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東北大学 1995年 理系 第5問 解説

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東北大学 1995年 理系 第5問 解説

方針・初手

まず部分積分で $I_n,\ J_n$ の漸化的な関係を作る。 そのうえで、$x^n\cos x,\ x^n\sin x$ の偶奇性を見ると、多くの積分が $0$ になるので計算が大幅に簡単になる。

(3) は $f(x)=ax^2+bx+c$ とおいて、$n=0,1,2$ の条件をそれぞれ $I_0,\dots,I_4$ を用いた連立方程式に直せばよい。

解法1

$n\geqq 1$ とする。

$I_n=\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi}x^n\cos x,dx$ に対して、部分積分 $$ u=x^n,\quad dv=\cos x,dx $$ を行うと、

$$ I_n=\left[x^n\sin x\right]*{-\pi}^{\pi}-n\int*{-\pi}^{\pi}x^{n-1}\sin x,dx $$

となる。ここで $\sin\pi=\sin(-\pi)=0$ であるから、

$$ I_n=-nJ_{n-1} $$

を得る。

次に $J_n=\displaystyle\int_{-\pi}^{\pi}x^n\sin x,dx$ に対して、部分積分 $$ u=x^n,\quad dv=\sin x,dx $$ を行うと、

$$ J_n=\left[-x^n\cos x\right]*{-\pi}^{\pi}+n\int*{-\pi}^{\pi}x^{n-1}\cos x,dx $$

である。$\cos\pi=\cos(-\pi)=-1$ なので、

$$ \left[-x^n\cos x\right]_{-\pi}^{\pi} =\pi^n-(-\pi)^n =\pi^n{1-(-1)^n} $$

となる。したがって、

$$ J_n=\pi^n{1-(-1)^n}+nI_{n-1} $$

を得る。これが (1) の関係式である。

次に (2) を求める。

$x^n\cos x$ は、$n$ が奇数のとき奇関数であるから、

$$ I_1=I_3=0 $$

である。また、

$$ I_0=\int_{-\pi}^{\pi}\cos x,dx =\left[\sin x\right]_{-\pi}^{\pi} =0 $$

である。

さらに $I_2$ を求める。まず

$$ J_1=\pi{1-(-1)}+I_0=2\pi $$

より、

$$ I_2=-2J_1=-4\pi $$

である。

次に $I_4$ を求める。まず

$$ J_3=\pi^3{1-(-1)^3}+3I_2 =2\pi^3+3(-4\pi) =2\pi^3-12\pi $$

より、

$$ I_4=-4J_3 =-4(2\pi^3-12\pi) =48\pi-8\pi^3 $$

となる。

よって、

$$ I_0=0,\quad I_1=0,\quad I_2=-4\pi,\quad I_3=0,\quad I_4=48\pi-8\pi^3 $$

である。

最後に (3) を解く。 $f(x)$ を

$$ f(x)=ax^2+bx+c $$

とおく。

条件 $$ \int_{-\pi}^{\pi}x^n f(x)\cos x,dx=4\pi \qquad (n=0,1,2) $$ を順に用いる。

(i) $n=0$ のとき

$$ aI_2+bI_1+cI_0=4\pi $$

であり、$I_2=-4\pi,\ I_1=I_0=0$ だから

$$ -4\pi a=4\pi $$

より

$$ a=-1 $$

である。

(ii) $n=1$ のとき

$$ aI_3+bI_2+cI_1=4\pi $$

であり、$I_3=I_1=0,\ I_2=-4\pi$ だから

$$ -4\pi b=4\pi $$

より

$$ b=-1 $$

である。

(iii) $n=2$ のとき

$$ aI_4+bI_3+cI_2=4\pi $$

であり、$a=-1,\ b=-1,\ I_3=0,\ I_2=-4\pi$ を代入すると

$$ -(48\pi-8\pi^3)-4\pi c=4\pi $$

となる。これを整理して

$$ -48\pi+8\pi^3-4\pi c=4\pi $$

すなわち

$$ -12+2\pi^2-c=1 $$

より

$$ c=2\pi^2-13 $$

を得る。

したがって求める $2$ 次式は

$$ f(x)=-x^2-x+2\pi^2-13 $$

である。

解説

この問題の中心は部分積分である。 ただし、部分積分だけで押し切ろうとすると計算が増えるので、偶奇性を併用するのが重要である。

特に、$\cos x$ は偶関数、$\sin x$ は奇関数であるから、

$$ x^n\cos x \text{ の偶奇 }=\ x^n \text{ の偶奇}, \qquad x^n\sin x \text{ の偶奇 }=\ x^n \text{ と逆} $$

となる。これにより $I_1,\ I_3,\ J_0,\ J_2$ などがすぐに $0$ と分かる。

(3) では、条件が $n=0,1,2$ の 3 本あるので、$f(x)=ax^2+bx+c$ の 3 係数がちょうど決まる。ここでも (2) の値を正確にそろえておくことが鍵である。

答え

$$ I_n=-nJ_{n-1}\qquad (n\geqq 1) $$

$$ J_n=\pi^n{1-(-1)^n}+nI_{n-1}\qquad (n\geqq 1) $$

$$ I_0=0,\quad I_1=0,\quad I_2=-4\pi,\quad I_3=0,\quad I_4=48\pi-8\pi^3 $$

$$ f(x)=-x^2-x+2\pi^2-13 $$

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