北海道大学 2000年 理系 第3問 解説

方針・初手
- 空間内の直線を媒介変数(パラメータ)を用いてベクトルで表す。
- (1)は「垂直」という条件から内積が $0$ となることを利用してパラメータを決定する。なす角はベクトルの内積の定義式を用いる。
- (2)は2直線間の最短距離の問題である。2つのパラメータを用いて結んだベクトルの大きさを最小化する。共通垂線の条件(それぞれの方向ベクトルとの内積が $0$)を利用するか、距離の2乗を表す2変数関数を平方完成する。
解法1
(1)
点 $H$ は直線 $OA$ 上にあるので、実数 $t$ を用いて次のように表せる。
$$ \vec{OH} = t\vec{OA} = t(-1, 1, 0) = (-t, t, 0) $$
よって、$H(-t, t, 0)$ である。 このとき、ベクトル $\vec{CH}$ は次のように成分表示できる。
$$ \vec{CH} = \vec{OH} - \vec{OC} = (-t, t, 0) - (0, 1, 1) = (-t, t-1, -1) $$
$CH \perp OA$ であるから、$\vec{CH} \cdot \vec{OA} = 0$ となる。
$$ -t \cdot (-1) + (t-1) \cdot 1 + (-1) \cdot 0 = 0 $$
$$ t + t - 1 = 0 $$
$$ 2t = 1 \iff t = \frac{1}{2} $$
したがって、点 $H$ の座標は $\left(-\frac{1}{2}, \frac{1}{2}, 0\right)$ である。
次に、$\angle CHC' = \theta$ について、$\cos\theta$ を求める。 $\vec{HC}$ と $\vec{HC'}$ をそれぞれ求める。
$$ \vec{HC} = \vec{OC} - \vec{OH} = (0, 1, 1) - \left(-\frac{1}{2}, \frac{1}{2}, 0\right) = \left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}, 1\right) $$
$$ \vec{HC'} = \vec{OC'} - \vec{OH} = (0, 1, 0) - \left(-\frac{1}{2}, \frac{1}{2}, 0\right) = \left(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}, 0\right) $$
それぞれの大きさを計算する。
$$ |\vec{HC}| = \sqrt{\left(\frac{1}{2}\right)^2 + \left(\frac{1}{2}\right)^2 + 1^2} = \sqrt{\frac{1}{4} + \frac{1}{4} + 1} = \frac{\sqrt{6}}{2} $$
$$ |\vec{HC'}| = \sqrt{\left(\frac{1}{2}\right)^2 + \left(\frac{1}{2}\right)^2 + 0^2} = \sqrt{\frac{1}{4} + \frac{1}{4}} = \frac{\sqrt{2}}{2} $$
$\vec{HC}$ と $\vec{HC'}$ の内積は次のようになる。
$$ \vec{HC} \cdot \vec{HC'} = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} + 1 \cdot 0 = \frac{1}{4} + \frac{1}{4} = \frac{1}{2} $$
以上より、$\cos\theta$ は内積の定義から次のように求まる。
$$ \cos\theta = \frac{\vec{HC} \cdot \vec{HC'}}{|\vec{HC}| |\vec{HC'}|} = \frac{\frac{1}{2}}{\frac{\sqrt{6}}{2} \cdot \frac{\sqrt{2}}{2}} = \frac{\frac{1}{2}}{\frac{\sqrt{12}}{4}} = \frac{\frac{1}{2}}{\frac{2\sqrt{3}}{4}} = \frac{1}{\sqrt{3}} $$
(2)
点 $P$ は直線 $OA$ 上の点であるから、実数 $s$ を用いて $\vec{OP} = s\vec{OA} = (-s, s, 0)$ と表せる。 また、点 $Q$ は直線 $BC$ 上の点である。 方向ベクトルは $\vec{BC} = (0, 1, 1) - (1, 0, 0) = (-1, 1, 1)$ であるから、実数 $u$ を用いて次のように表せる。
$$ \vec{OQ} = \vec{OB} + u\vec{BC} = (1, 0, 0) + u(-1, 1, 1) = (1-u, u, u) $$
