北海道大学 1995年 文系 第3問 解説

方針・初手
(1) 2つの円の包含関係は、中心間の距離と半径の和・差の関係から示します。
(2) 円外の点から引いた2本の接線のなす角は、点と円の中心を結ぶ直線によって2等分される図形的性質を利用します。
(3) (2)の結果から原点と点 $P$ の距離 $d$ が定まるので、原点を中心とする半径 $d$ の円と円 $C_2$ が共有点を持つような $R$ の条件を立式します。
解法1
(1)
円 $C_1: x^2 + y^2 = 1$ の中心は $O(0, 0)$、半径は $r_1 = 1$ である。 円 $C_2: (x-1)^2 + (y-2)^2 = R^2$ の中心を $A(1, 2)$ とすると、半径は $r_2 = R$ である。
2円の中心間の距離を $L$ とすると、
$$ L = OA = \sqrt{1^2 + 2^2} = \sqrt{5} $$
である。問題の条件より $R > 1 + \sqrt{5}$ であるから、
$$ R > 1 + \sqrt{5} = r_1 + L $$
が成り立つ。これを変形すると、
$$ L < R - 1 \iff L < r_2 - r_1 $$
となる。中心間の距離 $L$ が2円の半径の差 $r_2 - r_1$ よりも小さいため、円 $C_1$ は円 $C_2$ の内部に含まれる。
(2)
点 $P$ から円 $C_1$ に引いた2本の接線の接点を $T_1, T_2$ とする。
直線 $OP$ は $\angle T_1 P T_2$ を2等分するため、
$$ \angle O P T_1 = \frac{\theta}{2} $$
となる。また、半径 $OT_1$ は接線と直交するので $\angle O T_1 P = \frac{\pi}{2}$ であり、三角形 $O T_1 P$ は直角三角形となる。
この直角三角形において、$OT_1 = 1$(円 $C_1$ の半径)、$OP = d$ であるから、
$$ \sin \frac{\theta}{2} = \frac{OT_1}{OP} = \frac{1}{d} $$
が成り立つ。2倍角の公式(または半角の公式)を用いると、
$$ \cos \theta = 1 - 2 \sin^2 \frac{\theta}{2} = 1 - 2 \left( \frac{1}{d} \right)^2 = 1 - \frac{2}{d^2} $$
となる。
(3)
$\theta = \frac{\pi}{2}$ のとき、$\cos \frac{\pi}{2} = 0$ であるから、(2)の結果より、
$$ 1 - \frac{2}{d^2} = 0 \iff d^2 = 2 $$
$d > 0$ より $d = \sqrt{2}$ を得る。
これは、点 $P$ が原点 $O$ を中心とする半径 $\sqrt{2}$ の円周上にあることを意味する。 この円を $C_3: x^2 + y^2 = 2$ とおく。
条件を満たす点 $P$ が円 $C_2$ 上に存在するための条件は、円 $C_3$ と円 $C_2$ が共有点を持つことである。
円 $C_3$ の半径は $r_3 = \sqrt{2}$、円 $C_2$ の半径は $r_2 = R$ であり、中心間距離は $L = \sqrt{5}$ である。 2円が共有点を持つ条件は、
$$ |r_2 - r_3| \le L \le r_2 + r_3 $$
すなわち、
$$ |R - \sqrt{2}| \le \sqrt{5} \le R + \sqrt{2} $$
である。条件 $R > 1 + \sqrt{5}$ より、$R > \sqrt{2}$ は明らかであるから、絶対値記号をそのまま外して、
$$ R - \sqrt{2} \le \sqrt{5} \le R + \sqrt{2} $$
となる。各不等式を解くと、
$$ R \le \sqrt{5} + \sqrt{2} \quad \text{かつ} \quad R \ge \sqrt{5} - \sqrt{2} $$
これと、前提条件 $R > 1 + \sqrt{5}$ との共通範囲を求める。
$1 + \sqrt{5}$ と $\sqrt{5} - \sqrt{2}$ の大小関係については、明らかに $1 + \sqrt{5} > \sqrt{5} - \sqrt{2}$ である。 また、$1 + \sqrt{5}$ と $\sqrt{5} + \sqrt{2}$ については、$1 < \sqrt{2}$ であるから、$1 + \sqrt{5} < \sqrt{5} + \sqrt{2}$ である。
したがって、求める $R$ の条件は、
$$ 1 + \sqrt{5} < R \le \sqrt{5} + \sqrt{2} $$
となる。
解説
(1)は2円の位置関係の基本事項です。「内部に含まれる」条件は、中心間距離が2つの円の半径の差よりも小さくなることであることを正確に確認します。
(2)は図形的に処理するのが最も簡潔です。円外の点から引いた接線のなす角については、中心と結ぶ直線で角が2等分される性質と直角三角形の三角比に注目するのが定石です。
(3)は(2)で得られた距離 $d$ の値から、点 $P$ の軌跡が円になることに気づけるかがポイントです。最終的な $R$ の範囲を求める際、問題文の前提条件 $R > 1 + \sqrt{5}$ との共通範囲を忘れずにとるよう注意が必要です。
答え
(1) 円 $C_1$ は円 $C_2$ の内部に含まれる。
(2) $\cos \theta = 1 - \frac{2}{d^2}$
(3) $1 + \sqrt{5} < R \le \sqrt{5} + \sqrt{2}$
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