京都大学 1968年 理系 第6問 解説

方針・初手
与えられた等式の左辺は定積分を含む $x$ の関数である。まずこの積分を実行し、$y$ を $x$ の明示的な式として表すことを目指す。
$y$ が $x$ の増加関数であることを示すには、導関数 $\frac{dy}{dx}$ が正であることを示すか、あるいは $y = f(x)$ と表した際に $f(x)$ が単調増加であることを直接確認すればよい。
最後に、得られた $y$ の式に対して $x \to 1$ の極限を計算する。その際、不定形の解消が必要になる場合は、公式や近似(マクローリン展開など)の考え方を用いる。
解法1
与えられた等式は以下の通りである。
$$ \frac{1}{x} \int_{0}^{x} \frac{dt}{\sqrt{1-t}} = \frac{1}{\sqrt{1-y}} \quad \cdots ① $$
まず、①の左辺の積分を計算する。
$$ \int_{0}^{x} \frac{dt}{\sqrt{1-t}} = \left[ -2\sqrt{1-t} \right]_{0}^{x} = -2\sqrt{1-x} - (-2\sqrt{1}) = 2(1 - \sqrt{1-x}) $$
これを①に代入すると、次のようになる。
$$ \frac{2(1 - \sqrt{1-x})}{x} = \frac{1}{\sqrt{1-y}} $$
ここで、$1-x = u^2$ (ただし $0 < u < 1$)とおくと、$x = 1 - u^2$ であり、左辺は次のように整理できる。
$$ \frac{2(1-u)}{1-u^2} = \frac{2(1-u)}{(1-u)(1+u)} = \frac{2}{1+u} = \frac{2}{1+\sqrt{1-x}} $$
したがって、
$$ \frac{2}{1+\sqrt{1-x}} = \frac{1}{\sqrt{1-y}} $$
両辺を逆数にして2乗すると、
$$ \begin{aligned} \sqrt{1-y} &= \frac{1+\sqrt{1-x}}{2} \\ 1-y &= \frac{(1+\sqrt{1-x})^2}{4} \\ y &= 1 - \frac{(1+\sqrt{1-x})^2}{4} \end{aligned} $$
これが $y$ を $x$ で表した式である。次に、$y$ が $x$ の増加関数であることを示す。 $0 < x < 1$ において、$x$ が増加すると $\sqrt{1-x}$ は減少する。 よって、$1+\sqrt{1-x}$ も減少し、その2乗である $(1+\sqrt{1-x})^2$ も減少する。 したがって、$- \frac{(1+\sqrt{1-x})^2}{4}$ は増加するため、$y$ は $x$ の増加関数である。
最後に、$\lim_{x \to 1} y$ を求める。
$$ \lim_{x \to 1} y = \lim_{x \to 1} \left\{ 1 - \frac{(1+\sqrt{1-x})^2}{4} \right\} $$
$x \to 1$ のとき $\sqrt{1-x} \to 0$ であるから、
$$ \lim_{x \to 1} y = 1 - \frac{(1+0)^2}{4} = 1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4} $$
解説
左辺の積分を計算してから、$x = 1 - (\sqrt{1-x})^2$ と見て整理すると式が簡潔になる。
増加関数の証明については、微分の計算を実行してもよいが、本解法のように合成関数の増減関係を順に追う方が計算ミスが少なく簡潔である。極限計算については、整理された式にそのまま代入するだけで不定形が解消されているため、平易に求められる。
答え
$y = 1 - \frac{(1+\sqrt{1-x})^2}{4}$ であり、$x$ が増加すると $\sqrt{1-x}$ が減少することから $y$ は $x$ の増加関数である。
また、極限値は
$$ \lim_{x \to 1} y = \frac{3}{4} $$
となる。
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