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京都大学 1981年 理系 第1問 解説

数学2/微分法数学1/二次関数数学2/図形と式テーマ/最大・最小
京都大学 1981年 理系 第1問 解説

方針・初手

点 $(4, 5)$ を通る直線を、傾き $m$ を用いて表す。放物線の方程式と連立させて、交点の $x$ 座標に関する2次方程式を導く。 交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ と置き、解と係数の関係を利用して線分 $PQ$ の長さの2乗($PQ^2$)を $m$ の関数として立式する。 その後、得られた $m$ の関数の最小値を、微分または式の変形によって求める。

解法1

点 $(4, 5)$ を通る直線が $y$ 軸と平行な直線 $x=4$ のとき、放物線 $y=\frac{1}{4}x^2$ との交点は $x=4, y=4$ の1点のみとなり、条件「2点 $P, Q$ で交わる」を満たさない。 したがって、点 $(4, 5)$ を通る直線の傾きを $m$ とおける。直線の方程式は

$$ y = m(x - 4) + 5 = mx - 4m + 5 $$

これと放物線 $y = \frac{1}{4}x^2$ を連立すると、

$$ \frac{1}{4}x^2 = mx - 4m + 5 $$

$$ x^2 - 4mx + 16m - 20 = 0 \quad \cdots \text{①} $$

方程式①の判別式を $D$ とすると、

$$ \frac{D}{4} = (-2m)^2 - (16m - 20) = 4m^2 - 16m + 20 = 4(m-2)^2 + 4 > 0 $$

となり、任意の $m$ に対して異なる2つの実数解をもつため、直線は常に放物線と2点で交わる。

①の2つの解を $\alpha, \beta$ とすると、解と係数の関係から

$$ \alpha + \beta = 4m $$

$$ \alpha\beta = 16m - 20 $$

点 $P, Q$ の $x$ 座標をそれぞれ $\alpha, \beta$ とすると、$P(\alpha, m\alpha - 4m + 5), Q(\beta, m\beta - 4m + 5)$ と表せる。 線分 $PQ$ の長さの2乗は、2点間の距離の公式より

$$ \begin{aligned} PQ^2 &= (\beta - \alpha)^2 + \{ (m\beta - 4m + 5) - (m\alpha - 4m + 5) \}^2 \\ &= (\beta - \alpha)^2 + m^2(\beta - \alpha)^2 \\ &= (1 + m^2)(\beta - \alpha)^2 \end{aligned} $$

ここで、

$$ \begin{aligned} (\beta - \alpha)^2 &= (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta \\ &= (4m)^2 - 4(16m - 20) \\ &= 16m^2 - 64m + 80 \\ &= 16(m^2 - 4m + 5) \end{aligned} $$

よって、

$$ \begin{aligned} PQ^2 &= 16(1 + m^2)(m^2 - 4m + 5) \\ &= 16(m^4 - 4m^3 + 5m^2 + m^2 - 4m + 5) \\ &= 16(m^4 - 4m^3 + 6m^2 - 4m + 5) \end{aligned} $$

$f(m) = m^4 - 4m^3 + 6m^2 - 4m + 5$ とおく。これを $m$ で微分すると

$$ \begin{aligned} f'(m) &= 4m^3 - 12m^2 + 12m - 4 \\ &= 4(m^3 - 3m^2 + 3m - 1) \\ &= 4(m - 1)^3 \end{aligned} $$

$f'(m) = 0$ となるのは $m = 1$ のときである。 $m < 1$ のとき $f'(m) < 0$、$m > 1$ のとき $f'(m) > 0$ となるため、$f(m)$ は $m = 1$ で極小かつ最小となる。

最小値は $f(1) = 1 - 4 + 6 - 4 + 5 = 4$ であり、このとき $PQ^2 = 16 \times 4 = 64$ となる。 $PQ > 0$ より $PQ = 8$ したがって、線分 $PQ$ の長さが最小となるような直線の傾きは $1$、そのときの長さは $8$ である。

解法2

$PQ^2 = 16(m^4 - 4m^3 + 6m^2 - 4m + 5)$ を導出するまでの手順は解法1と同様である。

カッコ内の式を次のように変形する。

$$ m^4 - 4m^3 + 6m^2 - 4m + 5 = (m^4 - 4m^3 + 6m^2 - 4m + 1) + 4 $$

二項定理の展開式 $(a-b)^4 = a^4 - 4a^3b + 6a^2b^2 - 4ab^3 + b^4$ において $a=m, b=1$ とすると

$$ (m - 1)^4 = m^4 - 4m^3 + 6m^2 - 4m + 1 $$

となるため、$PQ^2$ は次のように表せる。

$$ PQ^2 = 16 \{ (m - 1)^4 + 4 \} $$

実数の性質から常に $(m - 1)^4 \geqq 0$ であり、等号は $m = 1$ のときに成り立つ。 よって $m = 1$ のとき $PQ^2$ は最小値 $16 \times 4 = 64$ をとる。 $PQ > 0$ であるから、$PQ$ もこのとき最小値 $\sqrt{64} = 8$ をとる。

解説

放物線と直線の交点間の距離を求める典型問題である。 解と係数の関係を用いて弦の長さを文字 $m$ で表す処理は標準的な手法なので、計算ミスなく立式できるようにしておきよう。 $m$ の4次関数の最小値を求める際、微分(解法1)を用いてもよいが、係数の並び($1, -4, 6, -4, 1$)から $(m-1)^4$ の形に気づくことができると、解法2のように鮮やかに最小値を求めることができる。

答え

直線の傾き: $1$ 線分 $PQ$ の長さ: $8$

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