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名古屋大学 1978年 文系 第4問 解説

数学2/図形と式数学1/二次関数数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/図形総合
名古屋大学 1978年 文系 第4問 解説

方針・初手

頂点が放物線 $y = x^2$ 上にあることから、頂点の座標をパラメータ $t$ を用いて $(t, t^2)$ とおく。 平行移動後の放物線の方程式を立て、ある点 $(x, y)$ を通るような実数 $t$ が存在しない条件を求める。 パラメータ $t$ の方程式とみる「逆像法(逆手流)」か、文字 $x$ を固定して $y$ のとりうる範囲を調べる「順像法(ファクシミリの原理)」のいずれかを用いる。

解法1

頂点が放物線 $y = x^2$ 上にあるので、その座標を $(t, t^2)$ とおく($t$ は実数)。 このとき、放物線 $y = -\frac{1}{3}x^2$ を平行移動して得られる放物線の方程式は、

$$ y = -\frac{1}{3}(x - t)^2 + t^2 $$

となる。右辺を展開して整理すると、

$$ y = -\frac{1}{3}(x^2 - 2tx + t^2) + t^2 $$

$$ y = -\frac{1}{3}x^2 + \frac{2}{3}tx + \frac{2}{3}t^2 $$

両辺に $3$ を掛けて $t$ について整理すると、

$$ 2t^2 + 2xt - x^2 - 3y = 0 $$

となる。 点 $(x, y)$ が「どの放物線も通らない」ための条件は、この $t$ についての2次方程式が実数解を持たないことである。 この方程式の判別式を $D$ とすると、$D < 0$ となればよいので、

$$ \frac{D}{4} = x^2 - 2(-x^2 - 3y) < 0 $$

$$ x^2 + 2x^2 + 6y < 0 $$

$$ 3x^2 + 6y < 0 $$

$$ y < -\frac{1}{2}x^2 $$

これが求める範囲である。

解法2

頂点を $(t, t^2)$ とおくところまでは解法1と同じである。 放物線の方程式を $y$ について整理すると、

$$ y = \frac{2}{3}t^2 + \frac{2}{3}xt - \frac{1}{3}x^2 $$

となる。 ここで、$x$ を任意の定数として固定し、$t$ がすべての実数値を動くときの $y$ のとりうる値の範囲を考える。 上式を $t$ の2次関数とみて平方完成すると、

$$ y = \frac{2}{3}\left(t^2 + xt\right) - \frac{1}{3}x^2 $$

$$ y = \frac{2}{3}\left(t + \frac{x}{2}\right)^2 - \frac{2}{3} \cdot \frac{x^2}{4} - \frac{1}{3}x^2 $$

$$ y = \frac{2}{3}\left(t + \frac{x}{2}\right)^2 - \frac{1}{2}x^2 $$

となる。 $t$ はすべての実数値をとるので、$\left(t + \frac{x}{2}\right)^2 \geqq 0$ である。 したがって、$y$ のとりうる値の範囲は、

$$ y \geqq -\frac{1}{2}x^2 $$

となる。これが、平行移動して得られる放物線が通過する領域である。 求めるものは「どの放物線も通らない範囲」であるから、通過する領域の補集合をとって、

$$ y < -\frac{1}{2}x^2 $$

となる。

解説

図形が通過する領域(または通過しない領域)を求める典型問題である。 解法1のようにパラメータ $t$ の方程式が実数解を持つ条件(逆手流)で考えるか、解法2のように変数 $x$ を固定して $y$ の値域を求める方法(ファクシミリの原理)のどちらかを選択するのが基本である。 本問では、パラメータ $t$ についても2次式であり、平方完成も容易であるため、どちらの方針でもスムーズに解答できる。

答え

求める範囲の不等式は

$$ y < -\frac{1}{2}x^2 $$

である。

図示する場合の領域は、放物線 $y = -\frac{1}{2}x^2$ の下側の領域となる。 ただし、境界線(放物線 $y = -\frac{1}{2}x^2$ 上)は含まない。

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