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北海道大学 2002年 理系 第1問 解説

数学2/微分法数学2/積分法数学1/方程式不等式テーマ/定積分計算
北海道大学 2002年 理系 第1問 解説

方針・初手

積分区間の上端に変数 $x$ が含まれる等式である。このような場合は、分母を払って等式を整理したのち、両辺を $x$ で微分して関数 $f(x)$ を求めるのが定石である。微分の公式 $\frac{d}{dx} \int_{a}^{x} f(t) dt = f(x)$ を用いる。

解法1

(1)

与えられた等式 $$ \frac{1}{x-1} \int_{1}^{x} f(t) dt = x^n \quad (x \neq 1) $$ の両辺に $x-1$ を掛けると、次の式を得る。 $$ \int_{1}^{x} f(t) dt = (x-1)x^n = x^{n+1} - x^n $$

この等式の両辺を $x$ で微分する。$f(x)$ は微分可能な関数であるから連続であり、左辺の微分は $f(x)$ となる。 $$ f(x) = \frac{d}{dx} (x^{n+1} - x^n) $$

よって、微分を実行して次を得る。 $$ f(x) = (n+1)x^n - n x^{n-1} $$

(2)

与えられた等式 $$ \frac{1}{x-a} \int_{a}^{x} f(t) dt = \frac{1}{2}(f(x) + f(a)) \quad (x \neq a) $$ の両辺に $x-a$ を掛けると、次の式を得る。 $$ \int_{a}^{x} f(t) dt = \frac{1}{2}(x-a)(f(x) + f(a)) $$

この等式の両辺を $x$ で微分すると、積の微分法より次のようになる。 $$ f(x) = \frac{1}{2}(f(x) + f(a)) + \frac{1}{2}(x-a)f'(x) $$

両辺を2倍して整理する。 $$ 2f(x) = f(x) + f(a) + (x-a)f'(x) $$

$$ f(x) - f(a) = (x-a)f'(x) \cdots ① $$

この等式①は、任意の $x, a$ ($x \neq a$) に対して成り立つ。 ここで、①において $x$ と $a$ の役割を入れ替えると、次の等式が得られる。 $$ f(a) - f(x) = (a-x)f'(a) $$

この両辺に $-1$ を掛けると、次のようになる。 $$ f(x) - f(a) = (x-a)f'(a) \cdots ② $$

①と②より、左辺が等しいことから次の等式が成り立つ。 $$ (x-a)f'(x) = (x-a)f'(a) $$

$x \neq a$ であるから、両辺を $x-a$ で割ることができる。 $$ f'(x) = f'(a) $$

これが任意の $x, a$ ($x \neq a$) に対して成り立つため、導関数 $f'(x)$ は $x$ に依存しない定数関数であることがわかる。 ここで、問題の条件 $f'(0) = 2$ を用いると、常に $f'(x) = 2$ となる。 これを積分して、$f(x)$ は積分定数 $C$ を用いて次のように表される。 $$ f(x) = 2x + C $$

さらに、問題の条件 $f(0) = 1$ を代入すると、$C = 1$ が得られる。 $$ f(x) = 2x + 1 $$

最後に、この関数が元の等式を満たすか(十分性)を確認する。 左辺を計算すると次のようになる。 $$ \frac{1}{x-a} \int_{a}^{x} (2t+1) dt = \frac{1}{x-a} \left[ t^2 + t \right]_{a}^{x} = \frac{(x^2 - a^2) + (x - a)}{x-a} = x + a + 1 $$

右辺を計算すると次のようになる。 $$ \frac{1}{2} ( (2x+1) + (2a+1) ) = \frac{1}{2} (2x + 2a + 2) = x + a + 1 $$

左辺と右辺が一致するため、元の等式を満たすことが確認できた。

解説

定積分の上端に変数を含む関数方程式(積分方程式)の典型問題である。等式から積分記号を外すために「両辺を微分する」という定石を用いる。 (2)において、導出した等式 $f(x) - f(a) = (x-a)f'(x)$ からどのように $f(x)$ を決定するかがポイントとなる。仮に $f(x)$ が2回微分可能であることが保証されていれば、両辺をさらに $x$ で微分して $(x-a)f''(x) = 0$ を導くことができるが、本問の条件は「$f(x)$ は微分可能」のみである。そのため、$x$ と $a$ が任意の実数であることを利用し、文字の対称性から $f'(x) = f'(a)$ を導く論証が最も厳密かつ鮮やかである。 最後に、必要条件から絞り込んだ関数が元の等式を満たすかどうかの十分性の確認を行うことで、より完璧な答案となる。

答え

(1) $$ f(x) = (n+1)x^n - n x^{n-1} $$

(2) $$ f(x) = 2x + 1 $$

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