京都大学 1976年 文系 第5問 解説

方針・初手
$a_1 = 2$, $a_2 = 3$ を満たすような、$n$ に関する関数を構成する問題である。 (i) は $n$ と定数を四則演算で結んだ式、(ii) は指数関数を含む式を考える。 それぞれについて関数の形(1次式、反比例の式、特定の底を持つ指数関数など)を仮定し、未定係数を設定して $a_1 = 2, a_2 = 3$ となるように定数を決定する。生成される数列がすべて異なることを示すため、第3項 $a_3$ の値を比較して一致しないことを確認する。
解法1
(i) の数列について
与えられた形 $a_n = A \ast B \ast C \ast D$ は、最大4つの要素($n$ または定数)を四則演算で結んだ式である。$+0$ や $\times 1$ の省略が許されているため、要素数が満たない場合はこれらが省略されていると解釈して条件を満たす式を作る。
1つ目:1次式の形 $a_n = \alpha n + \beta$ を考える。
$$ \begin{cases} a_1 = \alpha + \beta = 2 \\ a_2 = 2\alpha + \beta = 3 \end{cases} $$
これを解いて $\alpha = 1, \beta = 1$ となる。 よって、1つ目の式は $a_n = n + 1$ とする。 これは要素が $n, 1$ の2つであり、条件を満たす。このとき、$a_3 = 4$ である。
2つ目:反比例の形 $a_n = \alpha \div n + \beta$ を考える。
$$ \begin{cases} a_1 = \alpha \div 1 + \beta = 2 \\ a_2 = \alpha \div 2 + \beta = 3 \end{cases} $$
第1式から第2式を引くと $\frac{1}{2}\alpha = -1$ より $\alpha = -2$ となり、このとき $\beta = 4$ である。 よって、2つ目の式は $a_n = -2 \div n + 4$ とする。 これは要素が $-2, n, 4$ の3つであり、条件を満たす。このとき、$a_3 = -2 \div 3 + 4 = \frac{10}{3}$ である。
3つ目:2次式の形 $a_n = \alpha \times n \times n + \beta$ を考える。
$$ \begin{cases} a_1 = \alpha \times 1^2 + \beta = 2 \\ a_2 = \alpha \times 2^2 + \beta = 3 \end{cases} $$
これを解くと $\alpha = \frac{1}{3}, \beta = \frac{5}{3}$ となる。定数として分数を用いると、 よって、3つ目の式は $a_n = \frac{1}{3} \times n \times n + \frac{5}{3}$ とする。 これは要素が $\frac{1}{3}, n, n, \frac{5}{3}$ の4つであり、条件を満たす。このとき、$a_3 = \frac{1}{3} \times 9 + \frac{5}{3} = \frac{14}{3}$ である。
(ii) の数列について
与えられた形 $a_n = A^n \ast B \ast C$ について、$A$ に具体的な定数を代入し、残りの定数を決定する。$a_n = A^n \times \alpha + \beta$ の形を考える($\div$ の場合は $\alpha$ が分数になることと同値である)。
1つ目:$A = 2$ のとき
$$ \begin{cases} a_1 = 2\alpha + \beta = 2 \\ a_2 = 4\alpha + \beta = 3 \end{cases} $$
これを解いて $\alpha = \frac{1}{2}, \beta = 1$ となる。 よって、1つ目の式は $a_n = 2^n \div 2 + 1$ とする。 このとき、$a_3 = 2^3 \div 2 + 1 = 5$ である。
2つ目:$A = 3$ のとき
$$ \begin{cases} a_1 = 3\alpha + \beta = 2 \\ a_2 = 9\alpha + \beta = 3 \end{cases} $$
これを解いて $6\alpha = 1$ より $\alpha = \frac{1}{6}$ となり、このとき $\beta = \frac{3}{2}$ である。 よって、2つ目の式は $a_n = 3^n \div 6 + \frac{3}{2}$ とする。 このとき、$a_3 = 3^3 \div 6 + \frac{3}{2} = \frac{9}{2} + \frac{3}{2} = 6$ である。
3つ目:$A = -1$ のとき
$$ \begin{cases} a_1 = -\alpha + \beta = 2 \\ a_2 = \alpha + \beta = 3 \end{cases} $$
これを解いて $2\beta = 5$ より $\beta = \frac{5}{2}$ となり、このとき $\alpha = \frac{1}{2}$ である。 よって、3つ目の式は $a_n = (-1)^n \div 2 + \frac{5}{2}$ とする。 このとき、$a_3 = (-1)^3 \div 2 + \frac{5}{2} = 2$ である。
以上により得られた6つの数列の第3項は順に $4, \frac{10}{3}, \frac{14}{3}, 5, 6, 2$ とすべて異なるため、これらは相異なる6つの数列である。
解説
本問は、与えられたフォーマットに従って条件を満たす数列(関数)を自分で構成する、自由度の高いパズル的な問題である。 「相異なる数列」という条件を満たすためには、生成される項の並びが異なる必要があるので、解答例のように第3項 $a_3$ などを求めて値が一致しないことを確認すると確実である。 (i) では多項式や分数式などを想定し、(ii) では底 $A$ の値を適当に設定して連立方程式を解けば、無数に解を作ることができる。指定された形式「$A \ast B \ast C \ast D$」のオペランド数の制限に合致するように式を表現することがポイントであり、定数に分数や負の数を含めることで表現の幅が広がる。
答え
(i)
$a_n = n + 1$ $a_n = -2 \div n + 4$ $a_n = \frac{1}{3} \times n \times n + \frac{5}{3}$
(ii)
$a_n = 2^n \div 2 + 1$ $a_n = 3^n \div 6 + \frac{3}{2}$ $a_n = (-1)^n \div 2 + \frac{5}{2}$
(※上記は一例であり、指定された条件と形を満たし、かつ互いに異なる数列となるものであれば正解となる)
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