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東北大学 1978年 文系 第3問 解説

数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/場合分け
東北大学 1978年 文系 第3問 解説

方針・初手

不動点の定義 $f(x)=x$ に従い、方程式を立てて整理する。分数方程式であるため、分母が $0$ にならないこと(定義域の条件)に注意する。「絶対値が等しく符号が反対な2個の不動点」という条件は、整理された2次方程式が「和が $0$、積が負」となる2つの実数解をもつことと同値であるため、解と係数の関係を利用する。グラフの図示については、求めた条件のもとで分数関数を基本形に変形し、定数 $a$ の値によってグラフの形状が変わることに注意して場合分けを行う。

解法1

$f(x)$ の定義域は分母が $0$ にならない範囲であるため、$x \neq -b$ である。 不動点の条件 $f(x) = x$ より、

$$ \frac{2x+a}{x+b} = x $$

両辺に $x+b$ を掛けて整理すると、

$$ 2x+a = x^2+bx $$

$$ x^2 + (b-2)x - a = 0 \quad \cdots (1) $$

$f(x)$ が「絶対値が等しく符号が反対な、2個の不動点をもつ」ための必要十分条件は、2次方程式 $(1)$ が $x \neq -b$ の範囲で、絶対値が等しく符号が異なる2つの実数解 $\pm \alpha$ ($\alpha > 0$)をもつことである。

解と係数の関係より、2解の和と積について以下の条件が成り立つ。

$$ \begin{cases} \alpha + (-\alpha) = -(b-2) \\ \alpha \cdot (-\alpha) = -a \end{cases} $$

これを解くと、

$$ \begin{cases} b - 2 = 0 \\ - \alpha^2 = -a \end{cases} $$

第1式より $b = 2$ である。 第2式より $a = \alpha^2$ であり、$\alpha > 0$ より $a > 0$ が必要である。

また、これら2つの解が分母を $0$ にしない条件、すなわち $x \neq -b$ を満たす必要がある。 $b = 2$ であるから、$x \neq -2$ である。 方程式 $(1)$ は $x^2 - a = 0$ となるが、$x = -2$ がこの方程式の解にならないための条件は、

$$ (-2)^2 - a \neq 0 $$

$$ a \neq 4 $$

以上より、求める必要十分条件は、

$$ b = 2 \quad \text{かつ} \quad a > 0 \quad \text{かつ} \quad a \neq 4 $$

次に、$b=2$ のときの $y=f(x)$ のグラフと $y=x$ のグラフの関係について考える。 関数 $f(x)$ は次のように変形できる。

$$ f(x) = \frac{2x+a}{x+2} = \frac{2(x+2) + a - 4}{x+2} = \frac{a-4}{x+2} + 2 $$

したがって、$y=f(x)$ のグラフは、漸近線が $x = -2$ および $y = 2$ の直角双曲線である。 また、$y=f(x)$ と $y=x$ の交点は、$(1)$ に $b=2$ を代入した方程式 $x^2 - a = 0$ の解 $x = \pm \sqrt{a}$ に対応し、交点の座標は $(-\sqrt{a}, -\sqrt{a})$ および $(\sqrt{a}, \sqrt{a})$ となる。

グラフの形状は分子 $a-4$ の符号によって異なるため、以下の2つの場合に分けて図示する(実際の解答ではこれらに基づきグラフを描画する)。

(i) $a > 4$ のとき

$a-4 > 0$ であるから、双曲線は漸近線 $x=-2, y=2$ を基準として右上と左下の領域に存在する。 $a > 4$ より $\sqrt{a} > 2$ であるため、$y=x$ との交点の $x$ 座標は $x < -2$ および $x > 2$ の範囲にある。

(ii) $0 < a < 4$ のとき

$a-4 < 0$ であるから、双曲線は漸近線 $x=-2, y=2$ を基準として左上と右下の領域に存在する。 $0 < a < 4$ より $0 < \sqrt{a} < 2$ であるため、$y=x$ との交点の $x$ 座標は $-2 < x < 0$ および $0 < x < 2$ の範囲にある。

解説

分数関数の不動点($f(x)=x$ となる点)を求める基本問題である。 分母を払って2次方程式に帰着させるが、「分母が $0$ にならない($x \neq -b$)」という定義域の条件を忘れないことが最大のポイントである。本問のように解の条件が与えられている場合、定義域の除外点が「無縁解」として紛れ込まないかを必ず確認する必要がある。 また、後半のグラフの図示においては、求めた条件 $a>0, a \neq 4$ によって分数関数の分子 $a-4$ の符号が変わることに気づき、場合分けしてグラフの概形を捉える力が問われている。

答え

必要十分条件は、

$$ b = 2 \quad \text{かつ} \quad a > 0 \quad \text{かつ} \quad a \neq 4 $$

グラフの関係は、$y=f(x)$ が漸近線 $x = -2, y = 2$ の直角双曲線であり、$y=x$ と $(-\sqrt{a}, -\sqrt{a}), (\sqrt{a}, \sqrt{a})$ で交わる。以下の2つの場合について図示する。 ・$a > 4$ のとき:漸近線の右上・左下の領域に描かれ、交点の $x$ 座標はそれぞれ $x < -2, x > 2$ となる。 ・$0 < a < 4$ のとき:漸近線の左上・右下の領域に描かれ、交点の $x$ 座標はそれぞれ $-2 < x < 0, 0 < x < 2$ となる。

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