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北海道大学 2001年 理系 第3問 解説

数学2/図形と式数学A/図形の性質テーマ/接線・法線テーマ/軌跡・領域
北海道大学 2001年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) については、2接点 $A, B$ を通る直線(極線)の方程式を求め、それと直線 $OP$ との交点として $Q$ の座標を計算する代数的なアプローチと、直角三角形の相似とベクトルを用いて処理する幾何的なアプローチが考えられる。

(2) については、(1) で求めた点 $Q$ の座標 $(X, Y)$ と $P(a, b)$ の関係式から、$a, b$ を $X, Y$ で表し、点 $P$ が満たす円の方程式に代入して軌跡を求める。

解法1

(1)

円の原点を $O$ とする。接点を $A(x_1, y_1), B(x_2, y_2)$ とおく。 点 $A, B$ における円 $x^2+y^2=1$ の接線の方程式はそれぞれ

$$ x_1 x + y_1 y = 1, \quad x_2 x + y_2 y = 1 $$

である。これらがともに点 $P(a, b)$ を通るから

$$ a x_1 + b y_1 = 1, \quad a x_2 + b y_2 = 1 $$

が成り立つ。これは、2点 $A(x_1, y_1), B(x_2, y_2)$ が直線 $ax + by = 1$ 上にあることを示している。 したがって、直線 $AB$ の方程式は

$$ ax + by = 1 $$

である。

円外の点 $P$ から引いた2本の接線の長さは等しいので $PA = PB$ であり、円の半径から $OA = OB$ である。 よって、四角形 $OAPB$ は凧形であり、対角線 $OP$ は $AB$ の垂直二等分線となる。 すなわち、線分 $AB$ の中点 $Q$ は直線 $OP$ 上にあり、点 $Q$ は直線 $OP$ と直線 $AB$ の交点である。 直線 $OP$ の方程式は

$$ bx - ay = 0 $$

である。点 $Q$ の座標 $(x, y)$ は、これら2直線の交点として求められる。

$$ \begin{cases} ax + by = 1 \\ bx - ay = 0 \end{cases} $$

第2式より $ay = bx$。これを第1式の両辺に $a$ を掛けた $a^2x + aby = a$ に代入すると

$$ a^2x + b(bx) = a \iff (a^2+b^2)x = a $$

点 $P$ は円 $x^2+y^2=1$ の外部にあるため $a^2+b^2 > 1 > 0$ である。したがって

$$ x = \frac{a}{a^2+b^2} $$

同様に $y = \frac{b}{a^2+b^2}$ を得る。 よって、点 $Q$ の座標は

$$ \left( \frac{a}{a^2+b^2}, \frac{b}{a^2+b^2} \right) $$

となる。

(2)

(1) より、点 $Q$ の座標を $(X, Y)$ とおくと

$$ X = \frac{a}{a^2+b^2}, \quad Y = \frac{b}{a^2+b^2} $$

である。$X^2 + Y^2$ を計算すると

$$ X^2 + Y^2 = \frac{a^2 + b^2}{(a^2+b^2)^2} = \frac{1}{a^2+b^2} $$

となる。点 $P(a, b)$ は円 $(x-3)^2+y^2=1$ 上にあるため、原点からの距離は $2$ 以上であり $a^2+b^2 \ge 4 > 1$ となる。ゆえに $X^2+Y^2 \neq 0$ であるから、これを用いて $a, b$ を $X, Y$ で表すと

$$ a = X(a^2+b^2) = \frac{X}{X^2+Y^2}, \quad b = Y(a^2+b^2) = \frac{Y}{X^2+Y^2} $$

となる。

一方、点 $P(a, b)$ は円 $(x-3)^2+y^2=1$ 上にあるので

$$ (a-3)^2 + b^2 = 1 $$

を満たす。ここに先ほど求めた $a, b$ の式を代入する。

$$ \left( \frac{X}{X^2+Y^2} - 3 \right)^2 + \left( \frac{Y}{X^2+Y^2} \right)^2 = 1 $$

