京都大学 2003年 文系 第3問 解説

方針・初手
四面体の辺の直交条件 (i) は、ベクトルを用いて「内積が $0$」と言い換えるのが定石です。頂点 $O$ を始点とするベクトル $\overrightarrow{OA}, \overrightarrow{OB}, \overrightarrow{OC}$ を設定し、内積の条件と面積の公式から、すべての辺の長さが等しいことを導きます。
解法
$\vec{a} = \overrightarrow{OA},\; \vec{b} = \overrightarrow{OB},\; \vec{c} = \overrightarrow{OC}$ とおく。条件 (i) より $OA \perp BC$, $OB \perp AC$, $OC \perp AB$ であるから
$$\begin{cases} \vec{a} \cdot (\vec{c} - \vec{b}) = 0 \\ \vec{b} \cdot (\vec{c} - \vec{a}) = 0 \\ \vec{c} \cdot (\vec{b} - \vec{a}) = 0 \end{cases} \iff \begin{cases} \vec{a} \cdot \vec{c} = \vec{a} \cdot \vec{b} \\ \vec{b} \cdot \vec{c} = \vec{a} \cdot \vec{b} \\ \vec{b} \cdot \vec{c} = \vec{c} \cdot \vec{a} \end{cases}$$
これより $\vec{a} \cdot \vec{b} = \vec{b} \cdot \vec{c} = \vec{c} \cdot \vec{a}$ である。この値を $k$ とおく。
次に、条件 (ii) について考える。四面体の $4$ つの面の面積が等しいため、特に $\triangle OAB = \triangle OBC = \triangle OCA$ が成り立つ。三角形の面積の公式より
$$\begin{aligned} (\triangle OAB)^2 &= \frac{1}{4}\left(|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2 - k^2\right) \\ (\triangle OBC)^2 &= \frac{1}{4}\left(|\vec{b}|^2|\vec{c}|^2 - k^2\right) \\ (\triangle OCA)^2 &= \frac{1}{4}\left(|\vec{c}|^2|\vec{a}|^2 - k^2\right) \end{aligned}$$
これらがすべて等しいことから $|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2 = |\vec{b}|^2|\vec{c}|^2 = |\vec{c}|^2|\vec{a}|^2$ が成り立ち、$|\vec{a}|,|\vec{b}|,|\vec{c}| > 0$ より
$$ |\vec{a}| = |\vec{b}| = |\vec{c}| = r \quad (r > 0) $$
を得る。続いて底面 $\triangle ABC$ の辺の長さを求める。
$$\begin{aligned} AB^2 &= |\vec{b} - \vec{a}|^2 = 2r^2 - 2k \\ BC^2 &= |\vec{c} - \vec{b}|^2 = 2r^2 - 2k \\ CA^2 &= |\vec{a} - \vec{c}|^2 = 2r^2 - 2k \end{aligned}$$
よって $AB = BC = CA$ であり、$\triangle ABC$ は $1$ 辺の長さが $\sqrt{2(r^2-k)}$ の正三角形である。辺の長さは正であるから $r^2 > k$。$\triangle ABC$ の面積は
$$ \triangle ABC = \frac{\sqrt{3}}{2}(r^2 - k) $$
条件 (ii) より $\triangle OAB = \triangle ABC$ であるから
$$ \frac{1}{2}\sqrt{r^4 - k^2} = \frac{\sqrt{3}}{2}(r^2 - k) $$
両辺は正であるため $2$ 乗しても同値。展開して整理すると
$$\begin{aligned} r^4 - k^2 &= 3(r^4 - 2r^2k + k^2) \\ 2r^4 - 6r^2k + 4k^2 &= 0 \\ (r^2 - k)(r^2 - 2k) &= 0 \end{aligned}$$
$r^2 > k$ より $r^2 - k \neq 0$ であるため $k = \dfrac{1}{2}r^2$ が導かれる。これを代入すると
$$ OA^2 = OB^2 = OC^2 = r^2 $$
$$ AB^2 = BC^2 = CA^2 = 2r^2 - r^2 = r^2 $$
ゆえに $OA=OB=OC=AB=BC=CA=r$ となり、四面体 $OABC$ の $6$ 辺がすべて等しい。したがって四面体 $OABC$ は正四面体である。
解説
空間図形の条件をベクトルに翻訳して処理する典型的な問題です。直交条件から $\vec{a}\cdot\vec{b} = \vec{b}\cdot\vec{c} = \vec{c}\cdot\vec{a}$ を導き、面積の式に適用することで対称性を生かして計算量を減らすことができます。途中、$r^2 - k > 0$ という辺の長さの条件から解を絞り込む部分は、論理の飛躍がないように丁寧に記述する必要があります。
答え
略(解法1の証明を参照)
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