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京都大学 2007年 理系 第1問(乙) 解説

数学2/積分法数学A/場合の数数学B/数列テーマ/定積分計算テーマ/漸化式
京都大学 2007年 理系 第1問(乙) 解説

問1

方針・初手

(1) 被積分関数の分子を $2x$ と $1$ に分けて、$2$ つの定積分の和として計算する。$\dfrac{2x}{\sqrt{x^2+4}}$ の積分は微分の逆算として容易に求められ、$\dfrac{1}{\sqrt{x^2+4}}$ の積分は $t = x + \sqrt{x^2+4}$ とおく定番の置換積分を用いる。

(2)

$2$ 段昇る回数を $k$ 回として場合分けし、「$2$ が連続しない」ように配置する組合せを考える。または、階段の段数に関する漸化式を立てて求める。

解法1

(1)

与式を $2$ つの積分に分ける。

$$ \int_0^2 \frac{2x+1}{\sqrt{x^2+4}} \,dx = \int_0^2 \frac{2x}{\sqrt{x^2+4}} \,dx + \int_0^2 \frac{1}{\sqrt{x^2+4}} \,dx $$

第 $1$ 項について、$(x^2+4)' = 2x$ であるから、

$$\begin{aligned} \int_0^2 \frac{2x}{\sqrt{x^2+4}} \,dx &= \left[ 2(x^2+4)^{\frac{1}{2}} \right]_0^2 \\ &= 2\sqrt{8} - 2\sqrt{4} \\ &= 4\sqrt{2} - 4 \end{aligned}$$

第 $2$ 項について、$t = x + \sqrt{x^2+4}$ とおく。両辺を $x$ で微分すると

$$ \frac{dt}{dx} = 1 + \frac{x}{\sqrt{x^2+4}} = \frac{\sqrt{x^2+4} + x}{\sqrt{x^2+4}} = \frac{t}{\sqrt{x^2+4}} $$

よって、$\dfrac{1}{\sqrt{x^2+4}} \,dx = \dfrac{1}{t} \,dt$ となる。

積分区間は、$x$ が $0$ から $2$ に変化するとき、$t$ は $\sqrt{4} = 2$ から $2+\sqrt{8} = 2+2\sqrt{2}$ に変化する。

$$\begin{aligned} \int_0^2 \frac{1}{\sqrt{x^2+4}} \,dx &= \int_2^{2+2\sqrt{2}} \frac{1}{t} \,dt \\ &= \Big[ \log t \Big]_2^{2+2\sqrt{2}} \\ &= \log(2+2\sqrt{2}) - \log 2 \\ &= \log(1+\sqrt{2}) \end{aligned}$$

以上より、求める定積分の値は

$$ 4\sqrt{2} - 4 + \log(\sqrt{2}+1) $$


(2)

$1$ 步で $1$ 段昇ることを「$1$」、$2$ 段昇ることを「$2$」と表す。

「$2$」を $k$ 回使うとする($k$ は非負整数)。このとき、和を $15$ にするためには「$1$」は $15-2k$ 回使う。

「$2$」が連続しないためには、まず「$1$」を $15-2k$ 個並べ、その両端と間を含めた $(15-2k) + 1 = 16-2k$ 個の隙間から $k$ 箇所を選んで「$2$」を $1$ つずつ入れればよい。

したがって、このときの並べ方の総数は ${}_{16-2k}\mathrm{C}_{k}$ 通りである。

組合せが定義される条件 $16-2k \geqq k$ より $3k \leqq 16$ であるから、$k \leqq 5$ となる。

$k = 0, 1, 2, 3, 4, 5$ の各場合を計算し、足し合わせる。

これらを合計して、

$$ 1 + 14 + 66 + 120 + 70 + 6 = 277 \text{ (通り)} $$

解法2

(2)の漸化式による解法

$n$ 段の階段の昇り方の総数を $a_n$ とする($n \geqq 1$)。

最後の $1$ 步に着目すると、

  1. 最後に $1$ 段昇る場合:その直前は $n-1$ 段目であり、$a_{n-1}$ 通り。
  2. 最後に $2$ 段昇る場合:「$2$ 段昇ることは連続しない」という条件から、その直前の $1$ 步は必ず $1$ 段でなければならない。よって最後は「$n-3$ 段目から $1$ 段昇り、次に $2$ 段昇って $n$ 段目に到達」と確定し、$a_{n-3}$ 通り。

したがって $n \geqq 4$ において

$$ a_n = a_{n-1} + a_{n-3} $$

初期値を数え上げると $a_1 = 1,\ a_2 = 2,\ a_3 = 3$ であり、漸化式を適用すると

$$\begin{aligned} a_4 &= 4,\quad a_5 = 6,\quad a_6 = 9,\quad a_7 = 13,\quad a_8 = 19 \\ a_9 &= 28,\quad a_{10} = 41,\quad a_{11} = 60,\quad a_{12} = 88 \\ a_{13} &= 129,\quad a_{14} = 189,\quad a_{15} = 277 \end{aligned}$$

よって、求める昇り方の総数は $277$ 通りである。

解説

(1) は無理関数の積分の基本問題です。分子を分割し、一方は置換積分、一方は微分の逆算を利用するのが定石です。$\int \dfrac{1}{\sqrt{x^2+a^2}} \,dx$ の形は、$t = x + \sqrt{x^2+a^2}$ とおくことで鮮やかに積分できます。

(2) は「特定のものが隣り合わない並べ方」の典型的なアプローチ(間と両端に入れる)を利用するか、漸化式を立てて解くことができます。漸化式を利用する解法2は、数え漏らしや計算ミスを防ぎやすく、特に段数が大きい場合に有効な手段となります。

答え

(1)

$$ 4\sqrt{2} - 4 + \log(\sqrt{2}+1) $$

(2)

$$ 277 \text{ 通り} $$

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