると、
$$ -f(t) = f'(t)(x - t) $$
$$ x = t - \frac{f(t)}{f'(t)} $$
となり、$Q\left(t - \frac{f(t)}{f'(t)}, 0\right)$ を得る。 同様に、$y$ 軸との交点 $R$ の座標を求めるため $x = 0$ を代入すると、
$$ y - f(t) = -t f'(t) $$
$$ y = f(t) - t f'(t) $$
となり、$R(0, f(t) - t f'(t))$ を得る。
点 $P(t, f(t))$ は線分 $QR$ を $1:2$ に内分するので、$x$ 座標と $y$ 座標についてそれぞれ次の関係式が成り立つ。
$$ t = \frac{2\left(t - \frac{f(t)}{f'(t)}\right) + 1 \cdot 0}{1 + 2} $$
$$ f(t) = \frac{2 \cdot 0 + 1 \cdot (f(t) - t f'(t))}{1 + 2} $$
これらを整理すると、どちらの式からも次の微分方程式が得られる。
$$ 3t = 2t - \frac{2f(t)}{f'(t)} $$
$$ t f'(t) = -2f(t) $$
$t > 0, f(t) > 0$ であるから、両辺を $t f(t)$ で割ると、
$$ \frac{f'(t)}{f(t)} = -\frac{2}{t} $$
両辺を $t$ について積分すると、
$$ \log f(t) = -2 \log t + C' \quad (C' \text{ は積分定数}) $$
$$ f(t) = e^{C'} t^{-2} $$
$e^{C'} = C$($C$ は正の定数)とおき、変数 $t$ を $x$ に直すと、関数 $f(x)$ は次のように表される。
$$ f(x) = \frac{C}{x^2} $$
次に、条件 (ii) について考える。原点から $C$ 上の点 $(x, f(x))$ までの距離の $2$ 乗を $g(x)$ とおくと、
$$ g(x) = x^2 + \{f(x)\}^2 = x^2 + \frac{C^2}{x^4} $$
$x > 0$ における $g(x)$ の最小値を求める。相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$ g(x) = \frac{x^2}{2} + \frac{x^2}{2} + \frac{C^2}{x^4} \geqq 3 \sqrt[3]{\frac{x^2}{2} \cdot \frac{x^2}{2} \cdot \frac{C^2}{x^4}} = 3 \sqrt[3]{\frac{C^2}{4}} $$
等号が成立するのは、$\frac{x^2}{2} = \frac{C^2}{x^4}$ すなわち $x^6 = 2C^2$ のときである。$C > 0$ より、これを満たす正の実数 $x$ は確かに存在する。 したがって、$g(x)$ の最小値は $3 \sqrt[3]{\frac{C^2}{4}}$ である。
条件 (ii) より、距離の最小値が $1$ であるから、距離の $2$ 乗の最小値も $1$ となる。よって、
$$ 3 \sqrt[3]{\frac{C^2}{4}} = 1 $$
両辺を $3$ 乗して整理すると、
$$ 27 \cdot \frac{C^2}{4} = 1 $$
$$ C^2 = \frac{4}{27} $$
$C > 0$ であるから、
$$ C = \frac{2}{3\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{9} $$
これを $f(x)$ の式に代入して、求める関数を得る。
解説
図形的な条件から微分方程式を立式し、それを解くという典型的な問題です。接線と座標軸との交点を求める過程では、文字式が少し複雑になりますが、内分点の公式を丁寧に適用すれば平易な変数分離形の微分方程式に帰着します。 距離の最小値を求める後半の部分では、微分を用いて増減表を書いても解けますが、相加平均・相乗平均の大小関係において項を $3$ つに分割する工夫($x^2$ を $\frac{x^2}{2} + \frac{x^2}{2}$ に分ける)を用いると、計算量を大幅に減らすことができます。
答え
$$ f(x) = \frac{2\sqrt{3}}{9x^2} $$
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