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京都大学 1981年 理系 第2問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形テーマ/空間図形テーマ/図形総合
京都大学 1981年 理系 第2問 解説

方針・初手

空間内の4点 $O, A, B, C$ が同一平面上にないことから、ベクトル $\overrightarrow{OA}, \overrightarrow{OB}, \overrightarrow{OC}$ を基底として各点の位置ベクトルを表すのが最も自然なアプローチだ。 四角形 $P_1P_2P_3P_4$ が平行四辺形になる条件は、向かい合う辺を表すベクトルが等しいこと、すなわち $\overrightarrow{P_1P_2} = \overrightarrow{P_4P_3}$ が成り立つことである。この式を基底ベクトルで表し、係数を比較することで (1) を示す。 (2) は平行四辺形の対角線の交点が2つの対角線の中点と一致することを利用し、その位置ベクトルが $OB$ の中点と $AC$ の中点を結ぶ線分上の点として表せることを示す。

解法1

点 $O$ を始点とし、$\vec{a} = \overrightarrow{OA}$, $\vec{b} = \overrightarrow{OB}$, $\vec{c} = \overrightarrow{OC}$ とおく。 4点 $O, A, B, C$ は同一平面上にないため、3つのベクトル $\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}$ は1次独立である。

(1) 与えられた内分比より、各点 $P_1, P_2, P_3, P_4$ の位置ベクトルは次のように表される。 点 $P_1$ は線分 $OA$ 上にあり、$|\overrightarrow{OP_1}| : |\overrightarrow{P_1A}| = k : (1-k)$ であるから、

$$ \overrightarrow{OP_1} = k\vec{a} $$

点 $P_2$ は線分 $AB$ 上にあり、$|\overrightarrow{AP_2}| : |\overrightarrow{P_2B}| = (1-l) : l$ であるから、

$$ \overrightarrow{OP_2} = \frac{l\vec{a} + (1-l)\vec{b}}{(1-l)+l} = l\vec{a} + (1-l)\vec{b} $$

点 $P_3$ は線分 $BC$ 上にあり、$|\overrightarrow{BP_3}| : |\overrightarrow{P_3C}| = m : (1-m)$ であるから、

$$ \overrightarrow{OP_3} = \frac{(1-m)\vec{b} + m\vec{c}}{m+(1-m)} = (1-m)\vec{b} + m\vec{c} $$

点 $P_4$ は線分 $CO$ 上にあり、$|\overrightarrow{CP_4}| : |\overrightarrow{P_4O}| = (1-n) : n$ であるから、

$$ \overrightarrow{OP_4} = \frac{n\vec{c} + (1-n)\vec{0}}{(1-n)+n} = n\vec{c} $$

四角形 $P_1P_2P_3P_4$ が平行四辺形をなすための条件は、$\overrightarrow{P_1P_2} = \overrightarrow{P_4P_3}$ が成り立つことである。 それぞれベクトルを計算すると、

$$ \overrightarrow{P_1P_2} = \overrightarrow{OP_2} - \overrightarrow{OP_1} = (l\vec{a} + (1-l)\vec{b}) - k\vec{a} = (l-k)\vec{a} + (1-l)\vec{b} $$

$$ \overrightarrow{P_4P_3} = \overrightarrow{OP_3} - \overrightarrow{OP_4} = ((1-m)\vec{b} + m\vec{c}) - n\vec{c} = (1-m)\vec{b} + (m-n)\vec{c} $$

これらが等しいので、

$$ (l-k)\vec{a} + (1-l)\vec{b} = (1-m)\vec{b} + (m-n)\vec{c} $$

$$ (l-k)\vec{a} + (m-l)\vec{b} - (m-n)\vec{c} = \vec{0} $$

$\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}$ は1次独立であるから、各ベクトルの係数はすべて $0$ となる。

$$ \begin{cases} l - k = 0 \\ m - l = 0 \\ -(m - n) = 0 \end{cases} $$

これより、$k = l = m = n$ が導かれる。

(2) 平行四辺形 $P_1P_2P_3P_4$ の対角線 $P_1P_3$ と $P_2P_4$ の交点を $M$ とすると、$M$ は対角線の中点であるから、その位置ベクトル $\overrightarrow{OM}$ は

$$ \overrightarrow{OM} = \frac{\overrightarrow{OP_1} + \overrightarrow{OP_3}}{2} $$

と表される。ここに (1) の結果 $k=l=m=n$ を用いて $\overrightarrow{OP_1}$ と $\overrightarrow{OP_3}$ を代入すると、

$$ \overrightarrow{OM} = \frac{k\vec{a} + (1-k)\vec{b} + k\vec{c}}{2} = k \left( \frac{\vec{a}+\vec{c}}{2} \right) + (1-k) \left( \frac{\vec{b}}{2} \right) $$

ここで、線分 $AC$ の中点を $S$、線分 $OB$ の中点を $T$ とおくと、それぞれの位置ベクトルは

$$ \overrightarrow{OS} = \frac{\vec{a}+\vec{c}}{2}, \quad \overrightarrow{OT} = \frac{\vec{b}}{2} $$

となる。これを $\overrightarrow{OM}$ の式に代入すると、

$$ \overrightarrow{OM} = k \overrightarrow{OS} + (1-k) \overrightarrow{OT} $$

点 $P_1$ は線分 $OA$ 上にあるため $0 \leqq k \leqq 1$ である。 この式は、点 $M$ が線分 $TS$(すなわち線分 $OB$ の中点と線分 $AC$ の中点を結ぶ線分)を $k : (1-k)$ に内分する点であることを示している。 よって、対角線の交点 $M$ は線分 $OB, AC$ のそれぞれの中点を結ぶ線分上にあることが示された。

解説

空間ベクトルの1次独立性と、図形の条件(平行四辺形、線分上の点、中点)をベクトルの方程式に翻訳する標準的で良問である。 空間内の任意の点は1次独立な3つのベクトルの線形結合で一意に表せるという性質(係数比較)が (1) の要である。 (2) は、得られた交点のベクトル $\overrightarrow{OM}$ の式をじっと見て、「和が1になる係数」と「既知の点の中点ベクトル」を意図的に作り出す(式変形する)発想が求められる。

答え

(1)

略(解法1の証明を参照)

(2)

略(解法1の証明を参照)

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