京都大学 2012年 文系 第1問 解説

方針・初手
(1) 2つの曲線の交点を求め、積分区間と上下関係を把握する。被積分関数が偶関数であることを利用して計算を簡略化する。
(2) 確率の基本原則「同じものも区別して考える」に従い、$2n$ 枚の札をすべて区別して全事象を数える。条件 $X_1 < X_2 < X_3$ から、3枚の札の「番号」がすべて異なっていなければならないことに着目し、組み合わせを用いて条件を満たす事象の数を数え上げる。
解法1
(1)
2つの曲線の交点の $x$ 座標は、方程式 $x^4 = x^2+2$ の実数解である。
$$ x^4 - x^2 - 2 = 0 $$
$$ (x^2 - 2)(x^2 + 1) = 0 $$
$x$ は実数であるから $x^2 + 1 > 0$ であり、$x^2 = 2 \implies x = \pm\sqrt{2}$
したがって、積分区間は $-\sqrt{2} \leqq x \leqq \sqrt{2}$ である。この区間において、例えば $x=0$ を代入すると $x^2+2 = 2$、$x^4 = 0$ となり、$x^2+2 \geqq x^4$ であるため、$y = x^2+2$ が上側となる。
求める面積 $S$ は
$$ S = \int_{-\sqrt{2}}^{\sqrt{2}} (x^2+2 - x^4)\, dx $$
被積分関数は偶関数であるから、
$$ S = 2 \int_{0}^{\sqrt{2}} (-x^4 + x^2 + 2)\, dx $$
$$ = 2 \left[ -\frac{x^5}{5} + \frac{x^3}{3} + 2x \right]_0^{\sqrt{2}} $$
$$ = 2 \left( -\frac{4\sqrt{2}}{5} + \frac{2\sqrt{2}}{3} + 2\sqrt{2} \right) $$
$$ = 2\sqrt{2} \left( -\frac{4}{5} + \frac{2}{3} + 2 \right) = 2\sqrt{2} \left( \frac{-12 + 10 + 30}{15} \right) $$
$$ = 2\sqrt{2} \cdot \frac{28}{15} = \frac{56\sqrt{2}}{15} $$
(2)
確率は、同じ番号の札であっても異なる組のものは別のものとして、全 $2n$ 枚を区別して考える。
$2n$ 枚の札から順番に3枚を取り出す出方の総数(全事象)は、
$$ {}_{2n}\mathrm{P}_3 = 2n(2n-1)(2n-2) = 4n(2n-1)(n-1) \quad (\text{通り}) $$
であり、これらは同様に確からしい。
次に、条件 $X_1 < X_2 < X_3$ を満たす札の取り出し方を数える。条件を満たすためには、取り出された3枚の札の番号がすべて異なっていなければならない。
$1$ から $n$ までの $n$ 種類の番号から、異なる3種類の番号を選ぶ選び方は
$$ {}_{n}\mathrm{C}_{3} = \frac{n(n-1)(n-2)}{6} \quad (\text{通り}) $$
選ばれた3種類の番号を小さい順に $a, b, c$ とすると、$X_1 < X_2 < X_3$ を満たすためには、1回目に番号 $a$、2回目に番号 $b$、3回目に番号 $c$ の札が取り出されなければならない(順番が1通りに確定する)。
それぞれの番号について、2つの組のどちらの札を取り出すかで2通りの選び方があるため、選ばれた番号の組合せ1つに対して、実際の札の取り出し方は
$$ 2 \times 2 \times 2 = 8 \quad (\text{通り}) $$
したがって、条件を満たす取り出し方の総数は
$$ {}_{n}\mathrm{C}_{3} \times 8 = \frac{n(n-1)(n-2)}{6} \times 8 = \frac{4n(n-1)(n-2)}{3} \quad (\text{通り}) $$
求める確率 $P$ は、これを全事象の数で割って
$$ P = \frac{\dfrac{4n(n-1)(n-2)}{3}}{4n(2n-1)(n-1)} $$
$n \geqq 3$ より $4n(n-1) \neq 0$ であるから、分子と分母をこれで約分すると、
$$ P = \frac{n-2}{3(2n-1)} $$
解説
(1) は面積計算の基本問題である。交点を正しく求め、偶関数の積分公式 $\int_{-a}^{a} f(x)\,dx = 2\int_{0}^{a} f(x)\,dx$ を用いることで、計算の手間を省き符号ミスを防ぐことができる。
(2) は確率の基本原則である「同じものも区別する」をしっかり守れているかを問う良問である。不等式 $X_1 < X_2 < X_3$ から「3枚の番号がすべて異なる」ことに気づき、さらに「異なる3つの番号を選べば、小・中・大の順番は自動的に1通りに決まるため、あとは組み合わせ ${}_{n}\mathrm{C}_{3}$ と各番号の札の選び方($2^3$ 通り)を掛け合わせればよい」と見抜くのがポイントとなる。
答え
(1)
$\dfrac{56\sqrt{2}}{15}$
(2)
$\dfrac{n-2}{3(2n-1)}$
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