九州大学 1963年 文系 第1問 解説

方針・初手
与えられた等式と求める式で対数の底が異なっているため、まずは底の変換公式を用いて扱いやすい形に直す。 $\log_2 x$ と $\log_3 y$ の関係式が与えられていることから、求める式の底をそれぞれ $2$ と $3$ に変換し、これらを新たな変数とおくことで、条件付きの2変数関数の最大最小問題に帰着させる。
解法1
求める式において $x$ と $y$ は対数の底として現れるため、$x > 0$ かつ $x \neq 1$、$y > 0$ かつ $y \neq 1$ を満たす必要がある。 条件より $1 < x < 4$ であるから、$x$ についての底の条件は満たされている。
与えられた等式 $\log_2 x + \log_3 y = 2$ より、
$$\log_3 y = 2 - \log_2 x$$
ここで、$1 < x < 4$ について底が $2$ ($>1$)である対数をとると、
$$\log_2 1 < \log_2 x < \log_2 4$$
$$0 < \log_2 x < 2$$
となる。各辺を $-1$ 倍して $2$ を加えると、
$$0 < 2 - \log_2 x < 2$$
すなわち、
$$0 < \log_3 y < 2$$
これより $1 < y < 9$ となり、$y$ についての底の条件($y > 0$ かつ $y \neq 1$)も満たされる。
見通しをよくするため、$s = \log_2 x$、$t = \log_3 y$ とおく。 条件式は $s + t = 2$ となり、変数のとりうる値の範囲は $0 < s < 2$、$0 < t < 2$ である。
次に、求める式 $\log_x 2 + \log_y 3$ について、底の変換公式を用いると、
$$\log_x 2 + \log_y 3 = \frac{1}{\log_2 x} + \frac{1}{\log_3 y} = \frac{1}{s} + \frac{1}{t}$$
となる。これを $K$ とおくと、
$$K = \frac{1}{s} + \frac{1}{t} = \frac{s + t}{st}$$
$s + t = 2$ であるから、
$$K = \frac{2}{st}$$
ここで、$t = 2 - s$ を分母の $st$ に代入すると、
$$st = s(2 - s) = -s^2 + 2s = -(s - 1)^2 + 1$$
$0 < s < 2$ の範囲において、二次関数 $st = -(s - 1)^2 + 1$ は $s = 1$ のとき最大値 $1$ をとる。
$st > 0$ であるから、分母の $st$ が最大となるとき、分数全体 $\frac{2}{st}$ の値は最小となる。 したがって、$K$ は $s = 1$ のとき最小値 $\frac{2}{1} = 2$ をとる。
このとき、$t = 2 - 1 = 1$ である。 $s = 1$ より、$\log_2 x = 1$ すなわち $x = 2$。 $t = 1$ より、$\log_3 y = 1$ すなわち $y = 3$。 $x = 2$ は $1 < x < 4$ を満たしている。
解法2
解法1と同様に $s = \log_2 x$、$t = \log_3 y$ とおくと、変数に関する条件は $s > 0$、$t > 0$ かつ $s + t = 2$ である。 求める式を $K$ とおくと、底の変換公式より、
$$K = \frac{1}{s} + \frac{1}{t} = \frac{s + t}{st} = \frac{2}{st}$$
$s > 0$、$t > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$\frac{s + t}{2} \geqq \sqrt{st}$$
$s + t = 2$ を代入すると、
$$\frac{2}{2} \geqq \sqrt{st}$$
$$1 \geqq \sqrt{st}$$
両辺は正であるから、2乗して
$$1 \geqq st$$
$st > 0$ より、逆数をとると不等号の向きが反転し、
$$\frac{1}{st} \geqq 1$$
両辺を2倍して、
$$\frac{2}{st} \geqq 2$$
すなわち $K \geqq 2$ となる。 等号が成立するのは、$s = t$ のときである。 $s + t = 2$ と合わせると $s = 1, t = 1$ となり、これは $0 < s < 2$、$0 < t < 2$ の条件を満たす。
$s = 1$ のとき $\log_2 x = 1$ より $x = 2$。 $t = 1$ のとき $\log_3 y = 1$ より $y = 3$。
解説
対数の問題において、式の中に異なる底が混在している場合は、底を統一して考えるのが定石である。本問では求める式に $\log_x 2$ や $\log_y 3$ が現れており、$x, y$ が底の位置にあるため、底の変換公式を用いて真数である $2$ や $3$ を新たな底に変換する発想へ自然に至ることができる。
式を整理して変数をおき直した後は、条件付きの2変数関数の最大最小問題となる。和が一定であることから、積の最大値を求めることになり、二次関数の平方完成(解法1)または相加・相乗平均の関係(解法2)を利用する典型的な処理で解決できる。
解答を記述する際は、変数をおき換えたことで定義域がどう変化するかを確認すること、そして真数条件だけでなく、底の条件(底 $> 0$ かつ 底 $\neq 1$)が成立しているかの確認を怠らないことが重要である。
答え
最小値 $2$ ($x = 2, y = 3$ のとき)
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