京都大学 1992年 文系 第1問 解説

方針・初手
(1) は円の方程式と直線の方程式を連立させて解くのみの基本的な計算問題である。 (2) は $\max\{A, B\}$ を含む不等式の処理が問われている。場合分けをして絶対値を外すように処理してもよいが、「$\max\{A, B\} \leqq k \iff A \leqq k$ かつ $B \leqq k$」「$\max\{A, B\} \geqq k \iff A \geqq k$ または $B \geqq k$」という論理式の同値変形を用いると、非常に見通しよく領域を求めることができる。
解法1
(1) 直線 $x+y=2$ より $y=2-x$。これを円の方程式 $x^2+y^2=5$ に代入する。
$$ x^2 + (2-x)^2 = 5 $$
$$ x^2 + 4 - 4x + x^2 = 5 $$
$$ 2x^2 - 4x - 1 = 0 $$
これを解くと、
$$ x = \frac{-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 - 2 \cdot (-1)}}{2} = \frac{2 \pm \sqrt{6}}{2} $$
$y = 2-x$ に代入して $y$ 座標を求める。 $x = \frac{2+\sqrt{6}}{2}$ のとき、$y = 2 - \frac{2+\sqrt{6}}{2} = \frac{2-\sqrt{6}}{2}$ $x = \frac{2-\sqrt{6}}{2}$ のとき、$y = 2 - \frac{2-\sqrt{6}}{2} = \frac{2+\sqrt{6}}{2}$
したがって、求める交点の座標は
$$ \left( \frac{2+\sqrt{6}}{2}, \frac{2-\sqrt{6}}{2} \right), \ \left( \frac{2-\sqrt{6}}{2}, \frac{2+\sqrt{6}}{2} \right) $$
(2) 与えられた不等式 $1 \leqq \max\{4x+4y-3, x^2+y^2\} \leqq 5$ は、次の2つの条件 (A), (B) を同時に満たすことと同値である。
(A)
$\max\{4x+4y-3, x^2+y^2\} \leqq 5$ (B)
$\max\{4x+4y-3, x^2+y^2\} \geqq 1$
条件 (A) について、2つの値のうち大きい方が $5$ 以下であるということは、両方とも $5$ 以下であることと同値である。
$$ 4x+4y-3 \leqq 5 \quad \text{かつ} \quad x^2+y^2 \leqq 5 $$
すなわち、
$$ x+y \leqq 2 \quad \text{かつ} \quad x^2+y^2 \leqq 5 $$
条件 (B) について、2つの値のうち大きい方が $1$ 以上であるということは、少なくとも一方が $1$ 以上であることと同値である。
$$ 4x+4y-3 \geqq 1 \quad \text{または} \quad x^2+y^2 \geqq 1 $$
すなわち、
$$ x+y \geqq 1 \quad \text{または} \quad x^2+y^2 \geqq 1 $$
求める領域は、これら (A) と (B) の共通部分である。 ここで、(B) の条件を満たさない(否定の)領域を考えると分かりやすい。(B) の否定はド・モルガンの法則より、
$$ x+y < 1 \quad \text{かつ} \quad x^2+y^2 < 1 $$
となる。 したがって、求める領域は「(A) の領域から、(B) の否定の領域を除いた部分」として図示できる。
外側の境界をなす図形:
- 円 $C_2: x^2+y^2 = 5$
- 直線 $l_2: x+y = 2$ (1)より、これらは2点 $\left( \frac{2+\sqrt{6}}{2}, \frac{2-\sqrt{6}}{2} \right), \left( \frac{2-\sqrt{6}}{2}, \frac{2+\sqrt{6}}{2} \right)$ で交わる。
内側の境界をなす図形:
- 円 $C_1: x^2+y^2 = 1$
- 直線 $l_1: x+y = 1$ これらを連立させると $x^2+(1-x)^2=1 \implies 2x(x-1)=0$ より、交点は $(1, 0), (0, 1)$ である。
図示する領域の特徴: 全体として、円 $C_2$ の内部(境界含む)かつ 直線 $l_2$ の左下(境界含む)の領域から、円 $C_1$ の内部(境界含まず)かつ 直線 $l_1$ の左下(境界含まず)の部分をくり抜いた形となる。境界線はすべて含む。
解説
(2) は $\max$ 関数の定義に従って $4x+4y-3 \geqq x^2+y^2$ と $4x+4y-3 < x^2+y^2$ の場合分けを行っても解くことができる。その場合、円と直線の共通弦の方程式が境界として現れるが、計算量が多くなり図示の難易度も上がる。本解答のように論理式の同値変形を駆使することで、(1) の誘導を綺麗に回収しつつ、ミスなく短時間で処理することができる。
答え
(1)
$\left( \frac{2+\sqrt{6}}{2}, \frac{2-\sqrt{6}}{2} \right), \ \left( \frac{2-\sqrt{6}}{2}, \frac{2+\sqrt{6}}{2} \right)$
(2)
領域は、「円 $x^2+y^2=5$ の内部かつ直線 $x+y=2$ の原点側を含む半平面の共通部分」から、「円 $x^2+y^2=1$ の内部かつ直線 $x+y=1$ の原点側を含む半平面の共通部分」を除いた部分。境界線はすべて含む。(図示略)
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