展開して整理する。

$$ \frac{X^2}{(X^2+Y^2)^2} - \frac{6X}{X^2+Y^2} + 9 + \frac{Y^2}{(X^2+Y^2)^2} = 1 $$

$$ \frac{X^2+Y^2}{(X^2+Y^2)^2} - \frac{6X}{X^2+Y^2} + 8 = 0 $$

$$ \frac{1}{X^2+Y^2} - \frac{6X}{X^2+Y^2} + 8 = 0 $$

両辺に $X^2+Y^2$ ($>0$) を掛けて整理すると

$$ 1 - 6X + 8(X^2+Y^2) = 0 $$

$$ 8X^2 - 6X + 8Y^2 + 1 = 0 $$

$$ X^2 - \frac{3}{4}X + Y^2 + \frac{1}{8} = 0 $$

平方完成を行うと

$$ \left( X - \frac{3}{8} \right)^2 - \frac{9}{64} + Y^2 + \frac{1}{8} = 0 $$

$$ \left( X - \frac{3}{8} \right)^2 + Y^2 = \frac{1}{64} $$

点 $P$ が円 $(x-3)^2+y^2=1$ 全体を動くとき、点 $Q$ はこの円上のすべての点を動く。 したがって、求める点 $Q$ の軌跡は、円 $\left( x - \frac{3}{8} \right)^2 + y^2 = \frac{1}{64}$ である。

解法2

(1) の別解

円の原点を $O$ とする。 円外の点 $P$ から引いた2本の接線の接点 $A, B$ は、直線 $OP$ に関して対称である。 したがって、線分 $AB$ の中点 $Q$ は直線 $OP$ 上にあり、$OP \perp AB$ である。

点 $A$ は円上の点であり、$PA$ は接線であるから、$\angle OAP = 90^\circ$ である。 直角三角形 $OAP$ において、頂点 $A$ から斜辺 $OP$ に下ろした垂線の足が $Q$ であるから、$\triangle OAQ$ と $\triangle OPA$ は相似である。 相似比より

$$ OQ : OA = OA : OP \implies OQ = \frac{OA^2}{OP} $$

ここで、$OA = 1$, $OP = \sqrt{a^2+b^2}$ であるから

$$ OQ = \frac{1}{\sqrt{a^2+b^2}} $$

となる。 点 $Q$ は半直線 $OP$ 上の点であるから、ベクトル $\overrightarrow{OQ}$ は、同じ向きの単位ベクトル $\frac{\overrightarrow{OP}}{|\overrightarrow{OP}|}$ を $OQ$ 倍したものである。

$$ \begin{aligned} \overrightarrow{OQ} &= OQ \cdot \frac{\overrightarrow{OP}}{OP} \\ &= \frac{1}{\sqrt{a^2+b^2}} \cdot \frac{1}{\sqrt{a^2+b^2}} (a, b) \\ &= \frac{1}{a^2+b^2} (a, b) \end{aligned} $$

これより、点 $Q$ の座標は $\left( \frac{a}{a^2+b^2}, \frac{b}{a^2+b^2} \right)$ である。

解説

(1) は極線の方程式 $ax+by=1$ を導出して交点を求める代数的な解法と、図形の性質を利用する幾何的な解法の2つが考えられる。極線の方程式の導出は典型処理であるため、自力で構成できるようにしておきたい。幾何的な解法は計算量が少なく見通しが良い。

(2) は、点 $P$ の座標と点 $Q$ の座標の間に成り立つ関係式から、$P$ の座標を $Q$ の座標で表し直す操作(逆変換)がポイントである。この変換は原点を中心とする「反転」と呼ばれるものであり、原点を通らない円は、反転によって再び原点を通らない円に写される性質がある。

答え

(1) $\left( \frac{a}{a^2+b^2}, \frac{b}{a^2+b^2} \right)$

(2) 円 $\left( x - \frac{3}{8} \right)^2 + y^2 = \frac{1}{64}$

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