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北海道大学 2014年 理系 第2問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形数学1/方程式不等式テーマ/空間図形テーマ/最大・最小
北海道大学 2014年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) 点 $P, Q$ は辺 $OA, OB$ 上にあるため、$p, q$ のとり得る値の範囲が決まります。$p+q=t, pq=\frac{1}{2}$ であることから、$p, q$ はある2次方程式の解となります。この2次方程式が所定の範囲に実数解をもつための条件(解の配置)を考えます。

(2) 直角が3つある四面体であるため、$O$ を原点とする空間座標を設定すると見通しが良くなります。各点の座標からベクトル $\vec{CP}, \vec{CQ}$ を成分表示し、三角形の面積公式を用いて $p, q$ の式で表した後、対称式の性質を用いて $t$ の式に書き換えます。

(3) (1)で求めた $t$ の範囲において、(2)で求めた面積 $S$ の関数の最小値を求めます。

解法1

(1) 点 $P$ は辺 $OA$ 上にあり、点 $Q$ は辺 $OB$ 上にある。$OA=OB=1$ であるから、$0 \leqq p \leqq 1$ かつ $0 \leqq q \leqq 1$ である。 さらに、$pq = \frac{1}{2}$ であるから、$p \neq 0$ かつ $q \neq 0$ であり、 $$ 0 < p \leqq 1, \quad 0 < q \leqq 1 $$ を満たす。 $p, q$ は、和が $t$、積が $\frac{1}{2}$ であるから、2次方程式 $$ x^2 - tx + \frac{1}{2} = 0 $$ の2つの実数解である。 したがって、$t$ のとり得る値の範囲は、この2次方程式が $0 < x \leqq 1$ の範囲に2つの実数解(重解を含む)をもつ条件と同値である。 $f(x) = x^2 - tx + \frac{1}{2}$ とおくと、条件は以下の3つをすべて満たすことである。

判別式 $D \geqq 0$ $$ D = (-t)^2 - 4 \cdot 1 \cdot \frac{1}{2} = t^2 - 2 \geqq 0 $$ これより、$t \leqq -\sqrt{2}$ または $\sqrt{2} \leqq t$ である。

軸の位置が $0 < x \leqq 1$ の範囲にある 軸の方程式は $x = \frac{t}{2}$ であるから、 $$ 0 < \frac{t}{2} \leqq 1 $$ これより、$0 < t \leqq 2$ である。

区間の端点での符号 $f(0) = \frac{1}{2} > 0$ は常に成り立つ。 $$ f(1) = 1^2 - t \cdot 1 + \frac{1}{2} = \frac{3}{2} - t \geqq 0 $$ これより、$t \leqq \frac{3}{2}$ である。

①、②、③ の共通範囲をとって、求める $t$ の範囲は $$ \sqrt{2} \leqq t \leqq \frac{3}{2} $$

(2) 頂点 $O$ を原点とし、$A(1, 0, 0)$, $B(0, 1, 0)$, $C(0, 0, 1)$ と座標空間を設定する。このとき、$OA=OB=OC=1$, $\angle AOB = \angle BOC = \angle COA = 90^\circ$ の条件をすべて満たす。 $P$ は $OA$ 上、$Q$ は $OB$ 上の点であるから、座標はそれぞれ $P(p, 0, 0), Q(0, q, 0)$ と表せる。 ベクトル $\vec{CP}, \vec{CQ}$ の成分は $$ \begin{aligned} \vec{CP} &= (p, 0, -1) \\ \vec{CQ} &= (0, q, -1) \end{aligned} $$ となる。これらの大きさの2乗と内積は、 $$ \begin{aligned} |\vec{CP}|^2 &= p^2 + 0^2 + (-1)^2 = p^2 + 1 \\ |\vec{CQ}|^2 &= 0^2 + q^2 + (-1)^2 = q^2 + 1 \\ \vec{CP} \cdot \vec{CQ} &= p \cdot 0 + 0 \cdot q + (-1) \cdot (-1) = 1 \end{aligned} $$ である。$\triangle CPQ$ の面積 $S$ は、 $$ \begin{aligned} S &= \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{CP}|^2|\vec{CQ}|^2 - (\vec{CP} \cdot \vec{CQ})^2} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{(p^2 + 1)(q^2 + 1) - 1^2} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{p^2 q^2 + p^2 + q^2 + 1 - 1} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{(pq)^2 + p^2 + q^2} \end{aligned} $$ ここで、$pq = \frac{1}{2}$ であり、$p^2 + q^2$ を基本対称式 $p+q=t, pq=\frac{1}{2}$ で表すと、 $$ p^2 + q^2 = (p+q)^2 - 2pq = t^2 - 2 \cdot \frac{1}{2} = t^2 - 1 $$ となる。これらを $S$ の式に代入して、 $$ \begin{aligned} S &= \frac{1}{2} \sqrt{\left(\frac{1}{2}\right)^2 + t^2 - 1} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{\frac{1}{4} + t^2 - 1} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{t^2 - \frac{3}{4}} \end{aligned} $$

(3) (2) より、$S = \frac{1}{2} \sqrt{t^2 - \frac{3}{4}}$ である。 根号の中身である $t^2 - \frac{3}{4}$ は $t > 0$ において単調に増加する。 (1) より $t$ のとり得る値の範囲は $\sqrt{2} \leqq t \leqq \frac{3}{2}$ であるため、$S$ は $t = \sqrt{2}$ のとき最小となる。 このときの $S$ の最小値は、 $$ S = \frac{1}{2} \sqrt{(\sqrt{2})^2 - \frac{3}{4}} = \frac{1}{2} \sqrt{2 - \frac{3}{4}} = \frac{1}{2} \sqrt{\frac{5}{4}} = \frac{\sqrt{5}}{4} $$ また、$t = \sqrt{2}$ のときの $p, q$ の値は、(1) の2次方程式に $t = \sqrt{2}$ を代入して、 $$ x^2 - \sqrt{2}x + \frac{1}{2} = 0 $$ $$ \left(x - \frac{\sqrt{2}}{2}\right)^2 = 0 $$ これより、$x = \frac{\sqrt{2}}{2}$ の重解をもつ。 したがって、$p = q = \frac{\sqrt{2}}{2}$ である。

解説

空間図形における三角形の面積を求める典型的な問題です。直角が頂点に集まっている四面体(直交座標系に載せやすい形)であるため、空間座標を導入し、ベクトルの内積と大きさを用いた面積公式 $S = \frac{1}{2}\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2 - (\vec{a} \cdot \vec{b})^2}$ を利用するのが最も確実で計算量も少ない方針となります。

また、(1) の範囲指定では、$p, q$ が存在するための条件を「2次方程式の解の配置」として処理する定石が問われています。「辺上にある」という条件から端点($1$ 以下)の条件が課されること、および積が $\frac{1}{2}$ であることから自動的に正の値になることに注意して、抜け漏れなく条件を立式する必要があります。

答え

(1) $\sqrt{2} \leqq t \leqq \frac{3}{2}$

(2) $S = \frac{1}{2} \sqrt{t^2 - \frac{3}{4}}$

(3) 最小値 $\frac{\sqrt{5}}{4}$、そのとき $p = \frac{\sqrt{2}}{2}, q = \frac{\sqrt{2}}{2}$

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