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京都大学 1969年 理系 第4問 解説

数学3/積分法数学2/指数対数テーマ/面積・体積テーマ/速度・距離
京都大学 1969年 理系 第4問 解説

方針・初手

比重は(質量)/(体積)で定義される。本問では水溶液を別の水槽 $B$ に移して混合するため、最終的な比重を求めるには「注入された全質量」を「注入された全溶液の体積」で割ればよい。

水溶液が一定の速さで流出しているため、単位時間あたりの流出体積を $v$(定数)とおく。時刻 $t$ における流出水溶液の比重 $\rho(t) = 1 + ae^{-bt}$ を用いて、微小時間 $dt$ の間に流出する質量を積分することで全質量を算出する。

解法1

時刻 $t$ における流出速度(単位時間あたりの体積)を $v$ ($v > 0$) とおくと、時刻 $t$ から $t + dt$ までの間に流出する溶液の体積は $v \, dt$ である。

時刻 $t$ における水溶液の比重が $\rho(t) = 1 + ae^{-bt}$ であることから、この微小時間内に流出した溶液の質量 $dm$ は次のように表される。

$$ dm = \rho(t) \cdot v \, dt = v(1 + ae^{-bt}) \, dt $$

時刻 $t=0$ から $t=k$ までに水槽 $B$ に注入された全質量 $M$ は、これを $0$ から $k$ まで積分したものである。

$$ \begin{aligned} M &= \int_{0}^{k} v(1 + ae^{-bt}) \, dt \\ &= v \left[ t - \frac{a}{b} e^{-bt} \right]_{0}^{k} \\ &= v \left\{ \left( k - \frac{a}{b} e^{-bk} \right) - \left( 0 - \frac{a}{b} \right) \right\} \\ &= v \left( k + \frac{a}{b} - \frac{a}{b} e^{-bk} \right) \end{aligned} $$

一方、時刻 $k$ までに注入された全溶液の体積 $V$ は、一定の速さ $v$ で $k$ 時間流出したものであるから、次のように表される。

$$ V = \int_{0}^{k} v \, dt = vk $$

水槽 $B$ に注入された水溶液をよくかきまぜたときの比重 $\rho_B$ は、全質量を全体積で割った値となる。

$$ \begin{aligned} \rho_B &= \frac{M}{V} \\ &= \frac{v \left( k + \frac{a}{b} - \frac{a}{b} e^{-bk} \right)}{vk} \\ &= \frac{k + \frac{a}{b}(1 - e^{-bk})}{k} \\ &= 1 + \frac{a}{bk}(1 - e^{-bk}) \end{aligned} $$

解説

本問は、時間とともに変化する比重(密度に相当する量)を持つ流体を混合した際の、平均的な比重を求める問題である。

「一定の速さで流出する」という条件から、流出体積が時間に比例することを使う。比重の定義式 $\rho = \frac{m}{V}$ を微小変化 $dm = \rho \, dV$ と見て、流出した質量を積分で求める形になる。

計算過程では、定数 $v$ が分母・分子で約分されて消えるため、具体的な流出速度の値によらず比重が決定することに注目したい。

答え

$$ 1 + \frac{a}{bk}(1 - e^{-bk}) $$

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