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京都大学 1984年 文系 第4問 解説

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京都大学 1984年 文系 第4問 解説

方針・初手

条件(ロ)から $g(x)$ を積分して求め、さらに条件(イ)、(ハ)を用いて積分定数と定数 $a$ を決定する。 $f(x)$ と $g(x)$ が求まった後、交点の個数を求める方程式 $f(x) = g(x) + k$ を解く。このとき、まともに $x$ の4次方程式を扱うのではなく、$t = g(x)$ とおいて $t$ についての2次方程式の実数解の個数を調べ、そこから $x$ の個数に翻訳する(変数変換)手法が効果的である。

解法1

条件(ロ)より、$g'(x) = x + 1$ であるから、両辺を積分して

$$ g(x) = \frac{1}{2}x^2 + x + C \quad \text{($C$ は積分定数)} $$

とおける。 条件(イ)より、$f(x) = \{g(x)\}^2 + a$ である。これに条件(ハ)の $f(-1) = 0$ および $f(1) = 0$ を適用する。

$$ g(-1) = \frac{1}{2}(-1)^2 + (-1) + C = C - \frac{1}{2} $$

$$ g(1) = \frac{1}{2}(1)^2 + 1 + C = C + \frac{3}{2} $$

であるから、

$$ f(-1) = \left(C - \frac{1}{2}\right)^2 + a = 0 \quad \cdots \text{①} $$

$$ f(1) = \left(C + \frac{3}{2}\right)^2 + a = 0 \quad \cdots \text{②} $$

①と②より、

$$ \left(C - \frac{1}{2}\right)^2 = \left(C + \frac{3}{2}\right)^2 $$

$$ C^2 - C + \frac{1}{4} = C^2 + 3C + \frac{9}{4} $$

$$ -4C = 2 \iff C = -\frac{1}{2} $$

これを①に代入して、

$$ \left(-\frac{1}{2} - \frac{1}{2}\right)^2 + a = 0 \iff (-1)^2 + a = 0 \iff a = -1 $$

したがって、$g(x)$ と $f(x)$ は次のように定まる。

$$ g(x) = \frac{1}{2}x^2 + x - \frac{1}{2} = \frac{1}{2}(x+1)^2 - 1 $$

$$ f(x) = \{g(x)\}^2 - 1 $$

求める交点の個数は、方程式 $f(x) = g(x) + k$ の実数解 $x$ の個数に等しい。 ここで、$t = g(x)$ とおく。$t = \frac{1}{2}(x+1)^2 - 1$ であるから、$x$ が実数全体を動くとき、$t$ のとりうる値の範囲は $t \geqq -1$ である。 また、$t$ と $x$ の対応関係は次のようになる。

方程式 $f(x) = g(x) + k$ を $t$ を用いて表すと、

$$ t^2 - 1 = t + k $$

$$ t^2 - t - 1 = k $$

となる。したがって、交点の個数は、関数 $h(t) = t^2 - t - 1 \ (t \geqq -1)$ のグラフと直線 $y = k$ の共有点について、それぞれの $t$ 座標に対応する $x$ の個数の総和として求められる。

$$ h(t) = \left(t - \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{5}{4} $$

より、$y = h(t)$ のグラフは頂点が $\left(\frac{1}{2}, -\frac{5}{4}\right)$ の放物線の一部である。 定義域 $t \geqq -1$ の端点における値は $h(-1) = (-1)^2 - (-1) - 1 = 1$ である。

$y = h(t) \ (t \geqq -1)$ と $y = k$ のグラフの共有点を調べると、

(i)

$k < -\dfrac{5}{4}$ のとき

共有点はない。よって $x$ は0個。

(ii)

$k = -\dfrac{5}{4}$ のとき

共有点は $t = \frac{1}{2}$ の1つである。$t > -1$ を満たすので、対応する $x$ は2個。

(iii)

$-\dfrac{5}{4} < k < 1$ のとき

共有点は $-1 < t < \frac{1}{2}$ と $\frac{1}{2} < t$ の範囲に1つずつ(計2つ)存在する。どちらも $t > -1$ を満たすので、それぞれに対して $x$ が2個ずつ存在し、計 $2+2=4$ 個。

(iv)

$k = 1$ のとき

共有点は $t = -1$ と $t = 2$ の2つである。$t = -1$ に対して $x$ は1個、$t = 2 (> -1)$ に対して $x$ は2個存在し、計 $1+2=3$ 個。

(v)

$k > 1$ のとき

共有点は $t > 2$ の範囲に1つ存在する。$t > -1$ を満たすので、対応する $x$ は2個。

解説

微積分と方程式の解の個数を絡めた標準的な問題である。 前半は条件式から関数を特定するパズルで、素直に計算すれば求まる。 後半の $x$ の4次方程式を解くにあたって、問題文の $f(x) = \{g(x)\}^2 + a$ という形自体が「$g(x)$ をひとかたまりの文字 $t$ と置いて考えよ」という強い誘導になっている。 この「置き換え」をした場合、$t$ の実数解の個数と元の変数 $x$ の実数解の個数が必ずしも $1:1$ に対応しない点に注意が必要である。放物線 $t = g(x)$ のグラフを思い浮かべ、$t$ の値に応じて $x$ が何個存在するかを丁寧に場合分けして数え上げるのがポイントである。

答え

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