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北海道大学 1982年 文系 第2問 解説

数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/場合分け
北海道大学 1982年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) は絶対値の定義に従って場合分けを行い、領域を図示する基本的な問題である。

(2) は $x, y$ がそれぞれ $X, -Y$ の和と積で表されていることに着目し、解と係数の関係を用いて $X, -Y$ を実数解にもつ2次方程式を考える。その2次方程式が実数解をもつ条件(判別式)と、(1) の条件を連立して $x, y$ の条件を導出する。

解法1

(1)

与えられた不等式は以下の通りである。

$$|X| + |Y| \leqq 2$$

$X, Y$ の符号によって場合分けを行う。

(i) $X \geqq 0, Y \geqq 0$ のとき

$$X + Y \leqq 2 \implies Y \leqq -X + 2$$

(ii) $X < 0, Y \geqq 0$ のとき

$$-X + Y \leqq 2 \implies Y \leqq X + 2$$

(iii) $X \geqq 0, Y < 0$ のとき

$$X - Y \leqq 2 \implies Y \geqq X - 2$$

(iv) $X < 0, Y < 0$ のとき

$$-X - Y \leqq 2 \implies Y \geqq -X - 2$$

これらを図示すると、4点 $(2, 0), (0, 2), (-2, 0), (0, -2)$ を頂点とする正方形の周および内部となる。

(2)

与えられた条件 $x = X - Y, y = XY$ より、次のように変形できる。

$$x = X + (-Y)$$

$$-y = X \cdot (-Y)$$

これは、$X$ と $-Y$ の和が $x$、積が $-y$ であることを示している。したがって、解と係数の関係より、$X$ と $-Y$ は $t$ についての2次方程式

$$t^2 - xt - y = 0$$

の2つの解である。$X, Y$ は実数であるから、この2次方程式は実数解をもつ。そのための条件は、判別式を $D$ とすると $D \geqq 0$ であることである。

$$D = (-x)^2 - 4 \cdot 1 \cdot (-y) = x^2 + 4y \geqq 0$$

$$y \geqq -\frac{1}{4}x^2 \cdots \text{①}$$

次に、点 $P(X, Y)$ が (1) の範囲を動くための条件を考える。

$$|X| + |Y| \leqq 2$$

ここで $|Y| = |-Y|$ であるから、次のように書ける。

$$|X| + |-Y| \leqq 2$$

両辺ともに0以上であるから、両辺を2乗して同値変形を行う。

$$(|X| + |-Y|)^2 \leqq 4$$

$$|X|^2 + 2|X||-Y| + |-Y|^2 \leqq 4$$

$$X^2 + 2|-XY| + Y^2 \leqq 4$$

ここで、$X^2 + Y^2$ は次のように表される。

$$X^2 + Y^2 = (X + (-Y))^2 - 2X(-Y) = x^2 - 2(-y) = x^2 + 2y$$

また、$-XY = -y$ であるから、これらを代入する。

$$(x^2 + 2y) + 2|-y| \leqq 4$$

$$x^2 + 2y + 2|y| \leqq 4 \cdots \text{②}$$

点 $Q(x, y)$ の動く範囲は、① かつ ② を満たす領域である。② について、$y$ の符号で場合分けして絶対値を外す。

(i) $y \geqq 0$ のとき

$|y| = y$ であるから、② は以下のようになる。

$$x^2 + 2y + 2y \leqq 4$$

$$x^2 + 4y \leqq 4$$

$$y \leqq -\frac{1}{4}x^2 + 1$$

このとき、① の $y \geqq -\frac{1}{4}x^2$ は、$y \geqq 0$ であれば $-\frac{1}{4}x^2 \leqq 0 \leqq y$ となり常に成り立つ。したがって、この場合の条件は次のようになる。

$$0 \leqq y \leqq -\frac{1}{4}x^2 + 1$$

なお、$y \geqq 0$ となるためには $0 \leqq -\frac{1}{4}x^2 + 1$ すなわち $x^2 \leqq 4$ を満たす必要があり、このとき $-2 \leqq x \leqq 2$ である。

(ii) $y < 0$ のとき

$|y| = -y$ であるから、② は以下のようになる。

$$x^2 + 2y - 2y \leqq 4$$

$$x^2 \leqq 4$$

$$-2 \leqq x \leqq 2$$

これと ①、および $y < 0$ をあわせて、この場合の条件は次のようになる。

$$-\frac{1}{4}x^2 \leqq y < 0 \quad (-2 \leqq x \leqq 2)$$

以上 (i), (ii) より、求める領域は $x$ の変域が $-2 \leqq x \leqq 2$ であり、放物線 $y = -\frac{1}{4}x^2$ と $y = -\frac{1}{4}x^2 + 1$ に挟まれた部分となる。

解説

対称式・交代式に関する軌跡・領域の標準的な問題である。(2) において、$X+Y$ と $XY$ が与えられたならば $X, Y$ を解にもつ2次方程式を作るのが定石だが、今回は $x = X-Y$ となっている。そこで $X$ と $-Y$ の和と積とみなす工夫が必要になる。

また、絶対値のついた条件式 $|X| + |Y| \leqq 2$ を $x, y$ の式で表す際に、両辺が非負であることを確認したうえで2乗し、$X^2 + Y^2$ と $|XY|$ の形を作り出すのが最も簡潔な処理である。

答え

(1) 4点 $(2, 0), (0, 2), (-2, 0), (0, -2)$ を頂点とする正方形の周および内部。

(2) 不等式 $-2 \leqq x \leqq 2$ かつ $-\frac{1}{4}x^2 \leqq y \leqq -\frac{1}{4}x^2 + 1$ が表す領域。境界線を含む。

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