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東北大学 1987年 文系 第4問 解説

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東北大学 1987年 文系 第4問 解説

方針・初手

放物線 $y=x^2$ の $x=t$ における接線は

$$ y=2tx-t^2 $$

である。これが点 $(a,b)$ を通る条件を書けば、接点の $x$ 座標 $t$ についての2次方程式が得られる。

その2つの実数解を $t_1,t_2$ とすると、囲まれた図形の面積は $t_1,t_2$ で表せる。さらに $a^2+b^2=1$ を用いて面積を最大化する。

解法1

放物線 $y=x^2$ の $x=t$ における接線は

$$ y=2tx-t^2 $$

である。

これが点 $(a,b)$ を通るので、

$$ b=2ta-t^2 $$

すなわち

$$ t^2-2at+b=0 $$

を満たす。

この方程式が異なる2実根をもつとき、点 $(a,b)$ から放物線に異なる2本の接線が引ける。その2つの根を $t_1<t_2$ とする。

このとき、解と係数の関係より

$$ t_1+t_2=2a,\qquad t_1t_2=b $$

である。

また、2本の接線はそれぞれ

$$ y=2t_1x-t_1^2,\qquad y=2t_2x-t_2^2 $$

であり、その交点は $(a,b)$ である。

ここで、囲まれた図形の面積を $S$ とする。区間 $[t_1,a]$ では第1の接線が、区間 $[a,t_2]$ では第2の接線が下側の境界になるから、

$$ S=\int_{t_1}^{a}\left{x^2-(2t_1x-t_1^2)\right}dx+\int_{a}^{t_2}\left{x^2-(2t_2x-t_2^2)\right}dx $$

となる。

被積分関数を整理すると

$$ x^2-(2t_1x-t_1^2)=(x-t_1)^2, \qquad x^2-(2t_2x-t_2^2)=(x-t_2)^2 $$

であるから、

$$ S=\int_{t_1}^{a}(x-t_1)^2dx+\int_{a}^{t_2}(x-t_2)^2dx $$

となる。

さらに

$$ a=\frac{t_1+t_2}{2} $$

より、

$$ a-t_1=t_2-a=\frac{t_2-t_1}{2} $$

である。よって

$$ S=\frac{1}{3}(a-t_1)^3+\frac{1}{3}(t_2-a)^3 =\frac{2}{3}\left(\frac{t_2-t_1}{2}\right)^3 $$

となる。

一方、2次方程式 $t^2-2at+b=0$ の判別式より

$$ \left(\frac{t_2-t_1}{2}\right)^2=a^2-b $$

であるから、

$$ S=\frac{2}{3}(a^2-b)^{3/2} $$

を得る。

したがって、面積 $S$ を最大にするには $a^2-b$ を最大にすればよい。

ここで、$(a,b)$ は単位円上にあるから

$$ a^2+b^2=1 $$

より

$$ a^2-b=1-b^2-b $$

である。これを平方完成すると

$$ 1-b^2-b=\frac{5}{4}-\left(b+\frac{1}{2}\right)^2 $$

となるので、最大値は

$$ a^2-b\le \frac{5}{4} $$

であり、等号成立は

$$ b=-\frac{1}{2} $$

のときである。

このとき

$$ a^2=1-b^2=1-\frac{1}{4}=\frac{3}{4} $$

だから

$$ a=\pm \frac{\sqrt{3}}{2} $$

である。

よって求める点は

$$ \left(\frac{\sqrt{3}}{2},-\frac{1}{2}\right),\qquad \left(-\frac{\sqrt{3}}{2},-\frac{1}{2}\right) $$

である。

なお、このとき最大面積は

$$ S_{\max}=\frac{2}{3}\left(\frac{5}{4}\right)^{3/2} =\frac{5\sqrt{5}}{12} $$

である。

解説

接線の接点の $x$ 座標を $t$ と置くのが自然な初手である。すると「点 $(a,b)$ を通る接線」という条件が2次方程式になり、2本の接線が存在する条件も、囲まれた面積も一気に整理できる。

面積が最終的に $\frac{2}{3}(a^2-b)^{3/2}$ と表せるので、あとは単位円条件 $a^2+b^2=1$ を使って1変数の最大化に帰着するのが本質である。

答え

面積を最大にする点 $(a,b)$ は

$$ \left(\frac{\sqrt{3}}{2},-\frac{1}{2}\right),\qquad \left(-\frac{\sqrt{3}}{2},-\frac{1}{2}\right) $$

である。

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