ベクトル $\vec{PQ}$ は次のようになる。
$$ \vec{PQ} = \vec{OQ} - \vec{OP} = (1-u, u, u) - (-s, s, 0) = (1-u+s, u-s, u) $$
線分 $PQ$ の長さが最小となるのは、直線 $PQ$ が直線 $OA$ および直線 $BC$ の両方に垂直に交わるとき(共通垂線となるとき)である。 すなわち、$\vec{PQ} \perp \vec{OA}$ かつ $\vec{PQ} \perp \vec{BC}$ である。 これより、$\vec{PQ} \cdot \vec{OA} = 0$ かつ $\vec{PQ} \cdot \vec{BC} = 0$ が成り立つ。
$$ \vec{PQ} \cdot \vec{OA} = (1-u+s) \cdot (-1) + (u-s) \cdot 1 + u \cdot 0 = -1 + u - s + u - s = 2u - 2s - 1 = 0 $$
$$ \vec{PQ} \cdot \vec{BC} = (1-u+s) \cdot (-1) + (u-s) \cdot 1 + u \cdot 1 = -1 + u - s + u - s + u = 3u - 2s - 1 = 0 $$
これらを連立方程式として解く。
$$ \begin{cases} 2u - 2s = 1 & \cdots (A) \\ 3u - 2s = 1 & \cdots (B) \end{cases} $$
(B) - (A) より $u = 0$ これを (A) に代入して $-2s = 1 \iff s = -\frac{1}{2}$
求めた $s, u$ を点 $P, Q$ の座標の式に代入する。
$$ P\left(-\left(-\frac{1}{2}\right), -\frac{1}{2}, 0\right) = \left(\frac{1}{2}, -\frac{1}{2}, 0\right) $$
$$ Q(1-0, 0, 0) = (1, 0, 0) $$
解法2
(2)の別解
点 $P(-s, s, 0)$、点 $Q(1-u, u, u)$ とおくところまでは解法1と同様である。 距離 $PQ$ が最小となることは、$|\vec{PQ}|^2$ が最小となることと同値である。
$$ |\vec{PQ}|^2 = (1-u+s)^2 + (u-s)^2 + u^2 $$
ここで、$v = u-s$ とおくと、
$$ \begin{aligned} |\vec{PQ}|^2 &= (1-v)^2 + v^2 + u^2 \\ &= 1 - 2v + v^2 + v^2 + u^2 \\ &= 2v^2 - 2v + 1 + u^2 \\ &= 2\left(v - \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{1}{2} + 1 + u^2 \\ &= 2\left(v - \frac{1}{2}\right)^2 + u^2 + \frac{1}{2} \end{aligned} $$
$|\vec{PQ}|^2$ は、$v - \frac{1}{2} = 0$ かつ $u = 0$ のとき最小値 $\frac{1}{2}$ をとる。 $u = 0$ と $v = u-s = \frac{1}{2}$ より、
$$ 0 - s = \frac{1}{2} \iff s = -\frac{1}{2} $$
よって、最小となるときのパラメータは $s = -\frac{1}{2}, u = 0$ である。 これを $P, Q$ の座標の式に代入して、
$$ P\left(\frac{1}{2}, -\frac{1}{2}, 0\right) $$
$$ Q(1, 0, 0) $$
解説
- 空間ベクトルの基本問題であり、直線を媒介変数(パラメータ)表示して処理する典型的な問題である。
- (2)の「ねじれの位置にある2直線の最短距離」は、両方の直線に垂直に交わる共通垂線を考える解法(解法1)と、2変数関数の最小化を考える解法(解法2)の2通りのアプローチが知られている。どちらも頻出の処理なので習熟しておきたい。
- 計算量を減らす工夫として、(2)の解法2のようにカタマリ(今回であれば $u-s$)を別の文字で置換すると、平方完成が見やすくなり計算ミスを防ぐことができる。
答え
(1) $H\left(-\frac{1}{2}, \frac{1}{2}, 0\right)$, $\cos\theta = \frac{1}{\sqrt{3}}$
(2) $P\left(\frac{1}{2}, -\frac{1}{2}, 0\right)$, $Q(1, 0, 0)$
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